E・サイード 対 パイプス父子
昨日、ひょんなきっかけでエドワード・サイードの『イスラム報道』(みすずライブラリー)(1996/2001年)を読み直した(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091110)。
これで四度目ほど。中に、リチャード・パイプス教授が批判的に登場する(p.17)。改めて何度も繰り返すが、これで親子共々(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120924)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121011)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130923)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131020)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140911)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140920)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140922)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140923)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20121231)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20130103)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20130104)、左翼の親パレスチナ派に知的に政治的に攻撃され、貴重な学者生命を傷つけられてきたということなのだ(http://www.danielpipes.org/11948/)(http://www.danielpipes.org/12050/)(http://www.danielpipes.org/12188/)(http://www.danielpipes.org/12220/)(http://www.danielpipes.org/12272/)(http://www.danielpipes.org/12488/)(http://www.danielpipes.org/13353/)(http://www.danielpipes.org/13355/)(http://www.danielpipes.org/14059/)(http://www.danielpipes.org/14382/)。
ノートを取りながら初めて読んだのが1996年11月14日のこと。本の内表紙に貼り付けてある。当時は、サイードを引用しなければ、マレーシアも含めたいわゆる第三世界を記述する前提がないかのような雰囲気が、学会や研究会に漂っていた。大変な世界だと感じたのを、今でも覚えている。
また、今読み返すと、ご指摘はいちいちごもっともなのだが、真面目にその主張を受け入れて実践しようとすると、それまで培ってきた自分の人生や価値観が崩れそうで、とんでもなく混乱した人生になってしまいそうだと思う。また、細かい部分で誤りが結構含まれていることに気づく。仮にそういう主張はいいとしても、では、中東の現実はどうなのだ、ということだ。結局のところ、指摘は指摘として受け留めた上で、なおかつ、自分は自分の路線でいくしかない、という結論になる。
知り合いのイスラエル人の女性教授が、「人の言うことをいちいち聴いていたら、何も言えなくなるし、書けなくなる」と、何年も前に私におっしゃった。確かに、そうなのだ。もちろん、単純なミスや基本的な考え方ができていない場合は、人の批判や意見を傾聴すべきなのは言うまでもない。私が言っているのは、例えば、一神教の対立項目だとか、途上国と先進国の立ち位置の問題や、中東のように混沌とした荒々しい場をどうまなざすか、ということに関してである。
イスラーム国に日本人数名が参加したかとのことで、公安警察が調べているという報道があった。どうやら、彼らの動機付けになったのが、私が十年前に仕事で関係のあった元大学教授の言論らしい。その人のことは、アメリカのしかるべき筋にも既に伝わっている。誰だって、私の話を聞いて驚き、すぐに自分で調べるからだ。
だから、パイプス両先生の知的戦いは、いささか単純な傾向が否めないものの(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140929)、それぐらい簡略化しなければ伝わらないほど、いつの間にか汚染されていく種のものなのだろう。特に、ご子息の嘆きは、私にも上記の経験があるだけに、国籍や文化や言語や宗教や世代の違いを超えて、非常によくわかる。私でさえ、たった二、三年で、相当の混乱と戸惑いを経験したのだ。
今日は娘さんのお誕生日。お祝いの言葉を送ったら、すぐにお礼の返事が来た。彼女が生まれた年にお父さんが何をしていたかを知っているだけに、感慨深いものがある。表面的には楽しく青春を謳歌している感じの子だけれど、彼女は彼女なりに感じている複雑なものがあるはずだ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140508)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140510)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140511)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140612)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140613)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140622)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140626)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140702)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140707)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140709)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140715)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140718)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140719)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140804)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140805)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140917)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140919)。
ミッチェル・バード博士の本を読んでいる(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141003)。非常に論理的で、筋が通っていて、わかりやすい。説得力があって、気持ちのいい論法だ。イスラエル国家が破壊されるなんて、私には想像もできないことなのだが、周囲を取り巻くムスリム諸国の情勢から、彼は真剣にもの凄く心配している(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130121)。日本にいる私も、自分のできることで、せめて荷を分かち合っていくべきだと考える。
・エドワード・サイードに関する日本語ブログ記事一覧表:
(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071019)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080209)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080614)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080625)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20081108)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111217)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120523)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121007)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121019)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130105)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130712)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130927)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131004)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140205)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140219)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140306)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140512)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140605)
・エドワード・サイードに関する英語ブログ記事一覧表:
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以上。
PS:ここで、天敵だったお父様に関するブログ記述の一覧表を。
「リチャード・パイプス」先生一覧表(15件)
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%A5%EA%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%C9%A1%A6%A5%D1%A5%A4%A5%D7%A5%B9
「リチャード先生」一覧表(20件)
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「パピ」(愛称)一覧表(14件)
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(終わり)