ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

日米戦争からの教訓は今も

ジェフリー・レコード(著)渡辺惣樹(訳・解説)『アメリカはいかにして日本を追い詰めたか:「米国陸軍戦略研究所レポート」から読み解く日米開戦』(Japan’s Decision for War in 1941: Some Enduring Lessons草思社文庫2017年)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180420)からの抜粋を以下に。

「左派リベラルの意見だ」「民主党の考えだ」「反米思想だ」等と即断しないで、考えてみたい。

他文化に対するアメリカの無理解は、わが国の外交政策をいまだに蝕んでいる。ベトナム戦争イラク戦争の例でもわかるように、わが国の姿勢は日本とのあの大戦の頃となんら変わるところがない。(p.121)


・インディアンとの戦いの時代から現在のイラクアフガニスタンの内部で続いている戦争まで、アメリカ的なる戦争のやり方はうまくいっていない。それは敵に対する理解が欠けているからである。うまくいかないのは自業自得なところがある。(p.122)


・これは2003年のイラク侵攻のわが国の状況と同じなのである。わが国もイラク戦争後の明確な構想を持っていなかった。(p.124)


国防総省素早い軍事的勝利にばかり目を向けていた。(p.125)


国防総省内のいわゆるネオコンと呼ばれる幹部には、アメリカ軍は解放者として歓迎されるはずであるとの思い込みがあったのだ。(p.125)


・現時点ではっきりしているのは、予防戦争と言われる対イラク戦争モラル上の代償、あるいは財政上のコスト戦略的な(失敗の)対価は、ブッシュ政権やそれを支持したネオコンの主張した、対イラク戦争で得られる国益を大きく上回っていることは間違いない。このイラク戦争の経験は、イランの核兵器開発に対して軍事行動を主張する者への警告になっている。(p.130)


・イランとの戦いは、彼らが核兵器保有する前に実行すべきである。対イラク戦争で使われ、すでに信用を失ったこうした主張を繰り返している。(p.130)


・1981年にイスラエルイラクオシラク核施設を空から攻撃した。そのことでフセインはかえって核兵器保有の野望を強くしてしまった。(p.130)


・イランへのアメリカ(あるいはイスラエル)による攻撃は負の効果を生み、その結果、イランの現政権の政治力を強めることになる可能性が高い。(p.131)

(部分抜粋引用終)