ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

期待されていない利点

(http://agora-web.jp/archives/1622506.html)
「政治 肌の色の違いだけではないアメリカの人種問題」
岡本 裕明


・果たして「色」の違いがことの本質なのだろうか。
・白人警官にしてみれば黒人が武器を持っていて自分に向かってくるかもしれないという先入観と恐怖が自己防衛本能を出したのであろう。
・英語という言葉の問題ではなく、言葉そのものに含まれる定義と常識観がかなり違うことによる認識の不一致
・例えば私が20年来仕事で付き合ってきたあるカナダ人は大のアジア人嫌い。同僚でも顧客でもアジア人だけは避けるぐらいの人。なぜか私とは仕事を。理由は相互理解ができているので私はアジア人でもOKにしてもらっている。つまり、例外的扱い。
・問題の根本原因の一つは宗教による本質の相違が大きい。
・最近ではアメリカとイスラム過激派の相違。コミュニケーションだけでは乗り越えにくい問題
・解決するには二つ。一つは日本の様に民族をほぼ単一にし、心地よい社会を維持する方法、もう一つはカナダの様にモザイクの移民国家を作り上げ、相互理解を深め、個の尊厳をより高めるとともに「マジョリティ」の支配がない世界を作ること
・白人が主体性を持っているのはキリストの教えを通じて社会貢献するという発想。
人種間の問題の根は深く、その解決は容易ではない

(部分引用終)
以上の話を踏まえた上で、別の見方を提示する。
アメリカ発の最近の映像によれば、黒人で共和党保守派に属し、人種差別のせいで黒人が不利益だという固定観念を打破しようとする意図を含むメッセージがあった。その話者は、いわゆるリベラル左派のデモ運動に出てくるような風貌ではなく、顔つきも体つきも実に引き締まった、まるで別のタイプの黒人だった。生まれた国で不平不満に流されず、精一杯努力して、分を果たしてしっかり生きていこうという覚悟のできた人だった。コンドリーザ・ライスさんの男性版と言ってもよいだろうか。

つまり、我々が目指すべきは、上記の岡本氏のような話を知った上で、なおかつ、何をどうすべきか、ということである。

私なりの対策法は、以前から繰り返しているように、「二本立て」である(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140910)。つまり、国内向きには日本文化の本流本質をしっかりとわきまえ、深めておくこと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141123)。同時に、それのみに安住せず、西洋社会が世界を誘導しているならば、それを必死になって学び続けることである。つまり、現代版和魂洋才をさらに先鋭化、持続化させていくことである(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130310)。また、世界史をよく学び、世界思想の特徴を研究した上で、世界秩序を乱さないよう、情報収集と分析を怠らないということである(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131018)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140228)。
例えば、松原久子氏の『驕れる白人と闘うための日本近代史』のような見方は、ゆめ西洋社会に向けて発信すべきものではなく、我々内側の者が予習として学んでおく程度がちょうどよいのではないだろうか(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140624)。必要な時に、小話としてさり気なく披露できるのが望ましく、わざわざ喧嘩を吹っ掛けるように持ち出す話題ではない。
所詮、最初から誰にも期待されていないのだから、その点、楽である。我々は西洋人ではないのだから、その点でも負担は軽い。
誰からも期待されていないというのは、賢く用いるべき特権である。