ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

アカバの教訓

ふと思い立ってのことだったが、神戸発の「憲法九条にノーベル平和賞をください運動」の奇妙さについて、かつては当該会場に別件で足を踏み入れた者として、二日間、責務からブログを書き綴った(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170427)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170428)。
これまた奇妙なことに、警告タイミングとしては絶好調(?)で、今朝、早速「北朝鮮弾道ミサイル1発発射」のニュースが何回も流れてきた。以下、記録として記事断片を転写する。

日経(http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK29H03_Z20C17A4000000/


北朝鮮弾道ミサイル1発発射 数分後に爆発か 韓国軍「失敗と推定」」
2017/4/29 7:43 (2017/4/29 8:42更新)


【ソウル=峯岸博】韓国軍合同参謀本部は29日午前、北朝鮮が同日5時半頃に西部の平安南道の北倉(プクチャン)周辺から弾道ミサイル1発を発射、失敗したと推定されると明らかにした。発射数分後に空中で爆発したとみられる。米韓両軍はミサイルの種類や飛行距離など詳細について分析を急いでいる。

(部分引用終)
「米韓両軍」が急いでいる詳細分析について、日本側も他人事のように眺めていないで、積極的に関与したいと思いませんか?それこそが、地域全体の「平和」に貢献できるのでは?

https://twitter.com/ituna4011


1. 中山なりあき(中山成彬)@nakayamanariaki 4 hours ago
早朝、北朝鮮弾道ミサイル一発を発射したが内陸部に着地したらしい。失敗したとすれば恥さらしだが、空母カールビンソンを中心とする打撃群が近づいているというのにあくまで抵抗の姿勢を示すつもりか。米国まで届くICBMを保持するまで実験はやめないだろう。日本の地下鉄も一部運転取りやめた。


1. 佐藤正久‏ @SatoMasahisa 21 hours ago
サリン弾迎撃、熱で無力化 政府、北朝鮮ミサイルで答弁書、ただし、液体燃料は毒性の強い場合も】 液体燃料のミサイルを迎撃した場合、残存する燃料は地上に落下する可能性も。その場合、ヒドラジン等の毒性の強いものが使われている場合も

(転載終)
九条の会」(http://www.9-jo.jp/message.html)については、賛同者リスト(計898名)を見ると、故人も含めて、結構、直接間接にお名前を存じ上げている方々が含まれている。ざっと数えると70名だ。
だからと言って、この私も「リベラル派」だとか「反日」だということにはならない。なぜならば、私の世代ならば、音楽関係者、文学者、新聞コラムの執筆者、いわゆる「文化人」として、一般的に日常、馴染みがあったはずだからだ。また、母校で教鞭を執られていたら、専門は違っても、どこかで著述を目にすることがあり、学生の立場として避けることはできない(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160111)。
例えば、作家の阿刀田高さんの場合、主人が若い頃、何冊か自宅に持っていたし、『コーランを知っていますか』『新約聖書を知っていますか』等は、私もおもしろく読んだ記憶がある(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080613)。
天木直人氏は、1990年代初期のマレーシア勤務時代に駐マレーシア・日本大使館の公使でいらしたので、日本語弁論大会等の大使館主催の行事で、遠くからお目にかかっていた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150214)。
「今こそ『9条』を世界に輝かすときです」とメッセージを寄せられている荒井献氏には、学会で何度かお目にかかった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%B9%D3%B0%E6%B8%A5)。
池内恵先生(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C3%D3%C6%E2%B7%C3&of=50)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C3%D3%C6%E2%B7%C3)の叔父様に当たる池内了氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161209)は私の母校で教えていらしたが、「今こそ正念場、共に闘いましょう」と張り切っていらっしゃる。
池田香代子氏は、その昔、ラジオのドイツ語講座を聴いていたことがあるが、長年の視聴者には講師は選べない。
池辺晋一郎氏は、『N響アワー』やラジオのクラシック番組でお馴染みだった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090323)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120226)。
...と、数え上げればキリがない。
逆に言えば、このような方々の優れた専門の才能によって日本社会の重要な部分が形成され、我々が恩恵を受けてきたという側面を無視することはできなかった、という意味である。
だが、現実面を考えれば、昭和21(1946)年11月3日の公布後、70年以上、指一本触れずにきた現憲法のままでは、万全に対処できない事態が迫ってきているのではないか、思考の転換が必要ではないか、ということである(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160824)。
繰り返すように、私は右翼でも(新)左翼でもなく、支持政党も特になく、政治団体とは一切無関係に暮らしてきた、単なるノンポリの保守中道である(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170413)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170428)。基本的に自由主義的なので、自分の興味関心の赴くままに、さまざまなものに触れてきたが、好みに合わないとなれば、あっさり手を引いてきた。
さて、以下はアカバの事例。アカバと言えば、2015年春のイスラエル旅行を思い出す(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150830)。エイラートに宿泊中、パイプス先生が「アカバまでタクシーで行こう」と、旅団に呼びかけていらした。実は行きたかったが、私はその前にヨルダンのペトラ行きグループに入ってしまったので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150810)、機会を逃すことになり、残念だった。

『メムリ』(http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP686917


緊急報告シリーズ   Special Dispatch Series No 6869
Apr/19/2017

アカバはISロケットの脅威下にある―安全は他人まかせにできない―ヨルダン古参ジャーナリストの警告―」



2017年2月8日、テロ組織ISシナイ州がイスラエルの港湾観光都エイラートにグラードロケット3発を撃ちこんだ。この事件の後、ヨルダンの古参コラムニストであるアル・ヒタン(Fahd Al-Khitan)が、2017年2月27日付ヨルダン紙Al-Ghadで警告を発し、ISはエイラート隣接都市)アカバを容易に標的にできる、同市の重要な戦略的施設が危ないと指摘した。ヨルダンはシリア及びイラクと境界を接する地域だけでテロリズムと戦っているのではないとし、エジプト軍がISシナイ州に対して〝一寸した〟戦果しかあげていない現状に鑑みて、ヨルダンは他者の努力に頼ることなく、自衛力を強化しなければならないと主張した。以下その記事内容である※1。




我々は、北部及び東部正面(シリア国境、イラク国境)だけで、テロリズムと戦っているわけではない。我々の南部国境から左程離れていない地域が、ISの脅威にさらされているのである。エジプト軍がシナイ半島でこのテロ組織ISと戦っているが、苦戦中である。これまで4年ほど戦闘している。しかし、この対テロ戦には先が見えない。シナイ半島のテロ組織は、山地々帯に拠点を確保している。この地帯での戦闘は極めて困難である。エジプト・リビア国境は、カダフィ政権が崩壊した後混乱状態にあり、ISはこの混沌状態を利用して、多量の最新兵器をシナイ方面へ搬入している。武器と麻薬の密輸業者が搬出入のネットワークを持っており、ISは戦闘員のシナイ導入にも、このネットワークを利用している。


このテロ組織ISシナイ州は、つい数週間前イスラエル港湾都市エイラートに、グラードロケット3発を撃ちこんだ※2。ヨルダンにとって今後の脅威が予想される攻撃であった。イスラエルアイアンドーム防空システムが作動し、ロケットは空中で撃破され、砕片が広い地域に飛散落下した。なかにはアカバ市の中心地に落下した破片もあるが、被害はなかった。



エジプト軍が対IS戦で一寸した戦果しかあげていない状況があり、一方で(テロ組織が)誘導ミサイルを発射できる能力を持つ事実に鑑みて、ヨルダンは南部国境の事態に安閑としておられない。この南部域は、天然ガスのデポやアカバ発電所があり、タンカーが石油を搬入する港湾もあり、極めて重要な戦略施設を持つ地域である。



以上の事実を踏まえて考えると、ヨルダンはアカバの安全確保を他人まかせにしてはいられない。担当部局は、市の重要施設を守るための措置はしている。しかし、このテロ組織は軍事力を増強し、行動拡大を考えている恐れがある。ヨルダンはこのアカバ)地域を軍事作戦地域に指定して、備えを固めなければならない…放っておけば、サウジアラビアのような隣接諸国の権益まで危険にさらすことになる。事態がそこまでいっているわけではないが、備えは必要である



ヨルダンは、ほかのシナリオが現実化するのを避けるため、まだエジプト軍に依存しており武装テロリストの弱体化と脅威の排除上エジプトに極力協力している。しかしながら、南部地域が安全保障上の挑戦をうけつつある現状をみると、テロリストの脅威が強まっていることを実感する。対テロ戦争は、(ISの)拠点があるモスル(イラク)とアル・ラッカ(シリア)に限定することなく、もっと広い地域を視野にいれて考えなければならない。ヨルダンを囲む地域には、グローバルなテロ組織が存在する。この諸組織は、遠いアジア、アフリカ諸国を戦略縦深地とし、そこからはずみをつけ、グローバルなテロ組織集団と化して、攻撃してくる。かくして諸大陸の数十ケ国が脅威をうけているのである。



地域レベルで考える時、我々が全正面でテロリズムと戦っていることを、理解しなければならない…これはピクニックではない。諸外国とその政権の失敗は、我々にふりかかってくる。我々の経済と安全が脅威にさらされることになるのである


[1] Al-Ghad (Egypt), February 26, 2017.
[2] 次を参照:MEMRI JTTM report ISIS-Sinai Claims Grad Rocket Attack On Eilat, February 9, 2017

(転載終)
何だかこの文章、赤字部分の「ヨルダン」「アカバ」を「日本」に、「エジプト軍」を「米軍」に置き換えると、まさに今の我々に向けての訓戒のように思われるが、読者の皆さんは如何に?