ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

うれしい贈り物と美術館の話 

私にはどうも悪い悲観癖があり、少しでもお返事が来なかったり遅れたりすると、自分に非があるのでは、何か失礼なことをしたのではないか、とグルグル考えて収拾がつかなくなることがあります。多くの場合、それは杞憂に過ぎないことが後で判明し、無駄な時…

アーレントを読む

今日は、ちょうど一週間前に京大でお目にかかったフランスの女性研究者と司会をされた先生の本を借りることができました(参照:2009年7月18日付「ユーリの部屋」)。 『叢書・ウニゲルシタス 883 ユダヤ女 ハンナ・アーレント 経験・政治・歴史』マルティー…

人生万事塞翁が馬

昨日の続きです。 そうはいっても、落ち着いて考えてみれば、私にとっては、長い目で見て、必要な休養と充電の時期であるかもしれません。今ほど、精神的な意味での自由な時はないからです。平均寿命までいけるとしたら、あと半分は残っているたっぷりした時…

思い込みを捨てて前へ

学生時代から海外に目を向け、院生の時には留学生寮の住み込みチューターを務め、その後はマレーシアへ。タイ、インドネシア、シンガポールへも平気で単独で旅行していました。 でも、気がついたら、この12年ほどは、ほとんど毎日、家にこもって本を読むかパ…

昨日の仕事

昨日は、午前中、主人の特定疾患の継続申請手続きのために1時間半ほど費やしました。年1回の恒例行事ですが、一見何でもないように見える人が、病気で苦しんでいらっしゃることがわかる機会です。 60代ぐらいのご夫婦連れで、ご主人が奥さんの看病に当たって…

イスラームへの反論の是非

2009年6月20日付「ユーリの部屋」で書いた「エジプト人ムスリムの他宗教観」について、他のサイト(http://8928.teacup.com/yomimono/bbs)の7月10日付で引用されていることを、昨晩知りました。 投稿者が議論したがっているのは、ムスリムが主張するところ…

レヴィナスとアーレントの講演会

今日の午後は、京大吉田南総合館で開催されたパリ第七大学のマルティーヌ・レボヴィッシ女史の講演会に出席しました。T先生から勧められた学会のお知らせにチラシが入っていたので、久しぶりに京大へ出かけて行ったのです。ちょうど祇園祭だったので、浴衣姿…

片付けものをしながら

昨日は、メモや資料などの整理をしていました。対照的に、インターネットの時間が減ります。そうしないと、なかなか片付かないからです。 古い読書ノートを見ていると、よくこんなにもあれこれ読んだものだ、と我ながら呆れ返ります。特に、2007年3月にイス…

ユーラビアは幻想に過ぎない

今日立ち寄った近所の図書館で、“Newsweek”(20 July 2009)(英語版)を読んでみたところ、いわゆる「ユーラビア」(Eurabia)が神話だということ、すなわち、実現不可能性を示唆する記事が掲載されていました(William Underhill,‘Why fears of a Muslim tak…

今日の読書から

今日は、以前送っていただいた本2冊を読みました。 感想は、一言で言えば、(やっかいなテーマだけれども、よく読めば、地域ごとに、各宗教ごとに、各研究者ごとにニュアンスの異なる報告や論文が、思っていたよりはあるのだなあ)ということです。読んでみ…

ちょっと一言

昨晩、知り合いのイスラエル人の先生に、2年前にドイツの大学の「ドクター・ドクター」(博士号を二つお持ちなので)の先生が送ってくださったマレーシア関連の論文の件で、お礼を述べました。5月末の拙稿の脚注に引用させていただいたからです。すぐにお返…

経験の複雑さ

昨日も、T先生にお誘いいただいていた会合に出席しました。 全く知らなかった二人の知識人に関するご紹介のようなお話だったのですが、なかなか惹きつけられる内容で、すっかり集中してしまいました。専門ではないのに、どうしてここまで興味が持てるのか、…

グローバル化とナショナリズム

グローバル化の反面、固有文化の見直しの気運が高まっているようです。もちろん、根無し草の人間ほど信頼されないものはないので、バランスをとろうとする動きとも見ることはできるでしょう。 つい数日前には、プロテスタント日本宣教150周年記念行事が横浜…

ムスリム諸団体のタリバン抗議

「メムリ」(http://memri.jp) Special Dispatch Series No 2432 Jul/6/2009 「タリバン、パキスタンのシーク教徒に人頭税を強要 ―インドムスリム諸団体が抗議―」 最近タリバン民兵が、パキスタンの部族地区でシーク教徒にジズヤ(イスラム世界で非イスラム…

分をわきまえること (1)

10年以上も前の話です。マレーシアの華文独立中学という華語で教育を施す私立の中等学校(ジョホール)を卒業し、自費で日本(名古屋)に留学したマレーシア華人(客家)の若い留学生と知り合いました。経済学専攻でしたが、日本留学中に、オーストラリア留…

「神の名」裁判の延長

今日は七夕。町に出ると、笹の飾りが目につきました。 そしてマレーシアでは、本日がカトリック新聞『ヘラルド』の「神の名」問題に関する裁判の日だったのですが、結局は10日後に。つまり、カトリック側にとっては、延長されたわけです(参照:‘Lily's Room…

柔軟性と新しい思考と

今日、5月末にぐったりしながらも夢中になって書いていた原稿の印刷が届きました。 本当にありがたかったのは、若い編集者の柔軟な対応と新しい物の見方です。経済中心の冊子なのですが、門外漢の私にとっても本当に学ぶことが多く、かつての常識めいた理論…

ここでひと息(1)

「対話会合というのは、ある面で、大学の儀式、お祭りだからさぁ。外国に出てくるような先生達は、もう慣れているから、何言われても建前の答えを用意してあるよ。アメリカなんかだったら、みんなはっきりストレートに質問するから、鍛えられてるはずだよ。…

以心伝心と一期一会

おとといと昨日は、貴重な会合にお誘いいただき、有意義な時を過ごすことができました。このように正式な大学の会合に招いてくださる懐の深さと、出会いの縁の大切さを感じさせられました。 そして、相互理解には時間がかかり、粘り強さと率直で開かれた態度…

シャガールと聖書 そして共感覚

今日から7月。2009年も半分過ぎてしまったというところです。お正月の頃に立てていた目標が、達成できているのかどうかといえば、予想外に進んだ面もあれば、休息や自由な時間が欲しかった部分もあったりして、予定をきっかりこなしているわけではありません…