ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ウィリアム・シェラベア

リー・クアンユー氏のご逝去

シンガポールの初代首相リー・クアンユー(Lee Kuan Yew,李光耀)氏が3月23日に逝去された。91歳。 シンガポールは、マレーシアの次に訪れた回数が最も多い外国。1988年から89年までのシンガポール国費留学生と母校でチューターとして交流した思い出、日本軍…

全て相働きて益となれり?

パイプス親子先生とお仲間学者の膨大な著書のおかげで(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140306)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140605)、この時期、知的枠組みの理解としても、精神的支柱としても、心理的バランスの上でも、どれほど助けられて…

ダニエル・パイプス先生のこと

久しぶりに、ツィッターの転載です。 (https://twitter.com/#!/ituna4011)Lily2 @ituna4011 1m Lily2‏@ituna4011 "Vixi: Memoirs of a Non-Belonger" by Professor Richard Pipes (http://www.amazon.com/dp/0300109652/ref=cm_sw_r_tw_dp_VtnPpb0NTBF4R via…

こちらをご覧ください

http://twitter.com/#!/itunalily65そんなつもりではなかったのに、ハートフォード神学校に関わる話題となると、ウィリアム・シェラベアとの絡みもあって、つい長くなってしまいます。ツィッターに書き綴りましたので、ご興味があればご覧ください。もちろん…

マレーシアの東方政策の功罪

前回書いた内容(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111029)について、「国内に指導教官なし」「21年間もマレーシアについて考えていた」という点で、まさかとは思いますが、(それ程一つのことに固執する、偏狭で視野の狭い奴なのか)というような感想を…

ハートフォードの『ムスリム世界』

今日の午後は、本を返しに民博図書室へ。 雨降りで大変でしたが、帰りには晴れ上がりました。 5,6年前、京大や同志社大学の書庫から、表紙がボロボロになったものを出していただいて、発行年の1911年から、1ページずつめくって速読したハートフォード神学校…

「真理はあなたたちを自由にする」

このところ、ブログを書くのをやめて、積み上がった資料を読んだり、読み直したりしています。 「早めに準備するように」とのことで、来月初の締切に向けて、おとといから学会発表の申し込み要旨を書き始めたのですが、改めてため息が...。発表のアイデアは…

時の評価は後に変わり得る

いろいろな方に「精力的に発表していますね」「おもしろい発表でした」「貴重な研究なので、がんばってください」とよく言っていただくのですが、ありがたい反面、内心、いつも複雑な思いです。なぜならば、あまりにも脈絡のない混乱した議論が前面に出てい…

秋の学会発表(1)

キリスト教史学会から11月に開かれる研究大会での発表の受理通知をいただきました。マレー人とキリスト教の関わりについて、1930年代の極秘資料を中心とした植民地時代の状況を分析する予定です。 結局のところ、ムスリムが心配するような事例はほとんどあり…

再び音楽と本の話

先日、大学病院に行き、支払いを待っていたところ、70代か80代ぐらいの、灰色の制服を着たかなり太めの修道女3人が、並んで座っているのを見かけました。 顔立ちから日本人じゃないとは遠目にもわかりました。3人のうち1人が病気で通院、あとの2人は付き添い…

マラヤ/マレーシアの宣教師

今日は、とても印象深くおもしろい本がシンガポールから届きました。マレー半島のみに居住すると言われているオラン・アスリの特にセノイに対して、1929年から1939年までキリスト教伝道に従事したミーンズ牧師夫妻(1894−1980,1901−1999)のメモワールです…

シェラベア訳の聖書について

昨晩は、なぜか夢中になって、シェラベア訳の聖書に関する短い報告二本を和訳してみました。もっとも、数年前から入手してあり、参考文献表にも何度か入れ、もちろん読んでいました。が、和訳してみると、また新たな驚きがあります。我ながら意義を感じて、…

クンデラの続きとレクイエムなど

先週の今頃は、懇親会で楽しく過ごしていたのでした。 「みのもんた」先生が、「論文なんて、ご飯食べずに集中すれば、3日で書ける」と豪語されていたので、思わず、「いえ、3日では書けません!」と反論しました。分野にもよるのでしょうが、私は、だめです…

病院・図書室・実験音楽そして....

昨日は、忙しくも充実した一日でした。 まず、ちょっと早起きして、大学病院に行く主人に同伴。大雨だったので、バスと電車とタクシーを利用。普段通らない道を新たに知るところとなりました。 大学病院では、初めて主治医に面会。いつものことながら、こま…

ヴォーリズの著作

ウィリアム・ヴォーリズ(Dr. William Merrell Vories Hitotsuyanagi, 日本名:一柳米来留, 1880-1964)の『失敗者の自叙伝』(1970年)湖声社/近江兄弟社が届きました。、厚さ1.5センチほどで、予想以上に活字のつまった本です。ちょうど、18年違いで同じく…

希望を抱いて今後の勉強を

これからしなければならない勉強。 交渉術を身につけるための論理学と弁証法。そして数学。数学は、高校の頃、数ⅡBまでは履修していて、(後注:実は数Ⅲもやっていたのでした!)共通一次の数学Ⅰよりも記述式の数ⅡBの方が成績がよかった、と記憶しています。…

お知恵拝借!

調べ物のため、3か月ぶりかで、民族学博物館図書室へ行ってきました。早めに出て行って、まとめて資料複写を済ませようと考えていたのに、結局のところ、書庫に並べてあった1800年代からの製本ジャーナルに夢中になってしまい、予定を達成できませんでした。…

勉強には時間がかかる

昨日は、アメリカのハント先生とマレーシアのDr. Ng Kam Wengと楽しくメール交換をしました。 来月、ハント先生がマレーシアを訪問されるそうで、どうやらお二方で面会の予定だとのことです。もっとも、以前の公開クリスマス・レターでは「うちの子ども達の…

キリスト教の人脈ネットワーク

アメリカの南メソディスト大学パーキンス神学部で教鞭をとっていらっしゃるロバート・ハント教授から、一か月ぶりにメールが届きました。トルコのスーフィズムであるギュレン運動に関する本を編集されたのがハント先生なので、早速、近況かたがたご連絡した…

祝・ノーベル物理学賞

やっぱりうれしいですね、今年の3人のノーベル物理学賞受賞が久しぶりに日本の方。しかも、私の故郷、名古屋のご出身が2人もですよ!もっとも、母校(注:父と妹の母校でもある)は、昔から、理系は強いが文系はからっきしダメだと言われていたので、何らお…

シンガポール事情に関する一私見

以下は、シンガポールから送られてきた論文に対する愚考の和訳です(参照:2008年9月6日・9月7日付「ユーリの部屋」)。Aさんからは、「論文を読んでくれた努力に感謝している。少しこちらも考えさせてほしい。後で返事を送る」とのご連絡をいただきました。…

大学と教会のネットワークで...

昨晩から、学会発表準備のために、まだ面会したことはないものの、かれこれ7年以上もメール等でご指導いただき、何かとお世話になっている南メソディスト大学神学部の教授のホームページや論文コピーなどを復習しています。 数日前に、無教会のように、一人…

よい言葉かけとよい心がけを

昨日は、町の夏祭り。ゆかた姿の子ども達と大人で賑わっていました。 ...と、ゆかたにまつわるある過去の経験が蘇ってきて、過去が現在をつくるとはこういうことなんだ、と思わされたんです。その経験とは、決して愉快な楽しいものではなく、私にとっては、…

書かれたものを通して...

昨日の午後は、民博図書室にこもり、ようやくマイクロフィルム三本のリールのうち一本が終了しました。夏休みに入ったためか、来館者が比較的多いように感じましたが、これまでは、私がたまたま静かな時間に訪れていただけなのかもしれません。ともかく、3時…

本質を見抜く力と相性の問題

昨日は、主人が勤務先で受験した英語試験の結果を眺めながら、二人でいろいろと語り合いました。私から見れば、成績は決して悪くはありません。というより、これと同じ成績でMIT留学が決まったのです。けれども、主人はとても悔しがっていました。「アメリカ…

翻訳によって価値を学ぶ

おととい(6月27日付「ユーリの部屋」)では、三位一体の「三」というのをなくせばけっこういけるのに、というムスリムの話を引用いたしました。実のところ、これは言語上の問題でもあるようです。ここで再び、Hugh Goddard教授にご登場願いましょう。非常に…

イスラームをめぐる英マの関係

昨日の予告通りの内容を書こうと思い、昨晩からHugh Goddard教授のマレーシアとナイジェリアに関するムスリム・クリスチャン関係の論文‘Christian-Muslim Relations in Nigeria and Malaysia'Lloyd Ridgeon(ed.) "Islamic Interpretations of Christianity" …

久しぶりにブログを...

エレーヌ・グリモーさんやアンネ=ゾフィー・ムターさんの演奏会は、時間的に無理かと思っていたのですけれども、今から考えても、行けるうちに行っておいてよかったなあ、というのが正直なところです。やはり、よいものに触れるかどうかで自分の感性も違っ…

歴史を知って誇りを持つ

昨日は一日中、シカゴ大学が再版した『モスレムの土地におけるキリスト教文書:全モハンメド教徒におけるモスレム出版とクリスチャン出版に関する活動の研究』(1923年(大正12年)出版)という興味深い文献を読んでいました。マレーシア(と言っても、現在…

ハートフォード神学校について

昨日は、一通りまとめが終わったところで、気が抜けたのか、どっと疲れが出てしまいました。なんでこの程度で、と我ながら思いますけれども、「価値観の違いを認め合う」とは、このような作業の連続だということの証左でもあります。 ところで、2007年8月23…