ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

幸せな女性は慎ましやか

時折、海外へリサーチ研究も含めた旅行に出掛けてきた私だが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091028)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110224)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121225)、これほどまでに大掛かりになるとは、二十代の頃には想像もしていなかった。
今年3月の学会でもはっきり申し上げたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160309)、本来、私のマレーシアの研究テーマなぞ、三十歳前後で終了している予定だった。だが、まともな研究指導者も国内で見つからず(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091230)、一次資料さえ殆ど皆無だった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111013)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160306)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160315)。
2014年4月にイェール大学神学部図書室まで資料を閲覧に行ったが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140521)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140524)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140525)、これまで何年も研究発表を継続してきた間、神学関係では関西の某有名大学にイェール大学で学位を授与された教授もいらして大層尊敬されていたのに、その亡くなった名誉教授のことは褒め称えても、イェール大学に私の研究資料が所蔵されているなどと、誰一人教えてくれもしなかったのだ。
...ということを明言したところ、会場は俯き加減でし〜んとなり、その後、その学会を退会された教授も複数出た(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160825)。
こんな状態は初めからだったので、1993年に、日本に滞在したままでも可能だった当時の制度を利用して、所属をマレーシアの大学に置き、悪戦苦闘の道を一人でトボトボと歩いてきた。
極めて幸いかつ稀なことに、1996年12月の暮れ近くに名古屋で出会った時、主人は最初から「僕、そういう女性の方が好きなんです。むしろ、女性はそれぐらいであってほしい。マレーシアなら近いし、旅費も高くはないから、好きなだけ行ってくればいい」などと、全面賛成だった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091214)。むしろ、私の方が遠慮がちで、「最初は誰でも、いいこと言いますよね」と慎重に慎重を二乗していた。
結婚するにせよ、独身を貫くにせよ、奨学金や研究費の獲得競争に依存するのではなく、金銭面だけはまずは自前で何とかしなければ、と固く決心していた。お陰様で今でもマレーシアに預金が残っている(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100718)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150405)。これに関しては、国内とは違って、わざわざ飛行機に乗って勝手に取り上げて誰かが盗むわけには行かないだろう(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160221)。我ながら、1993年3月下旬のクアラルンプールでの咄嗟の判断が効奏した一つである。
本当に、ダニエル・パイプス先生との出逢いは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120114)、私の世界観を劇的に変化させ、学問の真髄にもっと忠実になり、肯定的、積極的に人生に立ち向かう機運を与えてくださったと断言できる。改めて書くつもりだが、今回も旅行グループ内で自己紹介の時間が設けられた際、そのことを英語ではっきりと旅団メンバーの前で申し上げた。なぜならば、2014年以降、例年のようにパイプス先生と時を過ごすことになったからである。言うまでもないことだが、二人きりではなく、パイプス先生が長年、各方面に働きかけて築き上げた英語圏のグループと一緒であるが、女性陣から事実無根のあらぬ噂を立てられるような愚は避けたかったし(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150513)、寄付金を出している支援者も旅団には混じっているだろうから、何事も公明正大にしたかったのである。
2012年に翻訳を頼まれた時には(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120330)、まずびっくり仰天して、ここまでの展開になるとは、全く予想もしていなかった。何事も一期一会の精神なので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090704)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160914)、次がないものと覚悟して、事に当たっているからでもある。
その間にさまざまなことが起こったが、私的には、お墓参りに主人と欠かさず行き、主人の実家の引っ越しのお手伝いに何度か行き、その前後にも義母のお見舞いに何回か赴くなど、なすべきことは果たしつつ、ここまで来た。今回も、出発前には衣類や書類などを全面的に片付けて整理し、使えそうな日用品は箱詰めして施設に寄付し、主人の食事用に保存食のおかずを大量に作り、旅程と連絡先をカレンダーに貼り付け、パリとストックホルムから絵葉書を送ったり、勿論、二度ほど携帯電話で主人と話をしたりもした。
つまるところ、普段の生活が自分なりに確立されているからこそ、そして、帰る場所があるからこそ、旅が飛躍し、充実するのである。また、4ヶ国の英語圏の人々の間で、唯一の非英語圏の非西洋人として果敢に参加する上で、私の国籍と出生地と居住地が明確で、アフリカや中東からの大量難民のように勝手にしなだれかかって来ないと了承しているからこそ、受け入れ側も親切に接してくださるのである。もしも、その文化的な境界線を崩したり、勝手に越境したりするならば、即座にお断りということになろう。または、暗黙の制裁が下されるに違いない。
基本は、日本の伝統的な保守的姿勢を貫いた方が、態度としてはむしろ好まれると思う。これは、私の実感である。「アメリカ人女性は積極的で、何事にも大きな声ではっきりと物を言い、臆せず質問をし、意見を表明する」とモノの本にはよく書いてある。確かに、パイプス旅団の約半数を占める女性陣も、全般的に元気で活発なタイプが多いが、よく聞いていると、(口を開く前にもう少し考えては?)(日本では、高校の世界史の授業でイスラーム史についても学ぶ上、大学入試の問題にも出題されるのに、アメリカでは教えないの?)と感じることもなくはない。また、「黙っていると意見がなく、馬鹿だと思われるので、もっと日本人ははっきり物を言った方がいい」と書いてある本があるが、それも良し悪しで、場合によりけりである。安易に真似をしない方がよいことも多い。
ありがたいことに、廣淵先生(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=http%3A%2F%2Fhirobuchi.com)がよいご指摘をなさった。以下に抜粋を。

http://hirobuchi.com/archives/2016/10/post_739.html#comments


October 10, 2016
「無知と嘘だらけの連ドラ」


・NHKテレビ(朝8時。月ー土曜日)の連続テレビ小説(通称「連ドラ」)は、台本をチェックする体制ができていないためか、「あまりにも事実と違うこと」を放送しすぎています。


・想像ですが、このドラマの作者は、本当に自由で因習に縛られない女性は、はっきりした自我の持ち主であるべきで、このくらいの愛情告白をするのは当たり前であり、カッコイイことだと思いこんでいるために、こういうストーリーを作りあげたのだと思います。


・これはとんでもない思い違いであり、「無知」そのものです。日本の娘たちがアメリカに留学してまず驚くのは、女子学生たちは恋愛においては非常に控え目であり、女の方から「男子をデイトに誘うなどとはとんでもないことだ」というのが「常識」になっているのに気付くことだそうです。「デイトしたいと匂わせることすらしてはいけない。もしそんなことをすれば、男子の間でも女子の仲間内でもたちまち評判になり、あの娘はあばずれ、すれっからし、といったレッテルを貼られてしまう。日本のドラマなどを見て安易に洗脳されてアメリカに行き、無知と無教養をさらけ出してしまう女性たちが実に多いというのが、実情です。


・今の時代なら、こういう光景も珍しくないでしょうが時は昭和17年、日米の開戦からちょうど1年目の時代です。このころに女学校5年生の良家の子女が、若い男にひっしと抱き付いて衆人環視の中をバイクで疾走するなどということは、まず絶対にありえません。世間の見る目はまちがいなく「不良少女」ということです。


・作者もディレクターも無神経すぎます。受信料という「公金」を使って、歴史を改竄(かいざん)するようなドラマを作るなどとは、許されないことです。

(部分抜粋引用終)
アメリカの若い男女交際について、パイプス先生のお父様のリチャード先生が“Vixi”の中で(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=Vixi)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/archive?word=vixi)、ポーランドと比較して、おもしろい観察を書いていらしたことを想起する(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130629)。