ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

大衆迎合的ナショナリズム

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2016年5月9日


・日本が連休中の4月30日土曜日、遂にイラクで恐れていた事件が起きた。
シーア派勢力の一つであるサドル派支持者数千人が外壁で囲まれたイラクの中枢に暴力で乱入したこと自体大事件だ。しかし、米国政府が最も懸念するのは、2004年以降宗派対立で徐々に機能不全に陥っていたイラク政府が、米国の支援にも関わらず、遂に崩壊し始めたかもしれない、という恐ろしい現実だ。
・デモ隊は反米、反イランであり、腐敗に塗れたエスタブリッシュメントを糾弾し、無責任かつ暴力的で大衆迎合的なイラク・シーアのナショナリズムを体現している。サドル派はイラクの「ダークサイド」なのだ。
・要するに、現在のイラク情勢も、欧米や中東、アジアで拡大している大衆迎合ナショナリズム」による政治的混乱と同じということ。今後イラク内政は不安定さを増すだろう。このままではスンニー、シーア、クルドの三つ巴の宗派対立に加えて、シーア派内部の分裂も不可避かもしれない。

(部分抜粋引用終)