まずはこちらの抜粋引用を。アメリカの政情を学ぶために、時折、目を通しているウェブサイトである。
(http://newglobal-america.tea-nifty.com/)
2015年9月23日
「横田基地の日米友好祭に見る国民の真意」
・結論から言えば、反対派の声を過大評価したメディアの報道姿勢は間違いである。それは彼らが何を言おうとも、日米友好祭の膨大な人出と活気が国民の間での日米同盟と安保法制への強い支持を雄弁に物語っているからである。
・今回の安保法案をめぐってはSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)をはじめとした左翼およびリベラル系の大規模な反対デモが国会前で行なわれ、メディアからは60年安保闘争の再来として大きな注目を集めた。あまりの大きなデモに民主党の岡田克也代表は、安保法制は国民の声を無視するものだと決めつけた。
・こうした街頭の市民運動において、左翼系の団体がきわめて動員能力に長けていることに留意しなければならない。
・道中では日本民主青年同盟の運動家20人ほどが安保法制反対のデモをやっていたが、日米友好祭にやって来る訪問客が彼らの主張に耳を貸すはずがない。民青の行為は、ただ失笑と冷笑の対象になるためだけの運動であった。
・日本国民が信頼を寄せているのが在日米軍や自衛隊なのか、それともSEALDsや小林節名誉教授なのかが一目瞭然である。永田町占拠者達はこうした国民の声なき声を無視し、まるで「私達こそが世論である」と言わんばかりの態度であった。
・本土の左翼が乗り込む沖縄と違い、横田の米軍は地域社会に溶け込んでいるのである。
(部分抜粋引用終)
横田基地はもちろんのこと、日本国土内の米軍基地には一度も行ったことがないが、上記の写真入りの記述は、充分に頷けるところである。その理由を以下に。
(1)今年4月下旬から5月上旬のイスラエル旅行の経験から(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150511)。
実は、グループ旅行が始まる二、三日前、時差調節のためもあって一人でテル・アヴィヴの中流ホテルに宿泊していたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150830)、一泊、近所のもっと小さなホテルに引っ越してみたところ、やたら愛想の良いユダヤ系イスラエル人の中年男性がフロントを担当されていた。そのおじさんが、「午後6時過ぎになると屋上から地中海に沈む夕陽が見られる。とてもきれいだから、試してごらん」と教えてくれた。もっとも、そのホテルは、それこそが唯一の目玉商品だと後でわかったのだが、指示通りに6時20分に階段を上って行ったところ、ゆったりした椅子が数脚、テーブルが一つ並べてあるだけの屋上テラスに辿り着いた。そこには、真っ黒に日焼けした人が一人、先客として、ゆっくりと沈みゆく夕陽を重そうな立派なカメラで何度も写真撮影していたのである。
最初は、風貌から南アジア出身の男性かと思った。匂いの強い煙草を吸っていたからでもある。年の頃、40歳前後だろうか。今思い出しても年齢不詳なのだが、見た目の性別も不詳だったのである。ところが、黙ってデジカメで写真を撮り始めた私に、突然、先方から「そっちに行ってもいい?英語できる?」と、ビールの小瓶片手に、英語で話しかけてきた。
「もちろん、どうぞ」と返答を。二人きりだったので、太陽が沈みきってしまうまで、椅子に座り、時々はシャッターを切って写真を撮りながら、お喋りすることになった。
数十分の話を短縮すると、エジプトのカイロ東部に駐在している米軍女性将校だということが判明。空軍でパイロットも務めているらしい。両親がメキシコ出身で、自分もメキシコ生まれ。テキサスのオースティン出身のアメリカ人だが、スペイン語も話せる。エジプト駐在は自分の希望ではなく、アラビア語はできない。エジプト軍との共同作業は非常に大変だが、「これも義務ですから」と。シッシ大統領の治政はどうかと尋ねると、もううんざり、といった表情で「大変ですよ、エジプトは。経済もひどい状況で...」と、実に正直な話だった。現大統領はイスラミストなのかどうか確認したが、「そうねぇ、イスラーム主義者じゃないでしょうね、前任者と違って」と、これまたパイプス訳文の成果が出た会話の運びとなった(http://www.danielpipes.org/14452/)(http://www.danielpipes.org/15467/)。
「軍の休暇を一週間取って」この度、イスラエルを初めて訪問したとのことだが、「今、部屋で休んでいる友人と車で4時間かけて、国境を越えてテル・アヴィヴへ来たの」。「え?飛行機ではないんですか?」と尋ねた私に「仕事でいつも操縦しているから、休暇の時ぐらい、陸路で...」と笑っていた。
「いいわねぇ、イスラエルは。エルサレムも...」と、何度も何度もつぶやき、長い歴史に身をゆだねるかのような表情で、中東の中で唯一の西洋先進国家としてのイスラエル滞在を充分に満喫している様子だった。「テキサス出身ならば、アメリカがイスラエルと強力な関係を築いていることをご存じでしょう?大勢のアメリカ人が頻繁にイスラエルを訪れているという印象ですが」と言うと、「それは、アメリカがたくさんのお金をイスラエルに注いでいるからでしょう?宗教的にも近いですしね」とあっさり。
「ところで、東アジアでの米軍勤務は、いかがですか?」と聞いてみると、「そうね、韓国は嫌だけど、日本駐在はすごくいいし、長く留まりたいって、友達が言っていた。私も日本に行ってみたいし、日本勤務ならいいけど、でも私の資格じゃ、多分、無理ね...」との返答。「もうしばらく、エジプトで頑張らなくちゃ」。
「韓国は、どうして?」「だって、米国大使を切りつける国でしょう?米軍がなぜ駐留しているかを全く理解していない国だから、嫌なのよ」。
このような会話が交わせたこと自体、パイプス先生に改めて感謝した次第である。
(2)昨晩、立花隆(著)『日本共産党の研究(一)』講談社文庫(1983年)を読了したが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150921)、やはり古い本も読んでおくべきだと思った。KGBのミトロヒン文書(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150805)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150809)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150815)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150819)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150820)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150904)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150911)やパパ・パイプス先生の一連のロシア史や共産主義のお仕事(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150515)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150811)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150908)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%A5%EA%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%C9%A1%A6%A5%D1%A5%A4%A5%D7%A5%B9)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=Richard+Pipes)を英語で読み聞きし、ロシア東欧とアメリカ合衆国を中心とした世界情勢の流れをつかんだ後で、個別事例として日本の共産党の体質と実践状況を把握すると、冒頭の話もすぐにわかるようになる。
鍵は、大衆を動員する「宣伝部」と「内部から」盲動するという左翼の特徴である。