ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

2010-01-01から1年間の記事一覧

バナナかマンゴか?

昨日の続きです。久しぶりに‘Brown Sahib’を思い出すと、懐かしさと同時に、あの頃の私の混乱ぶりと必死さが、我ながら愛おしくも思えます。 かつての旧宗主国のマーティ夫人から、被支配側に出現した一種の‘知的模倣成金’みたいな人達を皮肉っぽく描いた(…

‘Brown Sahib’

昨日付ツィッターに一言だけ載せた‘Brown Sahib'について、少し補足説明を。 ナイポールの作品に対する批評は、賛否に分かれているようです。その理由は、重複になりますが、トリニダードというカリブ海で生まれ育ったいわゆる「第三世界」出身のインド系三…

笑いを誘うブログ

ところで、このブログを読んでいらっしゃる方の中には、「読んでますよ」と知らせてくださる場合もあります。ありがたいことに、概ね、好意的な反応です。 始めたきっかけは、主人の度重なる勧めによるものでしたが、そもそも、(年に一回の20分から30分足ら…

思い出の中の彼女

ところで、昨日触れた故千葉敦子さんについて、少し書いてみましょう。 ちょうど私の学生時代が、彼女の闘病時代と重複していたこともあり、本屋さんで次々と文庫本を買い求めては読んでいました。タイトルで調べてみると、10冊ぐらい読んだようです。私より…

記録に残すこと

例年より少し早いですが、来年度の家計簿と備忘録は、もう買い揃えてあります。以前も書いたように(参照:2007年11月6日・2008年11月15日付「ユーリの部屋」)、同じ種類のものを毎年使い続けるのが、あれこれ試みるよりも楽である上に、保存上も落ち着きま…

多様性に感じ入る

昨日は、ICUの森本あんり先生による、17世紀のニューイングランドにおけるピューリタンの「寛容」に関するご講演を聞きました。実のところ、講演というよりは、単発の特別講義を受けているような雰囲気でした。 森本あんり先生は、お名前はもちろん随分前か…

久しぶりの『モスレム世界』

今日の午後は、民博図書室へ本の返却に。故梅棹忠夫先生の追悼記念会の新聞記事コピーが、守衛さんのいる受付口に貼ってありました。ちょうどこの場所で、初めて直接、梅棹先生にお目に掛かったので(参考:2008年7月26日付「ユーリの部屋」)、何だか複雑な…

ある境界線を設ける

昨日、大学病院に行った帰りに、フランス語の練習問題の本を買い求めようと、紀伊國屋書店に入りました....がっかり。これも時代なのか、カラフルで活字が大きく、かわいいイラスト入りの子供だましの本が目立ち、これでは旅行会話レベルであって、ちっとも…

9.11から8年ー昨年の分析ー

「メムリ」(http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=IA55109) Inquiry and Analysis Series No 551 Oct/2/2009 9/11から8年―アラブリベラル派のみるアラブ・イスラム世界の現状― C.ジェイコブ(MEMRIの研究員) はじめに アラブリベラル派によると、2001年9…

「白熱教室」を見て...

Twitterにも載せましたが、昨晩、Michael J. Sandel教授の"Justice: What's the right thing to do?", Penguin Books, 2009が届きました。 しばらく前から日本語訳も近所の図書館に予約してありますが、私が読む本にしては珍しく「予約待ち人数7人」と言われ…

さまざまな視点を学ぶ

昨日の続きです。談話会後、連載執筆中の雑誌のページ上に、記念として、佐藤優氏から手書き署名(サイン)をいただきました。初対面の割にはお互いに話が具体的に通じやすかったためか、立ち話程度に少しお喋りしてくださったのですが、その時、唐突に「ム…

温かい師弟関係の支え

突然ですが、来年2月にフランスへ行くことになりました!「カトリック教会の長女」と呼ばれているフランスの主立った場所を、いつかはこの目で見ておきたいと思っていましたが、ご案内をいただいたので、チャンスを逃さず便乗してみよう、ということです。結…

トルコのギュレン運動

以下のトルコの「ギュレン運動」に関しては、「ユーリの部屋」(2008年9月25日・2008年10月28日)をご覧ください。 「メムリ」から(http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP324210) ・緊急報告シリーズ Special Dispatch Series No 3242 Oct/9/2010 「トル…

非日常から戻って

昨日一日は、非日常から戻るための時間が必要で、片づけもの以外はゆっくりしていました。 そして今日は、借りた本の返却日だったので、民博図書室へ。三冊を継続させてもらい、5センチほどの厚さの本二冊から、必要な個所のみ複写して、珍しく一時間ほどで…

きんもくせいの香りと共に

しばらくお休みしていました。 主人の母方の叔父の奥さんのご葬儀のため、おとといの夜から岡山の山間部へ。高速バス路線も廃止や変更があり、手間取りました。知らせを受けてから、一日の猶予があって助かりましたが、いざという時の準備、整えてあるつもり…

ハヤトロギアに向かって

昨日は、久しぶりに神戸へ行き、水垣渉先生から「聖書におけるヘブライズムとヘレニズム」と題するご講義を伺いました。例によって、興味深く感じたご発言を箇条書きしますと..... ・ハヤトロギアもオントロギアも、聖書に関しては、いつも他の言語とその言…

ゆで卵の話

この頃、朝食に、ゆで卵を一個ずつ食べています。午後、おなかがすいた時のおやつに、ゆで卵を作ることもあります。 子どもの頃の遠足のお弁当には、ゆで卵が入っていました。スイミング・スクールに通っていた小学校低学年の時、教室が終わると、周りの子は…

再び民博図書室へ

急に涼しくなったので、今日は午前中から民博図書室へ出かけて行きました。用が済み次第、早く帰ってくるつもりだったのに、結局、午後4時半まで積み上がったジャーナルからの論文コピー取りに追われ、3冊借りて、昼食抜きでいつも通りの時間に退室となって…

インターネットの利便性と弊害

2010年8月26日付「ユーリの部屋」でご紹介したカナダの人類学者にも、今回の学会発表の事後報告として、配布したレジュメ資料のうち、パワーポイントのみ、お送りしました。 発表は日本語だったので、当然のことながら、パワーポイントも大部分が日本語。で…

バイタリティに学ぶ

昨夜、久しぶりにマラヤ大学のマヤ先生(参照:2007年12月29日・2008年3月26日・4月9日・5月14日・10月14日・12月29日・2009年5月13日・11月3日付「ユーリの部屋」)のホームページを開くと、新たな更新項目が。さすがはシンディ族!またもや、よい刺激を受…

遠距離大学通信教育

午前中、パソコンをカシャカシャ動かしていた主人が「あったよ」と言うので、ふと仕事の手を休めて画面をのぞくと、そこにはなんと、ヒューストンでの「宗教間対話」でレクチャーをしているロバート・ハント先生が映っていました。 テキサス出身なので、ブッ…

『メムリ』記事から

「メムリ」(http://memri.jp) 緊急報告シリーズ Special Dispatch Series No 3191 Sep/5/2010 「イスラム恐怖症が米軍内に広がっている」 以下は(米テキサス州オースティンのフォートフッド陸軍基地に勤務する技術兵)イスラム教徒の兵士ザカリ・クラウン…

部分だけで決めつけないで

発表を続けてきて、時々遭遇するのですが、レジュメをよく読まず、その発表者の背景や事由を無視して、その場の印象だけで勝手に反応して人前で決めつけてくる人、これが一番困ります。 今回も、ロバート・ハント先生に一部始終を報告したのですが、もちろん…

日常の訓練

発表前にいろいろと教えていただいたロバート・ハント先生からも、温かいお返事がありました。 今回の主人公であるB師のことを人名事典や論文に書かれていた一人が、ハント先生だからです。資料の一部として、パワーポイントも送信しました。 すると、南メソ…

モラル・サポート

「私こそ、再会できて本当にうれしかったです! そして一生懸命研究を続けている姿をみて、さらにうれしかったです。どうか雑音にめげず、研究を続けていってくださいね。」 先程開いたメールから、昨晩付で、上記のような温かい激励を見つけました。分野も…

捨て身になって

「やはり、若くして国会議員になって『先生、先生』なんて持ち上げられている女性は、発言が浅い。そういう意味で、世の中、それほど表層的でもないよ」。 昨日、政治談義もどきのテレビ討論番組を見ていた主人が言った言葉です。 自分の発言の浅さに気づい…

発表の補足説明を

学会が終わると、たまった家事やら(頭および心の)整理やらで、どっと疲れてしまいます。 仙台の気温は、大阪よりも数度低いと表示されていたのに、到着してみると、大阪とは別の暑さを感じました。でも、心配していた台風9号直撃は、どういうわけか直前に…

世の中恐るべし!

おととい、私にとっては大変強く印象づけられた二つの出来事が起こったのですが、今、それを充分に咀嚼して書き記すだけの余裕がありません。 いずれにしても、表向きは別の世界で、それぞれに著名な方々なのですが、それがなんと、私の人生とも密接に関わっ…

お茶漬け民族の、私

数日前に、たまたま今回の発表テーマと一部重なる貴重な記述を含む、フランス系カナダ人の女性人類学者の論文を見つけました。 「草稿段階のために、許可無く引用不可」と冒頭にあったので、思い切ってメールで連絡を取ってみると、時差のためでもありますが…

己を叱咤しつつ

このところ、学会発表の準備に毎日没頭しているつもりなのですが、資料が膨大な割には、どれも記述が平板単純であったり、ちょこちょことしか書いていないものが大半を占め、全く気落ちします。現地事情を知らない人や分野が異なる人から見れば、表に出たも…