ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

日本のクリスマス詩

12月22日には、近くの町立図書館経由で、大阪府立図書館から、岡義武著『近代日本の政治家岩波現代文庫2001年)を借りました。著者はもう亡くなりましたが、緒方貞子先生の師のお一人だった方だそうです(参考:上坂冬子時代に挑戦した女たち文春文庫1997年 p.138)。
この本を知ったのは、2007年11月8日にも「ユーリの部屋」でご紹介させていただいた、マレーシア時代の元上司B先生の甥御さん(Mさん)のブログです。医学部を休学して、将来に備え、ウガンダで5ヶ月間(予定)滞在されるのだそうですが、紛争地ならともかく、とりあえず目下は平和なかの地では、どうも時間が余って仕方がないらしく、日本から送られてくる本を片っ端から読んでいらっしゃる模様です。思うに、ちょっともったいないですね。現地でしかできない経験を積む目的でわざわざ赴いたのに、本来のお役目をなかなか果たせないというのは…。
お世話になった私としては、B先生のご一族のことは全くの赤の他人とも思えず、従って、この甥御さんも、会ったことのない遠い親戚の青年のように感じられて、毎日ブログを開いてカウントアップに協力し、時々、応援コメントを送っています。今のMさんが、ちょうど私がマレーシアに派遣された時の年齢と同じだということも、支援したくなるもう一つの理由です。若いから、飛び込んで行けた。理想も決して低くはない、どころか、多分、同世代の平均値よりは(かなり)高い。でも、当地に赴くと現実は…という共通の経験が、どこかで親近感を呼び寄せるのでしょう。
話を冒頭に戻しますと、この本には五人の政治家について言及されていて、その一人が犬養毅氏です。犬養道子氏が中公文庫から出された『花々と星々と−増補版−』(1974年初版/1993年5月15日12版)と『ある歴史の娘』(1980年初版/1993年4版)を過去に読んでおいたことが、この本を理解するのにかなり役立ちます。(偶然にも、この「ユーリの部屋」の操作ミスで掲載に苦戦していた今、犬養道子氏から犬養基金の年間報告書が届きました。)
ところで、話はいきなり来年の2月中旬に飛びますが、京都の関西セミナーハウスで、太田愛人氏が新渡戸稲造の歴史的背景について語られるようです。今年の8月には、新渡戸シンポで、佐藤全弘先生から新渡戸稲造に関する講義を聴きました。今度は、単なる新渡戸礼讃と思想継承ではなく、「敗者としての立場」から氏が果たした国際的・国内的な役割という話になるのではないかと予想されます。
太田愛人氏は、NHK教育テレビこころの時代」で、パウロ書簡の話をされているので、ご存じの方も多いことと思います。昨日も放送がありました。うちの主人は、別に私が言ったわけでもないのに、日曜日の午後になると自らチャンネルを合わせて見ているのですが、途中で必ず寝てしまっています。(実は私も!)「いい先生なんだろうけれど、この番組、単調な話し方で眠くなる」とのことです。京都では、生身の先生を拝見できるので、眠くはならないでしょう。早速、来年の備忘録に、予定を書き込んでおきました。
こういうことは、できるうちに無理してでも出席した方がいいのです。故竹中正夫先生の場合も、関西セミナーハウスで講演されるとお知らせを受けていたので、出席するつもりでカレンダーに記しておいたのですが、結局のところ、実現しませんでした。先生が、お亡くなりになってしまったからです。

最後に、今日はクリスマス・イブですから、一つ日本のクリスマス詩をご紹介いたしましょう。
「基督降誕祭」   三木露風

今日は尊き天主の子
生まれ給いし目出度き日
世をば救いて御栄を
顕わし給う御子の生れ


心なき獣さえも
慕い来て見奉りし
大稜威高くましまし
御仁慈深くましませり。


広き天地に君臨し
光遍ねく照らしたる
王基督の御生れの日
クリスマスこそ尊けれ。

(初出1927年/出典『三木露風全集 第三巻』1974年)

上記の引用は、森田進)『クリスマス詩集−この聖き夜に』(2004年初版)(pp.19-20)からです。三木露風と言えば、童謡で有名な印象がありますが、実はカトリック信徒でして、北海道のトラピスト修道院にも入られたそうです(p.76)。日本キリスト教団出版の本を買った時、中にはさんであった愛読者カードを送ったところ、クリスマス用プレゼントの抽選に当たったとのことで、2004年12月21日に送られてきました。思いがけず、うれしい贈り物となりました。

数日前のメールで、ロンドン在住の広東系マレーシア人牧師の友人が、「不必要に忙しい昨今、昔の静かで落ち着いたクリスマスがなつかしい」と書いてきました。まったく同感です。
本来のクリスマスを想起しつつ、皆様におかれましても、どうぞ心温まる、よき時間をお過ごしくださいますように…。