ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

どういう指導をしているのか?

昨日、かなり率直に書いたことは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140323)、今月初頭の小さな学会の懇親会で聞いたある深刻な話とも連動する。
初めてお会いした30代ぐらいの女性なのだが、今の若い神学生達が、れっきとしたキリスト教系大学で牧師資格か博士号か何かを取得して教会に赴任しても、鬱病のようになっている事例が目に付くと話してくれたのだった。しかも、「年収が200万から300万円ですって?」(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131103)と尋ねた私に、「いえ、そんなにありません。100万から200万円がそこそこで、だから奥さんが福祉の仕事をしたり、学校の先生をしたりして家計を助けているのです」と。
実はその話は、何年も前のアメリカのキリスト教の論考ジャーナルで読んだ、青山学院かICUと関係していたアメリカ人の具体的な内容と合致し、裏付けは充分にとれると思いながら聞いていた。その論文では、牧師がクレジット・カードで借金まみれになり、夜逃げをして行方不明になる例だとか、引きこもりのような状態の牧師もいるなど、とんでもない話が、詳細なデータ付きで提示されていた。
彼女の場合は、高校が進学校だったらしいが、人生に思うところあって、一時期引きこもりのような時を過ごしたそうで、その経験あってこそ、その鬱病になっている牧師の卵クン達にも叱咤できるのだということだった。「そんな、親に何百万円も出してもらって大学院出ても、世の中を甘く考え過ぎだ。教会のこと何もわかっていないのに、資格(学位)だけでやっていけると思う方が間違っている」と。私から見れば、彼女の言うことなど当たり前過ぎて感心もできない程度なのだが、考えさせられるのは、その深刻さなのだ。
「一体、大学の先生達はどういう指導をされているんですか?」

参考までに、三谷隆正全集からの抜き書きを過去ブログから。
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090916
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090917
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090918
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090919
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090920
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090921

牧師の質の低下問題については、覚え書きを過去ブログから。
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071009
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071028

手に職を持って教会堂を借金ゼロで建て上げた、牧師医院のお話を過去ブログから。
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080210
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100121
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140207

一言付け加えるならば、「私の世代では、女の子は短大に進学した方がよい人生を歩めると言われていて、院に進むなんて独身覚悟だと相当の決心が要ったのに、今の学生さん達は、屈託なく『院行きます』と言うからびっくりしちゃって...」と私が言うと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070730)、即座に上記の彼女が「それは就職できなかったから」と。その自覚があれば、こんなおかしなことにはならないはずなのだが、いかにも理解し難い。
ちなみに私の場合、四年制大学に進んだのは、両親が税金設立の四年制大学の出身で、幼少時より、それが当然だと言われていたからだ。また、院進学も学部の指導教授に勧められたからだった。マレーシア行きも、院の指導教官らが「ここの出身者なら、あそこから海外に出てもらわないと困る」と大学院推薦で押してくださったからだ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091218)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091219)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120425)。しかもそれは、日本政府とマレーシア政府の「架け橋」たるべく、最も良好な時期の政府プロジェクトだったのだ。現地の要請にお応えしたのであり、ひいては日本の国益にも適う、お墨付きの仕事だった。
従って、マレーシアのリサーチを単独で長々と続けているからと言って、「今年の受験生さんですか?」「就職口がなかったから院に行ったんですか?」「まだ夢を追っかけているんですか」「またぁ、今年もぉ、主婦の社会人入学に落ちたんですかぁ?」などと、初対面の若い人から言われる筋合いはないのだ。申し訳ないが、あなたが偉そうに所属しているその大学で、過去に私は教えていたんですよ、教授から依頼されて。あなたはまだ物心つかない歳だったかもしれませんけど。
ここまで書かなければならないほど、今の日本社会は、知的モラルと社会常識が低下しているのだ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091125)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120507)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140315)。