ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

人生の選択について

アジア各国の聖書協会総主事のお話になかなか入れず、ごめんなさい。専門分野と深く関わっているので、書くのにどこか慎重になってしまいます!もう少しご猶予を....必ず書きますので!

昨晩、主人が会社からの健康診断の結果を持って、帰ってきました。

今回は、一応OKサインが出たようでほっと安心しましたが、視力が格段に落ちているのには、びっくり!!毎日、パソコンと10時間以上もにらめっこするような仕事だし、睡眠時間が5時間ほどしか取れない生活をしているので....。やむを得ないとはいえ、もう少し何とかならないかなぁ、と妻としては心配しています。毎朝7時には出かけ、早くて夜は9時、時には11時近くに帰宅する日々なのです。

もっと懸念しているのは、主人の体重が私より5キロも少ないこと。私より30センチも身長が高いのに、です。「いや、それはあなたが太り過ぎているんじゃないですか?」とおっしゃるかもしれません。まぁ、少し太ってはいますが、これでも正常範囲です、私は。今年5月の血液検査でも合格印をいただきました、ハイ。

好き勝手に暮らしているように見えて、実は将来への不安がいっぱいの毎日。一体、主人はいつまで働けるのか、ということです。新聞紙上でも、研究成果の一端が時々掲載されていますが、できるだけ早く、よい治療法が確立されることを心から希望しています。

実は...結婚後1年して、突然、左手が動かしにくくなっているのに気づきました。お医者さまに診ていただこうとしても、病名も診断もつかず、病院をたらい回しされました。そしてようやく診断がついた時には、もう1年半以上もたっていました。その時の衝撃といったら、とても言葉で表現できません。
これから、二人で家庭を築き上げようとしていた矢先のことでしたから....

マレーシアの研究を私費で続けている、と書きました。公的に研究費をいただく難しさもさることながら、いただいた以上は期限内にきちんと成果を出すことが、当然、要求されます。そのためには、頻繁に遅く帰ってきたり、家を留守にしたり、海外に出たり、といったことが必要になってくるんですね。そうすると、主人には絶対に有形無形の負担がかかってしまいます。だから、不利を承知で決心したんです。マイペースでいくしかない、これでいこう、と。

病名の診断がようやく下りた時、主人は土下座して私に謝りました。「申し訳ない、こんなことになって」と。原因不明で治療法なしの病気なら、謝るも何もないのに、あれだけ人一倍、健康管理していた主人が、どうしてよりによってこんなことになるんでしょう??

数年間は、正直言っていろいろ悩みました。まだ若かったので、人生の選択に余地があるように思ってしまうんです。結婚の解消?それはできない。でも、私達の人生って、こんなもの?若い頃から二人とも、まじめに努力してきたのに...。なんでなんでなんで?

まず考えたこと。こんな見通しのつきにくいテーマを続けていたって、将来どうするの?これからは、大学での研究もイスラームの時代だっていうじゃない?最初からわかっていたけど、ますます職のアテはない。第一、昔から研究者めざしてきたんじゃないんだし。もうこの辺で、生活のための仕事を、えり好みせずさっさと探そう、苦労して集めた資料は全部棄てて...と思い詰めたことも何度かあります。

そういう時に限って、なぜかK家の息子さんから励ましがきたんですね。ご本人は、必ずしも事情をご存じだったわけではなかったのですけれども。不思議なものです。または、周期的に落ち込むそういう時期には、マレーシアの友人知人やリサーチ協力者達からどういうわけかメールが来て、資料を添付してくれたり、本を紹介してくれたり、あるいは「どう?元気にしてる?」なんて挨拶が添えられていたりして....。

実は、主人の健康問題については、マレーシアのカトリック・クアラルンプール大司教もご存じなんです。それも、先代と今の方のお二人とも...。事情を聞くや否や“We Pray!”とおっしゃって...やっぱり、違いますね。苦労を身にしみて感じながら大司教にまでなられた方というのは...。

だから、やめられないんです、勉強を。こんなにいろいろな方々に支えていただいているのに、自分達の将来に備えたいから、という経済理由や、所属が欲しいというだけで、他の職を探し始めてもいいものか。いつもいつも考えさせられるのです。

自宅に一日中いても、結構忙しいものです。家事は、最低限しかしていませんけれど、健康維持には普段の小さな工夫が大事。というより、これ以上、主人には病気を増やしてほしくないし、私も病気なんかしていられない、という思いから、あれこれ気を配る(?)と、毎日することはいっぱいあります。家事の記録をつけたり、金銭管理をしたり、健康ノートに診察結果や薬などを書き記したり、患者友の会の会報を読んだり、参考になる記事を切り抜いてスクラップしたり、などなど。必要だということ以上に好きだからしているのですが、まぁ時間は割合かかるものです。

食卓を片づけてテーブルに本やノートを広げて勉強を始めても、あっという間に(あら、もう夜?じゃ、ごはん作らないと)なんて毎日なんですね。携帯電話も車も持たないようなシンプルな生活ですが、(え!皆さん、どうやって時間のやりくりしているの?)と思う日々です。タイマーをかけて算段しているんですけどね。

時々は外泊になることがあっても、基本的には家にいるのが私の生活です。履歴書に書けるようなことは何もしていませんが、こういう積み重ねこそが人生なんだってことを学びました。外的には‘成功’、しかし家庭は崩壊、家族は短命で病死...じゃ、意味がありません。いざとなったら、そうはいっても働きますけれど...。