ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

よき伴侶の選び方指南

待ち時間や電車に一人で乗っている間に主人がすることは、英語の本を読むことです。我が家では「えほん」と呼んでいるのですが、簡単な教材用の本から始めて、5センチほどの厚さのペーパーバッグを読んでいます。
私の場合、手持ちの本なら構わず線を引き、メモを書き込みながら読む癖が学生時代からあるのですが、主人はきれい好きで、書くとしても鉛筆で薄く小さく、読み終わるのにかかった時間(分秒)と日付を裏表紙につける程度です。あまりにきれいなので、昨年から、読み終わった本はどんどん売りに出しています。アルコールで表紙を拭き、ビニール袋をかけて封筒に入れて送る仕事は、私の役目です。ささやかな売上金は、私のお小遣いになるという仕組みです。
案外すぐに売れるもので、おかげさまで注文が途切れることなく続きました。昨日も送ったのですが、すぐ目の前にあるポストの郵便受けに入らない大型の本だったということがわかり、夕刻でしたが、役場前のポストまで、つっかけ姿で歩いて投函しに行きました。これもまた楽し、です。
ところで、英語の勉強のために主人が使っていたカセットテープ(今ならCDですが)付の小さな本『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(“Letters of a businessman to his son”)G. Kingsley Ward(著)/塩谷紘(解説)新潮社1987年)を、最近、買い物帰りのバスの待ち時間に、私が読んでいます。買い物袋(エコ袋)の内ポケットに入れておくと、かさばらず、すぐに取り出せるので便利です。バスは10分以上待たないことにしているので、ちょうど読みやすい分量でもあります。
内容は、父子の書簡の形をとった若い人向けの人生論で、なかなか啓蒙的で教訓的なのですが、もし10代後半か20代に読んでいたとしたら、ちょっと素直に読めなかったかもしれません。多分、(どこか辛気くさいなあ)と感じていたでしょう。ところが、今読んでみると、ごく自然に頷ける部分が多いのです。「教育の設計」「成功について」「誠実さの代価」「結婚を気軽に考えないで」「金銭感覚はどうなっているのか」「読書の価値」「友情は手入れしよう」「批判は効果的に」「ストレスと健康」「生活のバランスを保とう」という目次の中から、「結婚」まで読み進めました。
息子に向けての父親のアドバイスですから、この歳になっても、女性の私にとっても興味があります。自分の結婚前は、周囲の家庭を自分なりによく観察して、女性からの経験談や助言ばかり見聞きしていたので、逆の立場で、賢明な男性ならどんな女性を人生の伴侶に選ぼうと考えるかについては、この本で初めて知りました(pp.48-50)。

・温かくて人好きのする性格の持ち主を選びなさい。
・さもしさや嫉妬深い傾向がないかどうか観察しなさい。
・噂好きなタイプは遠ざけるべきだ。
・欲深なタイプも疫病のように避けるべきだ。
・たまたま知的なタイプの女性ならば、真剣に考えなさいと言うだろう。特に彼女が、振る舞い方、きちんとした服装、友達との会話に気を配るタイプかどうかを、しっかりと考えなさい。最も考えるべきは、彼女が本当のパートナーとして、調和してやり取りができる力量を持っているかどうか、きちんと考慮すること。知性および誠実さや高潔さのような質を探すこと。
・活動的かどうか。怠け者ではないか。
・きれい好きかどうか。いつも台所に汚いお皿が積み上げたままになっていないか。
・ユーモアがあるか。
・魅力的で感じがよくて知的であること。この三つのよい特徴を備えた女性ならば、将来生き残りのよいチャンスがある。
・最も好きなものは何かについて、調査研究と分析をしなさい。
・バランスシートを作り、注意深く家族のための時間と仕事の時間を振り分けなさい

さっき、遅い夕食を済ませた主人に「ね、この本を読んで私との結婚を決めたの?」と尋ねると、「ぽ」とだけ言ってお風呂に入ってしまいました。「ぽ」って何なんだ?

まあ、自分については、今でも反省すべき点が多々あります。20代の頃は、あちらこちら出かけて行って、できるだけ多くの人に会うことに精力を使っていた傾向はありました。ただし、あまりユーモアのセンスがある方じゃありませんし、家でも、堅苦しい本を読んで音楽を聞いて文章を書いたりして、独りで過ごすのが好きなタイプなので、上記の条件からすれば、お父さんのおめがねから私はかなり外れているわけです。
出会ってすぐに、主人から交際を申し込まれましたが、付き合っていた期間中も、どちらかと言えば、次に会った時には断られるんじゃないかと心配ばかりしていました。

数年前、プールで泳いだ帰りに立ち寄った小さなお店で、50代ぐらいのおばさん二人が、「まあ、誰と結婚しても同じや」などと話しているのが聞こえてきました。つい、(同じじゃないですよぉ!相手次第で人生大きく変わってしまいますよぉ!)と叫びたくなりました。このおばさん達は、世間体か周囲の圧力かで、妥協で結婚せざるを得なかったんだろうと思います。

とにかく、こんな私でも、十年は結婚が持ちました。ひとえに主人の忍耐と寛容のおかげです。ありがとう!!