ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

岩の上に家を建てる

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ユダヤ思想』(文庫クセジュ 400)アンドレ・シュラキ (http://www.amazon.co.jp/dp/4560054002/ref=cm_sw_r_tw_dp_Aln4rb1BGKT2V …)が今日、丁寧な書店のカバー付きで届きました。このような古い本の方が、内容に信頼性がおける気がします。何でも新しければよいというものでもないようです。

このところ、シリア紛争の長期化、トルコのデモ、エジプトの(再)動乱デモ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130705)と、中東はまたもや沸点がますます高くなって混乱に混乱を重ねています。
ダニエル・パイプス先生も、今週月曜日に放送されたらしいラジオ番組の冒頭で、モゴモゴとくぐもった調子の相当疲れた声で、司会者と何だかかみ合わない話をされていました(http://www.danielpipes.org/13081/egypt-islam)。「先週一週間は大変だったでしょう。眠れましたか?」と努めて明るく尋ねられた司会者に対して、「私の専門である中東とイスラームは、ますます状況がファナティックになっているので、ほとんど眠れません」と、何とも気の弱そうな側面を吐露したばかりか、(多忙のために)自分がいない間、奥様が不満をこぼしていらっしゃるともおっしゃっていました...。
私が昨年から気づいたように、プライベートを相当犠牲にしての中東フォーラムの業務(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120521)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120811)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120827)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120830)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130405)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130605)。もともと神経質で内向的なタイプ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120123)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120126)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120424)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120507)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120524)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120623)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120713)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120812)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120929)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130121)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130211)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130507)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130510)。他に趣味らしい趣味がなさそうな一途な性格らしいので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130405)、私生活では、周囲もなかなか難しいところがあるでしょうねぇ。それが、中東情勢の判断に影響を与えなければよいのですが。
明快で筋が通った情勢分析と戦略思考が売り物のパイピシュ先生とはいえ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120819)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120830)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120924)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130608)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130620)、若い頃三年間暮らしたエジプトには相当の思い入れがあるようなので、あの大規模デモを見ていて、さまざまな情報が入り交じる中、感情と理性が一致せず、震えおののきを感じながら、最近のブログを書いたとのことです。

つくづく思うに、人間の生活においては、安定ということが絶対に大切だということ。個人としてはもとより、家庭生活しかり、そして社会も国も、ということです。冒険心やチャレンジ精神は大切ですが、その基盤としては、地味でも安定した岩のような土台が不可欠。将来の見通しがしっかりと立てられてこそ長持ちし、その結果として繁栄が約束されるのではないでしょうか。その意味で、新しければいいとばかりに、過去の伝統や歴史を無視して勝手に個性を振り回す昨今の風潮はいただけません。
アメリカの若々しく活力に満ちたダイナミズムは素晴らしいと思いますが、私がうすうす感じていた以上に、かつての良き伝統がアカデミアやマスメディアを中心に失われていて、保守派は非常に焦りを感じているようです。何だか、けたたましい叫びのようなものばかりが前面に出ていて、これでは欧州の凋落と共に、アメリカの国力と相対的な地位低下という指摘もむべなるかな、といった印象を受けます(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120321)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121108)。そうなれば、当然のことながら、日本にも負の影響が及ぶわけで、こちらとしてもしっかりと身構えていなければなりません。
こんな混沌とした中東情勢とアメリカ外交の失敗と、パイピシュ先生のひどい鬱ぎ込みに触れたここ一週間のうちに、何度もふと懐かしく思い出したのが、昔のカトリック修道院カトリックのよき伝統がしっかりと根付いていた頃の話です。学生時代に、文通していた友人の紹介で一緒に訪問した、富裕層が多く住むと言われる関西の某市のシスター達は(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130127)、貧しい人々に仕えるという使命を持ちつつも、実はご自身の出身は恵まれた階層で、質素なみなりで簡素で落ち着いた生活を送りながらも、お会いしてみると非常に開明的で教養高くおもしろいお話が次々と紡がれるように飛び出し、個性的で楽しい方達でした。品のいいユーモアと明るい雰囲気に満たされていました。特にめぼしいものは何もない民家のような場所だったのに、必要なものは全て必要なだけきちんと揃っていて、こざっぱりと清潔に整っていました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130630)。せわしなく焦ったり苛立ったりすることなく、自分のなすべき仕事に黙々と専念した他は、銘々が大きな安心感に包まれてゆったりと過ごされているようでした。
禅寺でも、雰囲気は異なるものの、似た精神を感じたことが度々あります。このような暮らしを、私もまた受け継ぎたいと望んでいます。
基本的な考え方としては、人は皆、自分の属する民族、社会、国に責任を持つということです。イスラエルを除く中東やマレーシアのマレー・ムスリム社会を見ていると、犠牲者精神ばかり発揮して、何でも人のせいにして、なかなか物事が進展しません。あれほど莫大な援助金がアメリカからあったのに...。かと思えば、最新号の『文藝春秋』に掲載されていた記事によれば、ちょっとマレーシアが日本その他のアジア諸国の助けを借りた時期のおかげで飛躍的に発展したからといって、今では日本を完全に見下すかのような発言が平気で元首相から聞かれたりする有様。これでは、表面的にはともかく、文明社会において信頼される国とは言いがたいのではないかと思います。