ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

来日キャンセルに思う

来日キャンセルが相次いでいます。
私事で恐縮ですが、今年1月から楽しみにしていた「チューリヒ聖書」に関するドイツ人講師のご講義。4月半ばの予定だったのですが、結局は訪日不可となり、中止のお知らせが入りました。
2011年2月22日付「ユーリの部屋」の「コメント欄」には、予定されていた演奏会について、音楽家達の来日状況を2件、書きました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110222)。各自演奏家の決断の善し悪しを申し上げる余裕はこちらになく、いずれであっても、ただただ感謝するのみです。
一方、「ミッフィーのおじちゃん」ことディック・ブルーナ氏からは、大粒の涙を二つの目から流している色無しミッフィーが、朝日新聞宛に届いたのだそうです(2011年3月27日付朝刊)。子ども達のために、とのことですが、年齢上はいい大人であるはずの私も、とても慰められました(参照:2008年1月5日・4月4日・7月30日・7月31日・2010年8月2日付「ユーリの部屋」)。
ところで、戦争を経験されている世代は、この度の震災についても、落ち着いた強い精神力を発揮されているように感じています。

当初のお約束どおり、2011年3月15日、文献資料の詰まった箱が、名古屋でお世話になった名誉教授から届きました(参照:2011年2月17日・3月2日・3月8日付「ユーリの部屋」)。同封のお手紙には、次のような言葉が記されていました。

「......しかし、当時はベトナム戦争が激しさを増し、米ソの対立も厳しかった時代だったので、私たちのように、アメリカから研究費を受けるものに対しては、わが国の左翼系の研究者たちからは(ママ)、私たちへの圧力は強く、当時、名古屋大学教授で、私たちと共に研究調査にいく筈の○○先生や○○先生などは辞退せざるを得なくなりました。私は、まだ彼らの標的になる程の研究者ではありませんでしたが、左翼系の学友たちから『日本が社会主義社会になったら、お前たちは銃殺される』といわれたことも、その当時の若い時代の苦い思い出となっています。.....」

福島原発については、政治的にも、専門的にも、初期判断の甘さと誤りが一部で厳しく指摘されていますが、その背景には、上記のような過去の動向に影響を受けた世代の政治家問題も、あるいは考慮すべきなのかもしれないと愚考します。