ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

騙される方が悪い

以下の報告を読むと思い出されるのが、クリントン女史の自叙伝風の本にあった一節(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090604)。娘さんと一緒に、あるムスリム国の要人と面会した際、「最近、娘のチェルシーイスラームについて正しく学んでいたところだったので、適切な質問をすることができた」という親の娘自慢。
しかし、「正しく学んだ」結果、以下のように騙されているとしたら、一体その責任は誰に問われるべきなのか、ということです。オバマ政権のムスリム助言者にイスラミストが含まれていることは公然の事実として何年も前から知られていました。それを専門家として正面から指摘したダニエル・パイプス先生の方が非難されて、騙されている方が持ち上げられていたなんて、世の中どうなっているのでしょうか?耳に痛い厳しい指摘の方を重視すべきなのに....。
たとえ時流から一時的に外れて少数派の立場であったとしても、外交政策とは人気商売ではないのですから、やはり「成果を出す」とは、きちんと日々の分析努力を怠らず、おもねらず真っ直ぐに情勢判断をすることだと思います。その意味で、私がパイプス父子先生から学んでいることは、細かな分析の当否ではなく、むしろ全体としての知的武装の確固たる姿勢(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131017)。
例えば、冷戦が終わった際、旧ソビエト知識人が漏らした言葉として有名なのが、「あまりにも西側の知識人が我々のプロパガンダにたやすく乗ってくるので驚いた」ということだったそうです。しかし、パイプス先生のお父様は、強硬派だと非難されようとも、絶対に動じませんでした。ポーランド出身のためにロシア語学習が比較的楽だったそうで("Vixi" p.48(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=Vixi))、今でも流暢にロシア語でインタビューに応じられますが(http://pub.ne.jp/itunalily/?search=20519&mode_find=word&keyword=%D0%A0%D0%98%D0%A7%D0%90%D0%A0%D0%94+%D0%9F%D0%90%D0%99%D0%9F%D0%A1)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121230)、旧ソ連の内実をありとあらゆる面まで細かく調べた上で、アメリカの立場として筋を通していたために、非常に尊敬されているようです。「ソヴィエトでは人々が皆嘘をつく」と自叙伝でも書かれています("Vixi" p.89)。「そういうことを言ってはいけない」というのが政治的公正さですが、覆い隠すことで騙される世代が増えてきたのが、現代の日本ではないでしょうか?

http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP546113
Special Dispatch Series No 5461 Oct/3/2013


イランの嘘をのんだ米政府―核兵器開発禁止というハタミのファトワは存在せず―イランの新戦略・其1」


アメリカのオバマ大統領は、国連総会演説(2013年9月24日)で、「最高指導者が核兵器開発を禁じるファトワをだしている」と述べた※1。しかし実際には、このようなファトワが、最高指導者ハメネイによってだされたことは、一度もない。そんなものは存在しない。そのファトワはこれこの通り存在すると提示できる者は、政権当局者を初めイランには誰もいない。


ハメネイファトワ”に関する欺瞞工作は、イランの政権とその代弁者がここ数年推進してきたが、存在すると唱える度に“ファトワ”の出た年と称するものが違っている。例えば、2005年、2007年、そして2012年と、発行年が異なる。いつも、その年にだされたというだけで、“ファトワ”の中味即ち本文が示されたことは、一度もない。


MEMRIは、この“ファトワ”なるものについて、これまで綿密な調査をおこない、それが虚構であることを証明、その調査報告を発表した。下記のMEMRI報告を参照され度。


●有りもしないハメネイ最高指導者のファトワなるものを存在すると偽り、アメリカのオバマ大統領とクリントン国防長官を騙すテヘラン―再開されたイラン・西側の核協議―其2
http://www.memri.org/report/en/0/0/0/0/0/0/6291.htm


●イランの最高指導者ハメネイのだしたファトワ集―核兵器を禁じたというファトワは存在しない。
http://www.memri.org/report/en/0/0/0/0/108/0/7348.htm
イラン政権は、この“ファトワ”が存在すると繰返し主張していれば、その内に真実として受入れられる、と信じているようである。今日までヨーロッパ諸国は、それを受入れることを拒否している。非公式筋によると、2005年にEU3の法務アドバイザー達がイラン政権にその“ファトワ”のコピー提供を求めたが、入手できなかった。
※1 http://gadebate.un.org/sites/default/files/gastatements/68/US_en_0.pdf

(引用終)