IAEA事務局長の映像から
日本記者クラブでの天野之弥氏(IAEA事務局長)(2013.1.11)の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=h4rpb-Wbl6Y&feature=em-uploademail
(通訳の声が大き過ぎて、いささか聞き苦しいのが難。もう少し、音声の調整をしていただければと思います。)
イランの核施設問題と同時に、北朝鮮も懸念されるというお言葉を注視しています。
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130108
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130109
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130112
シリアの問題も深刻です。
数年前に、某大学の講演会で、「イランは平和利用とエネルギー資源のために核開発をしているのに、アメリカはわかっていない」というイラン広報官のような立場の方の講演を伺いました。その時、主催者側が「本当にアメリカはわかっていない」と応答し(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120129)、我々の前で抱擁までされていました。
こういう時、一体全体、大学とは何なのか、社会的地位とは何なのか、本当に理解に苦しみます。今でも忘れられない光景です。
「対話と外交手段を通じて解決していきたい、全力を挙げている、というのが基本だが、だからできるというのとは別物。可能性について楽観的かということは、確たることは言えず」というお言葉こそが、誠実で充分に受け入れられるところです。
イスラエルの核開発についての質問には、次のようなお答えがありました。
「IAEAとしては、NPTの加盟国でない場合、協定がないため、イスラエル、インド、パキスタンには権限がない。ダブルスタンダードではないかという意見については、その国の法的立場が違う。中東フォーラムという会議を11年ぶりに開き、中東の非核について、難しいが小さな一歩を踏み出した経緯がある」。
「イスラエルの主権国家としての判断、治安の問題」「イスラエルを説得するという立場ではなく、どのようにすれば外交手段でこの問題を解決できるか、というスタンス」「真剣にこの問題について取り組んでいる。完全にルールを守ってもらわなければ困る、という立場」。
このようなお話が聞けることは、本当に私としてもありがたいところです。昨年の今頃から感じていたこととして(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120114)、この種の複雑かつ困難な問題については、決して相手を追い詰めてはいけないということです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130105)。遠方から共感的理解を示すことで、直接対決へと突進していかないよう、目立たないながらも小さな緩衝材となれればということです。それが依頼をお受けした私のささやかな役割だと考えています。
(追記)
http://japanese.irib.ir/news/nuclear-power/item/34524-
イラン国会、「国際社会は天野iaea事務局長に対し悲観的」
2013/01/13(日曜)
イラン国会・国家安全保障外交政策委員会のシャフィイー議員が、「IAEA・国際原子力機関のダブルスタンダードにより、国際社会はIAEAの天野事務局長に対し悲観的な見方をしている」と語りました。
シャフィイー議員は、天野事務局長の再選の可能性が高まったことに触れ、「誠に遺憾ながら、IAEAの構造は事務局長が西側諸国の政策に同調すれば、その行動が好ましくなくとも事務局長が留任するように出来ている」と述べています。
また、西側諸国が天野事務局長の行動に満足していることを指摘し、「北米・ヨーロッパ諸国などの国は、天野事務局長の政治的な行動に満足しているが、これは同事務局長がこれらの国の政策を実施していることが理由である」としました。
さらに、「IAEAは、NPT・核兵器不拡散条約の内容を実施する機関であることから、IAEAに対しては西側諸国の政策ではなく、この内容を業務の基本に据えることが期待されている」と強調しました。
シャフィイー議員はまた、「IAEAを孤立化させている最大の要因は、天野事務局長の利己的で政治に振り回された行動にあるとし、「天野事務局長の利己的で曖昧な行動により、IAEAの権威は著しく失墜し、また長期間にわたってこの国際機関の信用が全面的に失われることになった」と語りました。
IAEA理事会の西側の35カ国の代表により発表された書簡では、天野現事務局長以外に候補者が出ていないことが強調されています。
(引用終)