ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

過越祭と復活祭の関係は?

今日は暦の上ではイースターですが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080323)、今年は桜の開花が名古屋と東京では例年よりも早かったように思います。私の住む関西(京都と大阪の中間地帯)では、まだ満開には少しかかりそうです。
明日から早くも4月なので、エイプリル・フールならぬ今日のうちに(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080401)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120401)、先週一週間の濃厚だった日々を簡単に記します。
その前に一言。ダニエル・パイプス先生の立ち上げた中東フォーラム(http://www.danielpipes.org/mef.php)に初めてジャーナル一部を申し込んだところ、3月28日に送られてきたことをお知らせします。自宅をオフィス代わりにして編集者を名乗っていらした頃(http://www.danielpipes.org/12184/)、一生懸命に考えたんだろうと思われるような、簡潔でいかにも実用的なアメリカらしさの漂う冊子。案外に小さいのですが、インターネット上で見るよりも写真やレイアウトが充実していて、毎日、原稿集めや編集作業だけでも忙しいことだろうと思われます。主人に言わせると「アメリカではよくあるタイプの雑誌だよ」とのこと。
なぜ紙媒体を申し込んだかと言うと、2004年2月のインタビューでは、「私は紙媒体の方が好きなので続けたい」とおっしゃっていたのに、これも時代の流れなのか、結局は、来年の2014年からインターネットのみの編集に切り替えることになったとのお知らせをいただいたからです。
本当は、パイプス先生のサインでもいただきたかったのですが、そういう余計なことがお好きではないのか、会ったこともない異国人には警戒されているのか、単に編集担当の人が気を回さなかったのか、こちらが頼まなかったことは何もされないままでした。
ツィッターからの転写をここで。

https://twitter.com/ituna4011

1.  Lily2‏@ituna40111h
哲学史序論―哲学と哲学史』(岩波文庫 青 629-8) ヘーゲル(著)武市健人(訳)(http://www.amazon.co.jp/dp/4003362985/ref=cm_sw_r_tw_dp_4O.vrb15DCB3H …)が3月28日に届きました。


2.  Lily2‏@ituna40111h
"Oriana Fallaci: I'll Die Standing on My Feet" (Libro verita) by Riccardo Nencini (http://www.amazon.com/dp/885960480X/ref=cm_sw_r_tw_dp_HN.vrb1AFGPC3 …) arrived here on 28 March 2013.

これは本日付のものです。ヘーゲルに関しては、やっと代表作を読みたいと思えるような機が訪れました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130308)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130311)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130323)。故オリアナ・ファラチさんに関しては(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130122)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130208)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130308)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130319)、インタビューの本を大方読み終わりましたが、彼女の死の直前に触れたジャーナリストが記した著述が上記の小さな本です。やっぱり彼女は毅然としていて格好いいし、チャーミングでかわいい女性だったと思います。パイプス先生好みのタイプでしょうか。

そして、パイプス先生のツィッターを見たら、普段はご自分の執筆文や出演された番組のアドレスしかないのに、この頃は、どこからか楽しげな視点を持ち込んでいるようです。

https://twitter.com/DanielPipes

Daniel Pipes‏@DanielPipes 30 Mar

Fun: Israel Hayom's Passover take off on Al-Ahram logo. Compare http://www.israelhayom.com/site/images/logo_pesach_en_3.png … and http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/9/9f/Al-Ahram_Weekly_logo.jpg

自分で確認してみると、確かに過越祭の一週間、ユダヤ教徒が食べる種なしパン(マッツァ)の形に似ているんです。イスラエルの新聞とエジプトの新聞が...。しかし、よくおもしろいことに気づかれますねぇ、パイピシュ先生!
ご存じのこととは思いますが、聖書によりますと、エジプトで奴隷だったイスラエルの民が解放されたことを記念し、先祖の労苦を思い起こすと同時に、自由の喜びをお祝いするという儀式が過越祭ですが、これがあってこそ、イエスの最後の晩餐と十字架刑およびイエスに付き従った女達や弟子達による三日後の復活の出来事(イースター)が意味を持つわけです。ただし、後半はパウロによって展開されたキリスト教の系譜につながるものであって、現在のクリスチャンがユダヤ教徒にペサハ(過越祭)のご挨拶を送ったとしても、ユダヤ教徒がクリスチャンに復活祭の挨拶を送るかとなると、これは大変に微妙な点だろうと思われます。
ともかく、キリスト教にも造詣が深いユダヤ教徒のパイプス先生のツィッターの意味。恐らくはピラミッドを三つ並べたのであろうエジプト新聞のロゴが、過越祭の一週間だからというので、パイピシュ先生にはマッツァに見えてしまったという...。実に意義深いと思います。

この続きはまた後で書ければと思います。取り急ぎ、この時機にふさわしく、主人が買ってきた一般向けの本で、日本ユダヤ教団のラビだったM・トケイヤー(著)加瀬英明(訳)『ユダヤ5000年の知恵ー聖典タルムード発想の秘密』(講談社)(1993/2011年)の他に、私なら以下の本をお勧めします(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080329)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120729)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130311)。
河合一充(編著)『ユダヤ人イエスの福音ーヘブライ的背景から読むミルトス2012年7月
Rabbi Samuel Sandmel, "A Jewish Understanding of the New Testament", Jewish Lights Publishing, 1965/1974/2010.