ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

柔軟性と新しい思考と

今日、5月末にぐったりしながらも夢中になって書いていた原稿の印刷が届きました。
本当にありがたかったのは、若い編集者の柔軟な対応と新しい物の見方です。経済中心の冊子なのですが、門外漢の私にとっても本当に学ぶことが多く、かつての常識めいた理論を軽々と若い世代が乗り越えて、地元の論理から学んだ新しい視点を、むしろ日本側に突きつけるような意欲作でした。
もしかしたら、経済学の専門ではないために、このように余裕を持って見られるのかもしれません。ただ、こういう専門外からの印象はとても重要だと思います。狭い専門家集団の息詰まるような刺々しさから開放され、余白ができるからです。経済は、データがきちんと数値で出るため、主張がはっきりしています。自分の意向さえしっかり持てば、後はデータでサポート。
マレーシアと関わるまで、経済や経営方面は全く疎かったのですが、このようにマレーシアを軸に少しずつでも視野が広がるのは、いいものだなあ、と改めて思いました。それぞれの人が独自の切り口でさまざまな論考を提示されているのを見ると、(うむ、こうでなければ)と。さらに、マレー人の中には、イスラーム以外のアイデンティティを模索し始めている人々が出てきたとか。私だってそう思いますよ。そうでなければおかしい。
重複になりますが、ユダヤ関連の専門の人から見ると、マレーシアの話がおもしろかったり、イスラーム棄教の不可に驚いたりする一方、私にとっては、ユダヤ思想が入ると、押さえつけられていた圧迫感から解き放たれて、ようやく自由に呼吸できるようになり、刺激を受ける感覚を持つのと似ています。
異分野交流って大事ですよね。ただ、専門でないならば、軽々しく判断したり口にしたりしない慎みが必要なのも、言うまでもありません。
先程、某大学に立ち寄ったところ、知り合いの先生が、興味深い本を訳して出版されたことを知りました。この先生は、会合で黙っていらっしゃることが多いけれども、英語が最もきちんとしていて、手堅いお仕事をされています。分野が違っても、しっかりとした仕事をされているかどうかは、だいたいわかります。大事なことは、黙々と堅実に、そして、いつでも勉強、でしょうか。