ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

クンデラの続きとレクイエムなど

先週の今頃は、懇親会で楽しく過ごしていたのでした。
みのもんた」先生が、「論文なんて、ご飯食べずに集中すれば、3日で書ける」と豪語されていたので、思わず、「いえ、3日では書けません!」と反論しました。分野にもよるのでしょうが、私は、だめですね。普段からいろいろ資料を集めたり整理したりして、メモ書きをつくっておき、気が乗った時に一気に書き始める、というやり方は同じなのですが、いかんせん、データがあちらこちらに散らばっているために、時間を置いてチェックし直すと、いっぱいミスが見つかるからです。また、自分のテーマだけを狭く長い間掘り下げるのがいやで、もっと広くさまざまなことを学びたいという欲張りなこともあり、気分転換を常にしていないと、思考もことば使いも硬直化してしまいそうなのです。
というわけで、今はミラン・クンデラの第二弾として、『冗談関根日出男・中村猛(訳)みすず書房2002年)を読んでいます。これも、筋立てというのか構成が込み入っていて、ドラマ仕立てのようでおもしろいです。共産圏チェコスロバキアの片鱗が浮かび上がってくるのですが、ご本人としては、そういう読まれ方が不本意のようです。ともかく、しばらくは、クンデラ作品を続けて幾つか読んでみようと思っています。
昨日ようやく到着した本は、シンガポール聖書協会発行の『プラナカン新約聖書』(2007年)です。正確には、“Perjanjian Bharu”(New Testament in Baba Malay)で、1913年にシェラベアが訳して発行したものの再版です。1月下旬に注文したのがやっと届き(参照:2009年1月30日付「ユーリの部屋」)、ほっとしました。それに、シンガポールが、現在ではほとんど使用するコミュニティが消滅しかかっていることを危惧して、このような植民地時代の聖書翻訳を再発行してくださったことも、ありがたく思います。前総主事のDr. Lee Soo Annのご尽力によるところ大でしょうね、この企画は。マレーシアでも、早くそういう運びになればいいのですが。
もっとも、出版されてから研究にとりかかっているのでは遅いです。上記の新約聖書も、部分的には10年ほど前から見ていた上、複写も集めてあったものなので、これから、あと少し周辺的な論文があるかどうかを確認すれば、またもう一つテーマがまとまりそうです。こういう時、聖書翻訳に関するテーマは、尽きせぬ泉なのだとうれしくなります!
音楽の方は、この時期なので、レクイエムなどでまとめてみました。
フォーレのレクイエム1893年版)+アンドレ・メサジュ「小ミサ曲」(注:2009年2月9日付「ユーリの部屋」でご紹介したものとは版が違います。)
ブラームスドイツ・レクイエム 作品45 サイモン・ラトル指揮・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
バッハのモテット集ヴィヴァルディのキリエ(RV587)/グローリア(RV589)
特に、最後のCDは、レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊によるものです。ベネディクト16世の発言を発端として、すっかり有名になったレーゲンスブルクですが(参照:2007年10月24日・2007年11月10日・2007年12月6日・2008年6月16日付「ユーリの部屋」)、もしかしたら、あの「事件」が発生しなかったら、所在地そのものも知らなかった人が世界中にはいたのかもしれません、よね。それに、案外、ムスリムの中にも、レーゲンスブルクが一体どういう場所なのか知らずに騒いでいたケースがあったのでは....。