ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マレーシア教会指導者のご逝去

前言を翻すようで恐縮ですが、マレーシアから入った緊急ニュースをお知らせしたく、「ユーリの部屋」を再開することにいたしました。マレー語版『子ども達のための聖書』を送ってくださったキリスト教組織のスタッフより(参照:2008年4月26日付「ユーリの部…

ゴールデンウィークの休暇通知

正確には昨日からゴールンウィークに入っています。この辺りでしばらく「ユーリの部屋」のお休みをいただきます。 ブログに新鮮な記事を書き続けるには、もっとたくさん硬質の本を読まなければならないと思います。また、段ボール箱に幾つもたまっている文献…

マレー語・聖書・キリスト教

今朝、『子ども達のための聖書』と題するマレー語の本がマレーシアから届きました。聖書物語を子ども向けにやさしくリライトしたもので、私の知り合いも訳者の一人に含まれています。実はこの本、出版元のオフィスで、その他のマレー語のキリスト教文献と一…

西洋の大学へのイスラーム投資

イギリスの大学に引き続き、オーストラリアの大学でも、サウジアラビアからの潤沢な資金によるイスラーム学センター設立の報道がありました(本日付英語版はてなブログ“Lily's Room”(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20080425))。内容がよくわからない…

キリスト教連合と 『ヘラルド』裁判

昨日のマレーシアの電子版新聞『マレーシア・キニ』(http://www.malaysiakini.com)によれば、Rustam A. Sani氏が昨朝早く、呼吸困難で逝去されたとのことです。64歳でした。 この方のマレー語著作『新マレー人とマレーシア民族』(“Melayu Baru dan Bangsa…

よき伴侶の選び方指南

待ち時間や電車に一人で乗っている間に主人がすることは、英語の本を読むことです。我が家では「えほん」と呼んでいるのですが、簡単な教材用の本から始めて、5センチほどの厚さのペーパーバッグを読んでいます。 私の場合、手持ちの本なら構わず線を引き、…

アラブ友好協会について

このところ、アラブに関する話が続いたので、なぜマレーシアに関わっているはずの私が一時アラブにまなざしを寄せたのか、私的経緯を少しご説明いたします。もっとも研究上の理由が一番大きいことは言うまでもありません。マレーシアの「マレー人範疇」には…

アラブのムスリムとクリスチャン

6月に関西で開かれる学会に発表を申し込んだところ、受理していただきました。今回は、ご近所の大学(阪大)で開催されるので、聞きに行くだけではもったいないから自分も発表してみようと思ったのです。 毎日、家事や散歩以外、起きている間はずっと勉強の…

アラブでのイスラーム棄教の議論

先週の「イスラーム棄教の背景分析」(1)〜(4)は、「ユーリの部屋」へのアクセス数が、突然、普段の3倍ほどに上がったので、予想以上に関心の高い方達が多いのだと思いました。 念のため繰り返しますが、これは私自身の研究ではなく、あくまで概略をご紹…

歴史を知って誇りを持つ

昨日は一日中、シカゴ大学が再版した『モスレムの土地におけるキリスト教文書:全モハンメド教徒におけるモスレム出版とクリスチャン出版に関する活動の研究』(1923年(大正12年)出版)という興味深い文献を読んでいました。マレーシア(と言っても、現在…

ハートフォード神学校について

昨日は、一通りまとめが終わったところで、気が抜けたのか、どっと疲れが出てしまいました。なんでこの程度で、と我ながら思いますけれども、「価値観の違いを認め合う」とは、このような作業の連続だということの証左でもあります。 ところで、2007年8月23…

イスラーム棄教の背景分析 (4)

以下は、おとといの「ユーリの部屋」の続きです。4.Ibn Warraq著『イスラームを離れて』(ユーリ注:以下『離れて』)とウェブサイト『イスラームに答えて』(ユーリ注:以下『答えて』)『イスラームの棄教者達』(ユーリ注:以下『棄教者達』)の証言を…

イスラーム棄教の背景分析 (3)

おとといと昨日の「ユーリの部屋」でご紹介している論文要約の第三弾に入る前に、中間コメントとして、ここで少し私見をまとめておきます。 書きながら思うのは、宗教戦争や宗教対立を経験した人類史を振り返り、多様な価値観の交錯する現段階では、やはり信…

イスラーム棄教の背景分析 (2)

以下は、昨日の続きです。3.メディアでの語り・我々が面談した以外に、事例が広く一般化されている幾つかの改宗者の事例もある。ただし、Ayaan Hirsi AliとWafa Sultanの事例は除く。前者は、ソマリア出身の無神論フェミニストで政治家。オランダで評判に…

イスラーム棄教の背景分析 (1)

『ムスリム世界』という英文学術誌があります。同志社大学大学院アメリカ研究科に宣教師として4年間滞在されていたジクモント(Barbara Brown Zikmund)教授の手引きもあり、2005年8月に、私はアメリカのコネティカット州にあるハートフォード神学校を訪問し…

石井桃子先生を偲ぶ

石井桃子先生を偲びつつ、岩波書店の『石井桃子集1』から印象に残った文を書き抜いて、ここに記したいと思います。 『ノンちゃん雲に乗る』は、話の筋もおもしろいのですが、よく考え抜かれた複雑な構成となっています。そして、調子よく上手にお話を続けて…

小川国夫氏の『私の聖書』

本来の予定では、「私はこれでイスラームをやめました」という人々の背景理由を探ろうとしたムスリム研究者による論文の紹介か、先月下旬に開催されたチューリヒ大学神学部教授による講演会とワークショップの概略を書こうと思っていました。 でも、鼻風邪が…

昨日の過ごし方 その2

昨晩、注文しておいたCDが三枚届きました。今、聴きながら書いていますが、音色が何ともなつかしく、深い味わいがあります。 1. Pierre Fournier, Violincello, Lalo: Cellokonzert・Saint-Saens: Cellokonzert No.1・Bruch: Kol Nidrei・Bloch: Schelomo, O…

この辺で少し中間休みを

昨日から、何だか喉がひりひりと軽く痛みます。今日は雨なので、念のため、家でゆっくりすることにしましょう。こんな時には、たまった本が読めるのでありがたいです。元気だとつい動き回り、あれこれ用事を済ませようとして、時間がいくらあっても足りない…

ユダヤ式教育の源泉と秘訣

小川国夫氏が80歳でご逝去されました。氏のご著作については、数年前、ジュンク堂の冊子『書標』に寄稿したところ、採用されました(2001年4月号, pp.28-29)。以下は、その拙稿です(http://www.junkudo.co.jp)。 「力の源泉」 最近、小川国夫氏の『私の聖…

少年老い易く学成り難し

近くの図書館から、新たに予約本が入ったとのご連絡がありました。これで、計4冊借りに行くことになります。 今朝は、『ユダヤ人から見た新約聖書』や『キリスト教の世界政策』などを、とてもおもしろく読みました。まだ、読みかけですが、早く続きに取り掛…

数値データを鵜呑みにしないで!

データというものは、一般的傾向を知るのに、客観的で有益なものだと思われているようです。もちろん、データの取り方にもよりますし、その解釈は人によります。私自身は、数字に弱いせいもありますが、あまり数値データを信頼していません。なぜなら、必ず…

クラシック音楽と聖書の話題

新しいCD視聴は、ここしばらくお休みだったのですが、ふと気がつくと、昨朝、主人が新しいCDを3枚購入しようと言ってくれました。何分、古い録音の海外輸入盤なので、良質なのにとても安く買えるのだそうです。こういう点では、私の方が得意だということで、…

ヘルマン・ヘッセ『車輪の下に』

ヘルマン・ヘッセの『車輪の下に』(秋山六郎兵衛(訳)角川文庫665 昭和28年初版・昭和41年39版・平成5年改版47版)を、隙間時間に再読しています。確か、中学生の頃に一度読んでいたのですが、どうもその頃の記憶では、受験勉強の重圧と重ね合わせて読むよ…

石井桃子先生、さようなら...

昨日の『朝日新聞』夕刊で、石井桃子氏が101歳でお亡くなりになったとの報に接しました。この「ユーリの部屋」でも、2007年10月29日・2008年1月5日付で書かせていただきましたので、なんとなく気落ちした気分です。1月には車椅子で朝日賞を受賞されたとの記…

マレー語・ムスリムと聖書・アラブ

昨日付のはてな英語版ブログ“Lily's Room”(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2)では、マレーシアの首都圏にあるカイロス研究センター所長のDr. Ng Kam Wengの最新版論説を引用させていただきました。もちろん、複写引用に当たって許可をいただくのですが、…

マレーシア関連の出版物とHP

昨日はエイプリル・フールでしたが、私には別段何も起こらず、ブログ内容もいつもと同様、真面目に本当のことを書きました。ただ、二つの学会宛に送ったワード文書添付について、開けないとか文字化けしているとかの連絡が届き、一瞬、「エイプリル・フール…

エイプリル・フールの日ですが...

今日はエイプリル・フールの日ですが、以下に書くことは、忙しい世の中を混乱させるための嘘の遊びじゃありません。 3月30日の夜には、録画しておいた太田愛人先生の『パウロの手紙を読む』最終回を見ました。途中でまた寝てしまったのですが、なかなか味わ…