ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

レヴィナスとアーレントの講演会

今日の午後は、京大吉田南総合館で開催されたパリ第七大学のマルティーヌ・レボヴィッシ女史の講演会に出席しました。T先生から勧められた学会のお知らせにチラシが入っていたので、久しぶりに京大へ出かけて行ったのです。ちょうど祇園祭だったので、浴衣姿の人達で賑わい、時期的にも最適でした。
レヴィナスアーレントにおける自由」と題するもので、すべてフランス語で話され、明治大学の根本美作子先生が、非常に見事な通訳を披露されました。
参加者は約30名ぐらいで、講演会とはいえ、中規模の一般教室を使った落ち着いた状況。明治大学が中心となった催しだそうで、今回が初来日だとのこと。東京で二つの会合をこなされた後、最後に京都で今回の講演をなさり、あさって関空からお帰りになるようです。1948年生まれとはとても見えないほど、栗色の髪がシャープな顔立ちによく似合い、若々しい印象を与える方でした。服装も、こざっぱりとした質素な感じでしたが、品のいいおしゃれで、いかにも、カフェで本を読んだり、政治談義に花を咲かせたりするパリジェンヌそのもの、という感じの方です。
ユダヤ系女性であることを活かした政治哲学がご専門で、ハンナ・アーレントなど、近現代のユダヤ系哲学者に対する考察をされてきたそうです。
私には、T先生以外、知り合いがいなかったのですが、それでも、休憩なしで計3時間を楽しんで過ごすことができ、よい機会でした。
本を手に出席していた人や、講義をしっかりとノートにとっている人達が周りに多く(かくいう私も、レポート用紙7枚にメモをとりました)、質疑応答も真摯で的を射た活発なもので、私にとっては、大変好ましい雰囲気でした。多分、このような会合が合っているんでしょうねぇ。京大は場所をお貸ししただけ、というご挨拶でしたが、やはり京大だったからこそ、このような質の高い場になったのでは?
レヴィナスアーレントも初耳でしたが、なんでこんなに惹きつけられ、おもしろく感じるのだろうか、と不思議です。哲学や思想は、学生時代は苦手で敬遠していましたが、さすがにここまで歳をとると、世の中の思想の善し悪しや、自分にとっての向き不向きがわかってくるので、これからは、こういう方面にも幅を広げていかなければ、と感じた次第です。
帰りがけ、T先生と少しご一緒しました。「マレーシアだって通産省が(重要地域に)入れていくようですよ」とのことでしたが、「それは、資源を保有する国だからでしょう」と言ってしまいました。
帰宅後は、早速、ネット検索して、次に借りる本をピックアップしました。まずは、アーレントからです。調べてみると、今とても‘キャッチ−な’方のようです。
これからは、自分のテーマをまとめながら、時間の許す限り、ユダヤ思想の方にも視野を広げて、充実した意義深い会合にできるだけ出席できればと思っています。