ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

マンモグラフィ・児童書・CDなど

すっかり秋も深まりました。私の住む家の周囲は二方を山々で囲まれていて、今や黄緑、緑、深緑、黄土色、黄色、檸檬色、紅色、深紅色、橙色、赤茶色、茶色など、さまざまな色合いの枝葉がグラデーションの絨毯のように彩られています。
10年前に引っ越してきた頃、「この辺に住む人達は、車の屋根に雪をのせて町の下方まで降りて行く」という話を聞いたのですが、実は積もるほどの雪はほとんど降りません。私が子どもの頃の方がもっと、どさっどさっと雪が降っていたように思いますが。これも地球温暖化のせいでしょうか、残念です。

昨日の朝は、9時どんぴしゃりから電話をかけ始め、町内でのマンモグラフィ検診の申し込みをしました。実はこれ、三度目の正直なのです。7月は申し込みが遅れて駄目、9月は電話をかけ続けて20分たったら「もう締め切りました」とのこと。それで、今日こそはと頑張ったのです。
マンモグラフィ検診は、我が町ではとても人気があるそうです。これまで私は、エコー検診一筋でしたが、好奇心も手伝って、条件が整い次第、早めにマンモグラフィ検診も、と思ったのです。幸いなことに、実家の父方母方両方とも、家系に乳ガンの人は誰もいませんが、こればかりは何ともわかりませんからね。妹は子宮筋腫のため、帝王切開で初出産したのですが、当時、そういう話が身内にあるとは、想像だにしていませんでした。神経質になる必要もありませんけれども、予防できるものは予防しておくに限ると思います。
小学校4年生から、10センチほどの厚さの『家庭の医学』を読むのが趣味でした。今は医学も格段に進歩したので、それほど恐れることもないのでしょうが、当時は、大人になるのが怖かったですね、年をとるほど病気が増えそうで。10歳のうちから、そんな本を読むから余計に怖くなるのですけれども。実際、大人になった今は逆です。医学書などめったに読みません。おかげさまで健康です。

ところで、昨日借りた本は、久しぶりに子ども向けのものです。たまには児童書でも読んでリフレッシュしないと、頭も心も固まってしまいそうですから。

犬養道子(著)『本 起源と役割をさぐる岩波ジュニア新書4762004年
エーリヒ・ケストナー(作)・高橋健二(訳)『岩波世界児童文学集20 飛ぶ教室岩波書店1993/1995)(Erich Kästner “Das fliegende Klassenzimmer”Atrium Verlag A.G., Zürich, 1933

犬養道子氏は、1989年10月31日に名古屋の金城学院創立百周年記念のため愛知文化講堂に来られた時、アフリカ問題に関するご講演を拝聴しました。赤地に黒い水玉模様のワンピース姿で、真っ赤なハイヒールが印象的でした。氏については、カトリック擁護などの批判はさまざまあるかと思いますが、必ずしもお体が丈夫でもないようなのに、何度も大病を繰り返しながらも、前向きに精力的に著作を次々とものしていらっしゃる姿勢には、とても感銘を受け、励まされます。氏の書かれたものは、ほとんど読みました。特に学生時代、夢中になって読みました。

飛ぶ教室』その他のケストナー作品については、小学校の図書室にあったので、いつかは読みたいと思っていたのですが、とうとう今日が最初になってしまいました。確か、1998年9月に、皇后美智子さまが、国際児童図書評議会IBBY)に向けての英語と日本語でのご講演で、ケストナーについて言及されたように記憶しています。

ところで、私が子どもの頃の図書室は、いつも雨の日みたいに暗い部屋でしたが、それでも、小学校5,6年の時には、学級文庫も含めて毎日のように持ち出して借り、暇さえあれば読みふけっていました。本の世界は、本当に楽しくておもしろくて、級友とのいさかいや母に叱られて真っ暗な気分になった時でも、ひととき現実を忘れられました。なんてすばらしいお仕事をされたんだろう、と児童文学者には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。読書カードによれば、クラスで一番読む人のトップが私だったそうです。児童書なんて、一日で数冊ぐらい、すぐに読めましたからねぇ。
単純な私は、大学に入った頃、(小学校の時にできたのだから、今ならもっと)と考えて、一日数冊ずつ岩波文庫を読む計画を立てたのですが、ちっとも達成しないので嫌気がさしてきました。大人の読む本は速読とは限らないのに、全く機械的に考えていたものです。  

CDは、ヴィクトリア・ムローヴァが28歳の時にオランダのユトレヒトで録音した、バッハとバルトークパガニーニのソロ・ヴァイオリン曲集です。特に、パガニーニによる、パイジェッロのオペラ『水車屋の娘』のアリエッタ「わが心はうつろになりて」の主題による序奏と変奏曲を聴きたくて、9年前に一度借りたものを、再度予約して借りました。この曲は、テレビ『情熱大陸』で庄司紗矢香さんが弾いていました(2007年8月19日付「ユーリの部屋」)。注目している演奏家が弾くと、以前聴いたのとはまた異なった印象になりますね。たまたま出会って聴くのとわかって聴くのとでは、意味が違ってきますから。それだけ、私自身もささやかながら成長したということなのかもしれません。

10年前の今頃を思い出すと、感無量です。主人だけを頼りに、知らなかったこの町に一人住むようになって...。本当に主人のおかげで、この10年間、生きながらえさせてもらったという気がします。主人と結婚していなかったら、今頃どうなっていただろうと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう、ありがとう。