9月25日に書いたハガダ―の子どもの問い方について（http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130925）。
二番目の「賢くない子」が「それはあなたにとってどんな意味があるの？」と尋ね、単純な子が「これはなあに？」と聞いています。
叡智に満ちたユダヤ伝統の教えによれば、単純な子は「質問の仕方さえ知らない」と否定的に判断されています。ところが、日本では「かわいい！」などと、親の方が（多分、親も単純馬鹿）喜んでビデオなんかに撮影して、ホームページで見せびらかしているのではないでしょうか？（だから、蛙の子は蛙（http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130924）....）。ちなみに、今年2月に亡くなった実家の父が、何年も前に電話を突然かけてきて、「おい、見たか、あのホームページ。あの子、駄目だなぁ...。自分の子どもの写真ばかり並べたホームページ作っているぞ」と。「そんなつまらないもの、見ている暇ないし興味ない。だいたい、はじめからわかりきっていたじゃない？ちょっと顔見ればわかるでしょ？」と私。
日本の国力低下は、こんなところに垣間見られます。このままでは、二等国どころか、途上国以下になだれ込むのも時間の問題ではないかと心配。二十年前のマレーシアでは、きちんとした中流家庭はどこも、親が子に対して、口の利き方から振る舞いまで、体罰も含めて非常に厳しかったことを覚えています。
さて、ハガダーの問題は二番目。「それがあなたにとってどんな意味があるの？」ですが、これの日本版が「それがどうしたんですか？」（http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20101125）。
その言い方そのものが、少なくとも年上に向けてのものであれば非常に失礼であるばかりか、無責任で突き放した態度の表れという点で、もってのほか。ところが、そういう発言をしている人は、自分こそが賢いつもりになっているのです。
大学で教えていた頃、私にも経験があります。マレーシアではムスリムと非ムスリムとの関係において、個人や家族でイスラーム法が優先されるために、さまざまな軋轢が生じているという一例を具体的に説明していた時のことです。「西洋のようにイスラームを偏見で見るのはやめて、『正しく』理解しましょう」と、無責任に唱えられていた時期だったからでもありましょう。（注：西洋の方が質量共に、イスラームとの接触経験および膨大な文献資料によって日本を圧倒しているのは言うまでもないことです。）研究者を目指しているという男子院生が、つまらなさそうな顔をして「それがどうしたんですか？」と、拒絶的に発言しました。
この一言で、（世渡りは上手かもしれないけど、たいした研究者にはなれないな）と直感した次第。
ユダヤ伝統は、毎年同じ行事が繰り返されるようですが、大人も子どももそれぞれの成長段階に沿ってハガダーの意味を考え続け、一年かけて実践するのだから、共同体の総体としては相当な開きが出てきそうです。
（追記）つまらない番組が多過ぎるのと時間がないので、クラシック音楽以外、普段テレビをめったに見ない生活をしていますが、一つだけ冒頭の件と兼ねて記したいと思います。
2011年3月11日の東日本大震災の直後に、若くて見た目きれいではあるけれども、頭がいかにも悪そうな、気の利かなそうなお嬢さんタレント風のアナウンサーが「津波の恐れがありますので、絶対に海岸に近づかないでください」と、何度も繰り返していました。なんとこの緊急時に、髪の毛もきれいにカールして、厚化粧して、ふりふりの華やかな洋服を着ていたのです。そういう時には、化粧も控え目に、地味な格好をするのがテレビ業界の常識というものなのに....。（あなたに言われなくたって、こんな状態で海岸に近づく人はいませんよ！）と腹が立って呆れました。
それと同じ路線上にあるのが、NHKの夜のニュース番組。二人ほど、きれいな若い女性キャスターが出てきて、イスラエル非難報道をしている時です。いかにも真剣そのものの表情で（だから、イスラエルは国連決議を守らず、圧倒的な暴力の応酬で困りますよね！）と、正義感に充ち満ちた顔つきで一生懸命喋っています。これを見る度に、「わかっとらん奴ほど威張る」と何年も前に私におっしゃった某教授の言葉を思い出します。
パレスチナやアラブの内部資料をきちんと調べましたか？安穏とした日本で育った（のであろう）あなた方に、そんな顔をする資格があるのですか？もし海外育ちならば、どうしてそこまでピントがずれているのですか？一般国民の目を曇らせ続け、知的水準の低下を招いている点で、相当に罪深いのですが、自覚あります？外国大使館が毎日チェックして、日本のメディア水準と日本人一般の知性のレベル低下を本国に報告しているとするならば、一国民である私が、非常に迷惑です。
