ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

金環日食−世の不思議さ

今朝は、7時25分頃から10分間ぐらい、ベランダに出て、金環日食を眺めていました。
昨日、大阪梅田に行くと、「日食用メガネは売り切れました」と本屋さんの表示にあって、つい笑ってしまいました。今日の朝日新聞夕刊の写真では、大阪市内では大勢の人々が集って、特殊メガネをかけて、眺めたりプロポーズしたり、忙しい記念行事になったとの記事が掲載されていました。私の住む辺りでは、さすがに集団で眺める光景はありませんでしたが、我が家と同じく、各階の階段の踊り場に出て、家族で見上げている人々が見られました。
私はといえば、メガネはないものの、指で覆いのような囲みを一人で作って、眼を細めながら見入っていました。空気も新鮮で、金の指輪が空に大きく輝いているようで、なかなかの光景でした。
その「日食用メガネ」を知ったのも、昨日の午後、東梅田教会へ第71回目の教会音楽会を聴きに行ったからなのですが、その際の合唱団の指揮者のお話でも、「日食」は神の御業だと、触れられていました。おかげさまで、この貴重な機会を見逃すことがなかったわけです。
教会音楽は、ぼうっとしている間に終わってしまった、というのが正直なところ。こだわりなく聴けるというのは、幸せなことだと思います。それに、世相を反映してなのか、教会堂が満員で、驚きました。やはり、いい音楽を求める人々が多いんだなぁ。と。
東梅田教会での音楽会についての過去の記録は、次をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071016)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080508)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080616)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090528)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110509

その後、紀伊國屋さんへ行って、三冊の文庫本を買いました。再び、ツィッターからの転載です。

https://twitter.com/#!/ituna4011


26m Lily2‏@ituna4011
『人間の基本』(新潮新書) 曽野 綾子(著) (http://www.amazon.co.jp/dp/410610458X/ref=cm_sw_r_tw_dp_qeJUpb1HS483J)を、昨日、大阪梅田の紀伊國屋書店で買った。早速、今日読み上げた。学生の頃、曾野綾子氏はどこか苦手だった。参考にはなるが合わないタイプだと思っていたが、今の日本社会を見ると、まさに的確。


22m Lily2‏@ituna4011
イスラエルユダヤパワーの源泉』(新潮新書) 三井 美奈(著) (http://www.amazon.co.jp/dp/4106103834/ref=cm_sw_r_tw_dp_nhJUpb0Q8TZ31)も、昨日、大阪梅田で購入。早速、気になるページは読み上げた。ダニエル・パイプス氏と知り合って以来、この種の本が、一つの「日本向け参考書」として読めるようになった。


Lily2‏@ituna4011
『宣教師ニコライとその時代』(講談社現代新書) 中村 健之介(著) (http://www.amazon.co.jp/dp/4062881020/ref=cm_sw_r_tw_dp_pkJUpb1P5KFZK)も、昨日併せて買った。計三冊。ニコライやロシア正教会は、学会の知り合いが専門としているので、初心者として参考までに読むことにした。これも、大変におもしろそうだ。

曾野綾子氏(参照:2009年8月26日・8月29日付「ユーリの部屋」)はカトリック人脈を存分に活用されて、さまざまな、大胆でおもしろい人生経験をなさっているので、学生の頃はともかく、今の歳になると、生き方の上で刺激的な一つのモデルにさえなります。
それと、最近よく考えるのが、「保守性とは何か」ということ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120125)。学生時代の昔は、岩波文庫と共に、中央公論社の文庫本を読みあさっていて、当時の「中道リベラル」路線が、20代の自分には妥当だったと、今でも思います。その頃の日本社会も、今の若い人が「バブル時代を経験してみたい」とうらやましがってくれるような時に該当していたこともあり、だからこそ、多少の批判精神と、伝統とは違った新たな経験や知見の入り交じった「中道リベラル」が、必要ともされていたのではないかとも思います。まだ、「進歩的」イコール「マルクス主義」「革新性」が元気に闊歩していた時代でもありましたから。
ただ、ここまでグローバル化が進み、技術革新によって世界情勢が一瞬のうちに共有される時代になると、かえって「保守性」の重要性や意味を考えさせられるのです。
もともと名古屋育ち(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111003)。名古屋といえば、徳川のお膝元として、伝統重視の「保守的な土地柄」と、よそからは言われるところ。それが、大学以上の場では、何か負の要素を含んでいるような印象を抱かされていました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090222)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110828)。
ところが、この頃、思うんです。主人ともよく話題にするのですが、「左派って、そんなに偉いか?」「大学の人達って、現場も知らずに、上澄みだけで勝手にモノを言っていないか?」「マスコミも、両論併記とか、多様でバランスのとれた見解の提示とか、偉そうに言って、実は世論を攪乱しているだけのとこってないか?」

そうなんですよね。イスラエルパレスチナの紛争問題を見ていても、パイプス先生のことで、これほどまでに私が迂回および旋回しつつ、(勝手ながら一人で)心を痛めてきたのも(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120519)、結局は、「エリート知識階層」イコール「進歩的リベラル」あるいは「左派」が、大学や学会やメディアを主流として動かしてきたアメリカの経緯があるからなのですね。
思いがけず、びっくりするような展開で知り合ってから4ヶ月以上経ちましたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120114)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120115)、おとといだったかも、ダニエル・パイプス先生からいただいたメールには「僕の書いたものの専門家になりつつあるね!」と書かれていました。いえいえ、とんでもないことです。「いつか、そうなれればいいんですが、今はまだ程遠いです」と、お返事しながらも(考えてみれば、非常に貴重な勉強をさせていただいているんだわ)と。
混乱して戸惑っていた気持ちが徐々に整理され、米国のイスラエル・ロビーなるものの実態と詳細と位置づけと力関係もだんだん把握できるようになり(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120321)、中東情勢とシオニズムの関係についても、アメリカからジャボティンスキーの書籍まで取り寄せて、何度も涙ぐみながら読んだりもしました。

https://twitter.com/#!/ituna4011


17 May Lily2‏@ituna4011
"Lone Wolf: A Biography of Vladimir (Ze'Ev) Jabotinsky" (Two Volume Set) by Shmuel Katz (http://www.amazon.com/dp/1569800421/ref=cm_sw_r_tw_dp_lR9Spb099CHC7 via @amazon) arrived here.


18 May Lily2‏@ituna4011
"The War And The Jew" by Vladimir Jabotinsky (http://www.amazon.com/dp/1179632559/ref=cm_sw_r_tw_dp_sLKTpb130KMAK via @amazon) arrived here today.


Lily2‏@ituna4011
The book below "The War and..." is a must read for us who are interested in current Israeli issue.

ユダヤ人の私が、専門家でもないのに涙ぐむというのは、結局、こういうことです。ディアスポラユダヤ人として、東欧諸国に住み着いて、その土地の言語を習得し、才能を発揮していくらその国に貢献したつもりであっても、「土地なき民」として、実際には土着の人々と同等には評価してもらえず、対等にも扱ってもらえない。だから我々は父祖の地に戻るのだ、という固い決心を、ヘルツルを信じて一途に実践しようと理論化していくジャボティンスキーの様子が、何だか、孤軍奮闘期のダニエル・パイプス先生を彷彿とさせるからなのです。
例えば、今の中東フォーラムを立ち上げるにも、最初は三人で相談して計画したとの由。(そのうち、一人の女性だけがスタッフとして残っていらっしゃいます。)「ホーム・オフィス」として、ダイニング・キッチンや子ども部屋や書斎など、自宅のありとあらゆる場所を駆使して、「サラリーを減らして、時には、サラリーなしで働いた」と、みずから述懐。その頃は、外交政策研究所の所長としての肩書きを有し、そちらで論文を執筆したりもしながら、路線の相違から自分のシンクタンクを立ち上げる決心をされたようです。ただし、その当時、手元にあった貯金は意外なことに、250万円ぐらいだったそうです。(想像に反して質素なんだわねぇ)と感じたと同時に、(大学で教えながら、本も書いたりするのだから、資料代なんかでお金がなくなったのかもしれない)と、余計な想像を掻き立てられたりもしました。
まだ小さかったお嬢さん達にも「ねぇ、お仕事何しているの?」と聞かれたとか。その手作りオフィスで、機関誌の企画、執筆、編集、販売から、講演の催し、資金集めなど、自分でも思い出して説明しながらも、(ぷふぅ〜)とため息をついていらした2004年の映像を見て、(正直な人...)と感じた次第。だからこそ今、オフィス街にある十階建てのビルに、自分のオフィスを構えられるようになって、「昔は、こんなこと想像もできなかった」と。
そんな経緯から、数日前、パイプス先生に、「間違っているかもしれませんが、この本、中東研究およびイスラエル関与の動機として、先生のキャリア全体に影響を及ぼしていませんか」とお尋ねしたところ、「ごめんね。その本、読んでいないんだ。だから、自分と類似性があるかはわからない」と、これまた率直なお返事を頂戴いたしました。
ともかく、お会いしたこともない著名な方の背景を充分に知らずに、訳業なんてできませんでしたから、ようやくこれで、今後はやっと軌道に乗せられそうです。どうやら、2004年頃からパイプス専属として開始された、イタリア語とフランス語の翻訳者が、コンスタントに量産されていますが、他の言語の訳者は、アラビア語を除いては、ボチボチといったところ。ちょっと安心しました。
パイプス先生も、私がこれほどまでに、真面目に真剣にあれこれ考えて、まっすぐにメール交信してくるタイプだとは、予想以上だったのかもしれません。だからこそ、中東フォーラムに連なるスタッフの男性陣四人が、フェイスブックのお友達として、即座に私を仲間に入れてくださったのでしょう(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120429)。そのほとんどがユダヤ系です。
幼稚園の頃から聖書の物語に心を引かれ、気がついたら、もの悲しいヘブライの旋律に魅せられていて(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070728)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090210)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120308)、小学校5年の頃、担任の先生にアンネ・フランクの物語を教わってからは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120313)、(もし必要とされた暁には、ユダヤの人々にとって、何らかのお助けができるような勇気を持ちたい)といつしか願うようになり、今では、聖書伝統でいうところの40年。まさにそれが、不思議なように実現しているというわけです。それも、自分にとって最も好きで得意とする場が、先方から与えられたのです!
土曜日の夜には、主人が見つけて登録しておいてくれた映画「シンドラーのリスト」を、初めて見ました。実話から装飾が施されている部分もあるようですが、それにしても、まるで我が事のようにひどく泣けてしまい、眼が非常に疲れました。恐らく、遠く欧州ポーランドからも中東イスラエルからも地理的に離れた日本で、自分の文化基準で把握しようとしているのではなく、既に知り合いになっているパイプス先生のことがあるからでしょう。
ポーランド移民として、ナチ迫害を逃れるために、1940年と41年という、ギリギリ直前に米国に移住されたご両親を持つこと。そのお父様が、回想録に(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120507)「私は生き延びた」「ポーランドで知り合いだった人々は、ナチによってこの世から消されてしまったが、彼らの思い出を記録に残すため私は書く」という意味のことが記されていること(Richard Pipes, "Vixi: Memoirs of a Non-Belonger", p.xiii)。
そして、その薫陶を素直に受けられたご長男のダニエル先生が、国内外の無理解な人々から、さんざんな非難を浴びながらも、必死になって体を張ってイスラエル擁護に回り、強力な文筆活動を展開をされていること。この日本でも、一部の中東研究者からひどい批判を書かれてきたこと。
それなのに、私が驚いたには、マレーシアに関する記述がピタリと自分の路線に当てはまり、しかも正確だということ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120114)。それ以外にも、ユダヤ教徒でいらっしゃるのに、ムスリム・クリスチャン関係の対話志向に関して、その試みを正当に評価する一方で、問題点も的確に指摘され、提言までされている米国平和研究所所載の1993年の論文が、実に見事に、私のこれまでの紆余曲折のリサーチ経験と合致すること(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120516)。
さらに、ある日本の中東専門家(過去に私も数度、会合で同席したことのある方)からは、正式な論考で、「抑圧的で権威的でひどい人間だ」とまで酷評されていたのに、何と、私のような一介の平凡な日本女性には、実にこまめで優しい紳士だということ。ちょっとしたことでも「そうだね、僕も同意するよ」「言いたいことはわかるよ」「僕のことで、プレッシャーを感じなくてもいいからね」「すごくおもしろいね」などと、極力、私に合わせてくださること。
You Tubeの映像を見ても、今でも信じられません。こんな、一見、強面のような長身のおじさまが、私に対して、身をかがめるように相手をしてくださり、仕事まで依頼されるなんて....。