繁栄する共同体からの刺激
早くも9月も末。毎日が飛ぶように過ぎていきます。
今日でちょうどパイプス訳文の日本語が300本になったのを記念して(未掲載分が10本ぐらいありますし、純粋に私が訳したものは294本)、フェイスブックとの関連で好感を持ってもらえた(か、少なくとも興味を持っていただけたことが客観的に数値化された)文章を91本取り出して、リストを作ってみました。
フェイスブックは、私自身が面倒くさがり屋であまり活用していない上、日本人との通常の人間関係はほとんど伏せてあるため(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20101221)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20101223)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120429)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130521)、実は日本語を読まないであろうマレーシアとパイプス関連のお仲間支援者が中心です。という意味で、信頼度は全く当てになりませんが、ウェブ上では、昨年春に訳文を始める前には目立っていた非難悪口合戦がすっかり後退し、ついでに私のこのブログも後退して、訳文一覧が全面に出るようになりました。
フェイスブックでつないでいなくても、何らかのきっかけに論考が目にとまり、パイプス・サイトに出会って、そちらで日本語訳を見てくださっている方もいらっしゃるかもしれません。リストを眺めてみると、こちらの意図に反して案外なテーマが注目を浴びていたり、日本でなじみのある話題ならばポイントがついていたりします。
翻訳言語によって、当該文化圏の問題意識の分布がはっきりと出るのが、大変興味深いです。当然のことながら、アメリカ人のパイプス・ファンからのものが最もポイントが高いのですが、テーマによっては、トルコやイランなどが焦点となっている場合、トルコ語訳やペルシャ語訳のフェイスブック上のポイントが上がっていることにも気づいています。フランス語やドイツ語をはじめとする欧州言語は、さすがに人気の層が高いです。
日本語の場合、全く興味を持たれていないわけではないとは思いますが、日本政府の中東外交の方針とパイプス先生の戦略思考とが必ずしも一致しているのではなく、むしろ反対だったりギャップがあったりするので、なかなか難しいところです。そして、ここが肝心なのですが、パイプス先生が間違っているのではなく、案外に日本側の第三者的な平和志向および中立平等概念が、現状認識の遅れを反映している場合もあり(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130918)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130923)、必ずしも、国益とばかり言ってはいられないようです。
もし私が社会的に著名人だったり高い地位を占めていたりすれば、内容がよくわからなくても、もっとポイントが加算されるかもしれないと、いつも思っていますが、やはり専門性が高いことは確かで、中東と一神教のように、複雑で混沌としていて、命に関わる議論の分かれる重いテーマの場合、本当の意味で理解できる層は限られているのかもしれません。
しかし、ポイントの高いテーマを眺めていると、本当におもしろいです。それでは、こういうテーマだけを訳していたら人気がもっと高まったかというと、パイプス先生の幅広く重厚な思考の特徴や豊かな文章力の持ち味が矮小化されてしまいそうで、それもまずいと思います。短いブログなどは見向きもされないのかと思っていたら、案外そうでもなく、本文そっちのけの一覧表のようなものも参考になるようで、ポイントがついていました。
もうしばらく集中して訳文作成に取り組み、その後は本業に戻ってもう少しバランスが取れればと願っています。
だんだん、ユダヤ思想というものの具体性がわかりかけてきたように思います。基本的に、社会主義思想は、平和だとか平等だとか、素人にアピールしやすいのですが、その是非についても、ユダヤ人がしっかりと先導を切って理論形成および実践を示してくださいました。つまり、非現実的でナイーブだということです。キブツも、お金があまりない時代にイスラエル滞在中にお世話になった日本人にとってはありがたい制度だったかもしれませんが、私自身、学生時代に本を読んで(自分には向いていないなぁ)と直感的に違和感を覚えていました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130405)。実は、それが正解だったようなのです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20130930)。
自由とパイオニア精神を重んじるユダヤ・キリスト教文化のアメリカの影響下にあり、ユダヤ共同体を大切にする社会は、経済も文化も繁栄することがほぼ実証されているとのことです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130121)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130405)。
今後とも、どうぞご理解と応援の程、よろしくお願い申し上げます。