ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

現実直視が物を言う

http://yoshiko-sakurai.jp/2016/04/07/6325


「日本も直視すべき過激派テロの脅威」
週刊新潮』 2016年4月7日号
日本ルネッサンス 第699回


・1月14日にはジャカルタの中心部で20人以上が死傷した。同月20日にはパキスタン北西部のペシャワル近郊で21人が殺害された。3月27日にはまたもやパキスタン東部の都市ラホールの自爆テロで72人が死亡した。
・直近のこのテロ事件の犠牲者数はベルギーでのそれよりもはるかに多い。日本での報じ方はベルギーのテロと較べると驚くほど地味であるが、アジアにもテロが広がっていること、それらのテロはやがて日本への脅威となることについて、もっと危機感を抱かなければならないはずだ
・テロをどこか他国の事象としてとらえ、日本に関係することととらえにくいのは戦後70年、一度も戦争をせずにきた日本だからこそであろうか。私たちが向き合わなければならないのはテロ攻撃の可能性だけではない。国際社会の動きは1日毎に変化すると言ってよい程、大きく変わりつつある。その変化に正対しなければ日本は本当に大変なことになる。日本を厳しいが当たり前の現実に引き戻そうとしているのがアメリカの変化であろう。
・氏の日本非難の発言が繰り返し報道されることで、より多くの米国人が、日米安保の性質に気づきつつある。

(部分抜粋引用終)
上記の櫻井よしこさんのご指摘は、昨日の拙ブログ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160406)の内容とも重なるが、もっと具体的な卑近例は、先月書いた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160309)。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46519


「米国は日本の憲法改正論議をどう見ているのか:かつて日本に憲法改正を促したクロプシー氏、今の見解は?」
2016.4.6
古森 義久


・なんといっても日本の憲法は米国によって作成されたからだ。そのうえ米国は、日本の憲法自縛を課す自国の防衛の足りない部分を同盟国として長年委ねてきた相手でもある。
・やはり日本は憲法を改正して普通の国となりもっと積極的に日米同盟に貢献できるようになることが好ましいという意見が増えていく。
 そうした意見が初めて明文化されて発表されたのが1992年である。
91年に米国を中心とした多国籍軍が、クウェートを軍事占領していたイラク軍部隊を撃破した。その際、日本は多国籍軍の軍事行動に賛意を表しながらも、資金を出すことしかしなかった
 米国ではそうした日本の態度に批判が高まった。
1992年6月、宮沢喜一首相(当時)の訪米を前にして、ワシントンの大手研究機関のヘリテージ財団が「日本に憲法改正を促すべきだ」とする政策提言の報告書を発表した。保守系ヘリテージ財団は当時のジョージ・ブッシュ政権にきわめて近かった
・国際的な平和や防衛、安定の保持に不可欠な力の行使や戦争をすべて否定する日本の憲法は、現実の国際情勢に自分たちだけは無関係だという例外意識を日本国民に与えてきた
・すべての力の行使を否定する憲法9条は、消極平和主義のファンタジー(幻想)であり、日本が日米同盟において米国と共同防衛の努力をすることを大幅に阻んできた。
・占領米軍により押し付けられた日本の憲法は、日本国民の多数から支持されてきた。一方で、自国の進むべき方向や自国のあるべき姿について国民レベルで自由かつ自主的に議論することを抑える原因となってきた。
・上から見下ろしたような目線のタイトルではあったが、「日米関係の悪化を防ぎ、同盟を堅固にするため」という目的をうたっていた。
・報告書を作成した責任者は、ヘリテージ財団アジア研究センターの所長セス・クロプシー氏だった。当時まだ30代後半だったクロスプシー氏は、共和党歴代政権で国防長官補佐官、国防次官補代理、海軍次官補などを歴任し、日本を含むアジアの安全保障問題を学者として専門に研究してきた。
ハドソン研究所の上級研究員であるクロプシー氏は、現在もアジアの安全保障を専門とし、台湾での政策協議から戻ったばかりだという。
・クロプシー氏は、24年前と比べると、日本が「自分たちは例外」という意識を減らして安全保障面で前進するようになった、と評価する。
・クロプシー氏は日本の変化に期待をかけている。「日本が改憲をすると軍国主義になるという警告がかつてありましたが、これほど非現実的な指摘はありません」とも述べる。このように日本の憲法改正を希望する識者は民主党共和党の区別なく超党派で広がっていると見て間違いない。

(部分抜粋引用終)

古森義久氏の過去引用は、こちらを(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%B8%C5%BF%B9%B5%C1%B5%D7)。
憲法論議についての拙ブログは、こちらを(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160308)。
セス・クロプシー氏をパイプス先生が引用されている拙訳は、こちらを(http://www.danielpipes.org/12271/)(http://www.danielpipes.org/13593/)。ヘリテージ財団については、こちらを(http://www.danielpipes.org/15230/)、かつてのパイプス講演は、こちらを(http://www.danielpipes.org/13505/)。ハドソン研究所での玉稿は、こちらを(http://www.danielpipes.org/5993/plo-acknowledges-still-at-war-with-israel)。