ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

再び音楽と本の話

先日、大学病院に行き、支払いを待っていたところ、70代か80代ぐらいの、灰色の制服を着たかなり太めの修道女3人が、並んで座っているのを見かけました。
顔立ちから日本人じゃないとは遠目にもわかりました。3人のうち1人が病気で通院、あとの2人は付き添いらしいのですが、ずいぶん暇な修道院なのか、そういう制度なのか、ほほえましく思いました。
近くに座ると、スペイン語が聞き取れてしまったので、スペイン出身だとわかったのですが、それも何となくおかしかったです。何をしゃべっているかと言えば、実に他愛もない話で、電子板に番号が掲示される度ごとに、スペイン語で読み上げていたりするのです。適度に親しく、適度に自立した人間関係のようで、この年齢になっても、こういう風にいられたらいいなあ、などと思いました。帰りがけに拝見した顔の表情が、何とも明るくいい感じで、なるほどという次第です。
白人修道女の制服姿を見ると、つい幼稚園の頃を思い出して、懐かしく思われます。こんな遠い日本まで、わざわざ奉仕活動のために来られて...なんて素直に思いますが、幼児期の経験って、本当に大きく影響するものなんですね。世の中には、それが嫌だ、うっとうしい、と批判する人もいないわけではないので。

ところで9月に、ズビン・メータ率いるウィーン・フィルが、ランラン(ピアノ)と共に西宮に来るらしいと聞き、早速、チケット入手を試みました。先行予約の初日で、もうかなり前のことです。A席一人38000円しか空いていないとのことで、即座にあきらめました。ウィーンに飛ぶよりは安いということなのでしょうが、それにしても高過ぎるのと、曲目が有名なものばかりなので、わざわざ行くのも...という気になってしまったのです。
さて、そのランラン。昨夕のFMラジオ「ベスト・オブ・クラシック」でも豪快な演奏を聴かせてくれました。ただ、終盤に向かうにつれ、音が割れていたり、フォルテとピアノの付け方が私(が昔習った解釈)とは異なる弾き方だったのに気づき、じゃあ、また別の機会に、と踏ん切りがつきました。いくら人気があっても、どこか感性が合わない点があるならば、無理に高いお金を払う必要はないでしょう。
今は、一仕事済んだ気分で、気楽な本とCDで休止を入れています。そう言えば、ブログを休んでいる間に、もう1冊、本が届いたのでした。

Earnest Lau,“From Mission to Church: The Evolution of The Methodist Church in Singapore and Malaysia: 1885-1976”, Armour Publishing, Singapore, 2008.

正直なところ、予想したほどの内容ではありませんでしたが、シェラベアについての言及が含まれていたので、まあよしとしましょう。シンガポールのいいところは、こういう古い記録資料を、現地の人自らがまとめていこうとする姿勢です。マレーシアでは、「わかっているんだけど、やる人が少ない」とよく聞きます。「だから、あなたみたいな人が必要なのよ」とも(カトリック教会で)言われたことがあります。

ミッチ・アルボム(著)/別宮貞徳(訳)『モリー先生との火曜日NHK出版1998年

何年も前にテレビで放映されていたのを覚えていますが、人生にとって本当に重要なものは何か、を再認識させてくれる本です。その論理でいくなら、今の私は、自分にとって大事だと思うことしかしていないので、幸せだと思います。

・『KAWADE 夢ムック ナルニア国物語 夢と魔法の別世界ファンタジー・ガイド文藝別冊 河出書房新社2006年) 

未だに読んでいない『ナルニア国物語』。銀座の教文館に行った時、大きなパネル広告があるのを見ていたのですが、なかなか手が回りません。というわけで、とりあえずこちらを借りてみました。

・『川久保賜紀 2002年チャイコフスキー国際コンクール・ライブ』(チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲/プロコフィエフ・ヴァイオリンソナタ No.2, Op.94 bis/チャイコフスキー・瞑想曲 Op.42-1/サラサーテツィゴイネルワイゼン

五月連休のびわ湖ホールでの演奏会を思い出します(参照:2009年5月4日付「ユーリの部屋」)。プロコフィエフは、もう少し明晰な音がメリハリよく出たらもっと良くなると感じました。

・『ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番/パガニーニ狂詩曲ランラン(ピアノ)/マリインスキー劇場管弦楽団/ワレリー・ゲルギエフ(指揮)Deutsche Grammophon2005年)

・『サイモン・ラトル ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ドビュッシー牧神の午後への前奏曲」「交響詩 海」「バレエ言楽 おもちゃ箱」「3つの前奏曲EMI2005年

インフルエンザ騒動もおさまったようですし、気候もよくなりました。4月に書きかけたままの原稿を完成させ、翻訳も終わらせ、来月の会合の備えをし、11月のテーマをまとめておきたいと思います。衣替えもしなければならないし...。