ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

エイプリル・フールの日ですが...

今日はエイプリル・フールの日ですが、以下に書くことは、忙しい世の中を混乱させるための嘘の遊びじゃありません。
3月30日の夜には、録画しておいた太田愛人先生の『パウロの手紙を読む』最終回を見ました。途中でまた寝てしまったのですが、なかなか味わい深いお話をされていて、録画してよかったと思いました。
その後のETV特集では、『ぼくは12歳』の著者故岡真史君のお父様であられる高史明氏の講演活動などが放映されていました。ふと、私の小学生時代を思い出し、このお父様やお母様の人生は、いったいどうして何の意味があってこんな風になってしまったのかと暗い気分になりました。『ぼくは12歳』については、中身をしっかり読んだわけではありませんが、学校の図書館で見た時、自分よりも年上の男の子がこんなことを考えて行動に移すなんて、私も同じ年になったら、そういうことを考えるようになるのだろうか、とぞっとしました。もし生きていたら、今の私とほぼ同世代ですから、何か大きなお仕事をされていたかもしれません。それにしても、お父上だって、苦労続きの波乱万丈の生い立ちに加え、当時ならばご結婚も大変だったでしょうに、一粒種の息子さんにこういう運命を背負わされて、なんともやりきれないのではないか、と思いました。今もまだご講演を続けていらっしゃるという事実にも驚かされました。贖罪の旅ということなのでしょうか。
若い人の自殺が本になったものとしては、故高野悦子氏の『二十歳の原点』があります。これは、一時期とても有名でしたので、一応は私も読んでみました。しかし、世代の違いからか、理屈っぽく小難しい本などを読み、学生運動などに参加するなど外向的な女性なのに、妙に頽廃的で自己中心的な人だなあという印象しかありませんでした。どうも共感に乏しかったです。ただし、立命館大学の学生だったこと、最後は鉄道自殺されたこと、などが鮮明に記憶に残っていますので、今でも、その大学に用事で行ったり鉄道を利用したりする度に、そういう心境に追い詰められた若い女性が、昔ここにいたんだなあ、と想像させられることはあります。
私自身も、決して幸福に充ち満ちた人生ではありませんけれども、なんというのか、逆子の初産でも自然分娩で生まれてきただけあって根本的に生命力が強いのか、自分で命を絶つなんて、そんな破壊的なことをしたくないし、周囲にも迷惑はかけたくないし、もっといろいろやりたいこともあるし、というタイプなのです。冷たいようですが、やはりこの歳まで生きてくると、小学生や二十歳の頃なんて、自分ではいっぱしの大人のつもりだったけれど、まだまだ知らないことはこんなにたくさんあったのに、と思います。
学部生時代のクラスメートで、一人飛び降り自殺した友人がいました。本当の理由はわかりませんが、お葬式では、お父さんが大泣きして、私達に向かって、「あなたたち、何しに来たんですか。同じ年頃の女の子なんか、もう見たくもない。うちの娘はいなくなったんですよ。帰ってください!」と怒鳴り散らしていたことが忘れられません。その時、生まれた以上、人は決してひとりじゃないんだな、世の中にはいろんな思いをしながら生きている人がいっぱいいるんだな、としみじみ思った次第です。
知り合いの国立大学の教官も、研究室で首つり自殺されました(2007年7月8日付「ユーリの部屋」)。ニュースを後で知って、ぞっとしました。数か月前には、個人メールをいただき、「研究室に遊びに来てください」と書いてあったのに、それを実現できないままに、お別れとなってしまったからです。その後も、その大学へ資料閲覧に行く度に、かつては一緒に歩いた道を辿りながら、先生はどんな気持ちでいらしたのだろうか、と思い出させられます。

これ以上は、話を続けられないので、方向転換しましょう。
昨日は、生協から、食品偽造が見つかったので返金するというご連絡がきました。改めて驚きましたが、レジがコンピュータ化されているので、調査の結果、偽装が明らかになった2006年10月以降、私がいつ何を何回いくらで買ったかが、たちどころにわかるらしいのです。健康上は問題ないとしても、「鳴門丸山産限定使用」の表示わかめに、実は、韓国・中国産のわかめが含まれていたそうです。まあ、値段からして、純日本産というのはあり得ないだろうと思ってもいたのですが、表示に不正直さがあったという点では、確かに問題があります。店内には早速、お詫びのポスターが貼ってありました。また、わかめや昆布の棚を見に行くと、メモが置いてあり、該当製品は既に撤去されていました。
消費者の対処としては、生産者側の不誠実さを責め立てるばかりではなく、食糧自給率がこれほどまでに下がってしまったことの社会責任を分かち合っていくべきなのかもしれません。そちらの方が、むしろ返金手続きやら何やらよりも重要ではないかと思います。

4月に入りました。こちらではまだ桜の満開には時間がありそうです。厳しい寒さを耐えての美しい開花であり、闇あってこその光であります。開花や光を求めて、自分なりに歩を進めたいと思います。

PS1: ある大学から通信ニュースが届きました。ぎょっとしたのは、私よりも5歳年下の、2006年に赴任されたばかりの男性専任教員が、昨年秋、突然逝去されたというお知らせでした。働き盛りの活発な方の急逝は、この頃よく耳にするところですが、皆様もどうぞ過信せず、心身の健康に最大限留意されますように。
PS2: 紛失した傘の件ですが(2008年3月6日付「ユーリの部屋」)、おととい店長さんからお電話があり、ポスターを撤去するとのことでしたので、今日、袋を取りに行ってきました。レジ係の方達が「もったいないですね」「すみませんでした」と謝ってくださったので、こちらも「まあ、あきらめるしかありませんね」と気持ちよくお答えすることができました。