ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

考え続ける姿勢を

カタルシス

三日連続で、封印していた抑圧経験を表に出したことで(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141010)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141011)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141012)、自分の立場が明確になり、ささやかながら自信が甦ってきた。
池内恵氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C3%D3%C6%E2%B7%C3)とは、見解が異なる点もないわけではないし、盲従する気は全くないが、やはりあの件について直言してくださり、ありがたかった。関係者の間では10年前から囁かれてきたことで、知る人ぞ知る。私自身も「誰の下でこの研究をしているのですか」などと何度か尋ねられてきた。一貫して自分の経験と調査結果に基づいて、事実のみを説明してきたことが、これで堂々と世の中で表現できるようになったのだ。

台風が去り、秋晴れ。ちょうど一気に気持ちも爽やかに晴れたので、片付け物に前向きになっている。今夕からは「シムハット・トーラー」と重なり(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121005)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121011)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121012)、これで区切りがつく。

パイプス先生は、「いつもの如く」邦訳の送信およびウェブ掲載(http://www.danielpipes.org/languages/25)を「熱望して」いらっしゃるようだが、下訳のみ20本以上できているものの、しばらく訳業はペンディング。時差もある上、下訳→寝かせ→見直し数回→印刷→最終チェック数回→完成稿の仕上げ→送信→証拠記録のための印刷、と自転車操業の作業で、いったん始めると、毎日、内容の重さと深刻さも相俟ってひっちゃかめっちゃかになるのだ。慣れてくると要領がつかめるが、軌道に乗せるまでが、とにかく大変だ。ハイパーリンクを見て、その他の事実確認もし、対論にも目を通しつつ、日本語に直す作業は、原文だけの理解とは全く違う回路を辿る。ついでに、パイプス先生に内容に関する質問をし、感想を添え、返答によっては訳文を書き換えていく。時には、ウェブに掲載された段階で先方にミスが出ることもあるので、エルサレムに連絡するが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120531)、その修正確認には、先方の仕事の段取りの順序もあって、かなりの時差グラデーションが伴う。

随分前に、池内氏の京都での研究室をビデオ公開で拝見したことがある。コピーの束やら本の山やら、「散らかっていますが、どうぞ」みたいな雑然とした部屋だったことを思い出す。中東情勢を追っかけて、次々と原稿を書き、メディアでも発言し、という生活を続けていると、そうなってしまうのだろうと思った。

パイプス先生の方も、ご自宅の書斎でのスカイプ出演も含めて、いつもネクタイを締めて、スーツ姿できちんとしている風に見えるが、私生活は、相当大変だったようだ。国外の講演旅行も年に何回もあり、国内外のメディア出演も頻繁で、活動すればするほど、左翼や親パレスチナ派からのめちゃくちゃな抗議に遭遇し(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131101)、成長期にあった娘さん三人の安全を守るだけでも、もの凄く苦労なさっていた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120516)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140111)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140707)。今も警戒していると、半年前にお会いした時にも私におっしゃった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140508)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140509)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140510)。

「キャンパス・ウォッチ」で有名な中東フォーラムだが(http://www.meforum.org/)、他にも「イスラミスト・ウォッチ」などの部門を展開している。4月10日にニューヨーク市の会合で(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140510)、担当者が自ら近づいて来られ、名刺を直接いただいた。「あぁ、重要なことをなさっていますよね」と、私もご挨拶しながら、何て男っ気のある方達なんだろう、と感動した。

注意すべき点がある。多種多様な背景を持つ人々が集まって暮らしているアメリカなので、立脚点と到達目標をハッキリと定め、メッセージを単純明快にしないと伝わらない。そして、根が妙に楽天的な傾向にあるお国柄なので、表面に出ている文章は、日本基準では(何だ、大したことないな)と思われるかもしれない。だが、小さな事実を逐一確認して、公表できるような内容に整えるだけでも、実は相当なお金と人材がかかっているのだ。陰ならぬ水面下の地道な努力が察知できるかどうかが鍵だ。下手をすれば、訴訟騒ぎになる可能性もあるが、この点は、辣腕の優秀なユダヤ系弁護士が背後に控えているのかもしれない。今までのところ、パイプス側は全面勝利である。

それに、お仲間学者やお仲間活動家からの日々のメーリングリスト上の情報量の多さと分析の鋭さと勤勉さは、私の知る限り、そんじょそこらの日本ではちょっと見当たらない。だから、下手な反米思想は持たない方が絶対に賢いと思う。

ただし、国の位置づけや文化が異なるので、アメリカ側も、我々がお追従するのではなく、むしろ、日本は日本ならではの役割をしっかり果たして欲しいと願っているはずだ。同盟関係を正確にわきまえつつ、充分に世界情勢を見極めた上で、賢く立ち振る舞うべきだろう。
そのためには、伝統や歴史から自国文化をよく学んで、きちんと考え続けることだ。