ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

知ったかぶりではなく

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6 Jun Lily2‏@ituna4011
イスラエル全史 下』 マーティン・ギルバート(著)千本健一郎(訳) (http://www.amazon.co.jp/dp/4022504951/ref=cm_sw_r_tw_dp_Dp1Zpb06A8WJC)が、先程届きました。


20h Lily2‏@ituna4011
下記の本を読みかけたが、日本国内のメディアのイスラエル観とは、さすがにかなり異なっている。記述にバランスがとれている。それに、パイプス先生のおかげで、一文一文が実感を持って読める。ギルバート氏は、確か‘Sir‘の称号を有し、イスラエルで「シオンの守護者」賞を受けられているはず。


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この「シオンの守護者」賞は、ダニエル・パイプス先生も2006年に受賞されている。ご自身では、ギルバート氏も含めた先達の受賞者の傾向と自分のやってきたことが異なるので、受賞そのものを期待もしていなかった、と述べていた。時の政権や時勢との兼ね合いもあるのだろうが、おめでたいこと。


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そして、だからこそ日本が「ガラパゴス国家」だという揶揄も、あながち間違いではない、と再確認した次第。幾つかの大学から名誉博士号を授与され、イスラエル国家からも受賞されているのに、日本の中東研究者の一部や日本語ブロガーが、本当に不正確で失礼なことを書き綴ってきたのだ。


20h Lily2‏@ituna4011
訳文提出が多少遅れようとも、自分のブログに、パイプス先生のことをいろいろと書き綴ってきたのも、ネット検索の恐ろしさを知ってもいるから。忙しい人は「あ、そういう怖い人なのか」みたいに、勝手に想像してレッテル付けをしてしまうだろうから。大げさに宣伝するというのでなく、是正したかった。

というわけで、この5ヶ月間、ずいぶん私の時間の使い方、エネルギーの向け方が変わってきました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120531)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120604)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120606)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120607)。
主人に言わせると、「多分、パイプス氏と気質が合っているんだろう。いつか、スカイプでお話ししなさい」との由。どうでしょうねぇ、お邪魔したくないので、もしコンタクトを続けたいならば、せっせと訳文を作って提出し続けることでしょう。
昨日も、一ヶ月前に下訳だけはしておいたものを1本、二回見直して提出したところ、「ちっとも遅れてないよ。歓迎だよ」と、優しいお返事。そして、最新の日本語グーグルの検索結果もお送りすると、「日本語での僕のプレゼンスが全く変わってきたね。すごいことだね」と肯定的な反応(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)。
お名前だけは2007年3月から存じ上げてはいたものの、このように急速にお近づきにさせていただいて、光栄の至りであるのはもちろんのこと、恐縮と同時に戸惑いもかなりあったことは事実。それに、多言語翻訳の件でも(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120606)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120607)、ご多忙の中、質問してもいいのかどうか、迷いはありました。でも、「ユダヤ教では問いこそが大事だと奨励されている」という言葉を支えに(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090210)、思い切って尋ねてみたのです。確かに、即座にお返事をいただき、(やはり、ウェブで臆測しているだけではダメで、本当のところは、ご本人に直接お聞きしなければわからない)と思った次第。

上記の本を、今朝も読んでいましたが、結局のところ、国造りにかける必死な努力は、我々の意識とは根本的に異なって、相当なもの。国民一人一人が常に目覚めていて、何時何が発生しても、何とか自分達で対処できるよう、万全の態勢を整えておく。いくら米国とイスラエルが強い絆で結ばれているように見えても、いつまでもアメリカに頼らないで、自力で安定と繁栄の国を造り上げることで、中東地域の豊かさに貢献していこう、という思いが貫かれています。
そして、左派だとか右派だとか、強硬派、過激派などと知ったかぶりで第三者が分類してみたところで、労働党やカディーマ党やリクード党にしてみても、同じ目標に達するまでの手法や方法論や一つ一つの出来事に対する解釈が異なるのであって、激しく口論しているようであっても、同胞感覚は根底で深く結ばれているように、私は感じています。
比較対象として、2012年5月21日付のツィッターからもう一点、転載いたします。

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Lily2‏@ituna4011


イスラエルユダヤパワーの源泉』(新潮新書) 三井 美奈(著) (http://www.amazon.co.jp/dp/4106103834/ref=cm_sw_r_tw_dp_nhJUpb0Q8TZ31)も、昨日、大阪梅田で購入。早速、気になるページは読み上げた。ダニエル・パイプス氏と知り合って以来、この種の本が、一つの「日本向け参考書」として読めるようになった。

一橋大卒で読売新聞記者の筆者は、私と同じ世代に属する女性。恐らくは、大変に優秀で知的で体力抜群の方なのだろうと思われます。ただ、この本は、いかにも日本向けだな、と感じさせられるのです。読後感は、(果たしてそうか?)というもの(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110830)。例えば...

・「イスラエルが好き」と公言するのは少々、勇気がいる。世界各国で、「嫌われ者」の筆頭にあげられる国といっていい。(p.3)


・嫌われるのも、無理はない。相次ぐ国連決議を無視して四十年以上、パレスチナを占領支配している。敵と見れば、容赦なく攻撃する。(p.3)


・私は2009年5月まで三年間、エルサレム特派員としてイスラエルを見てきた。やり過ぎとも言える攻撃に、何度も怒りを感じた。日常生活では、徹底した危機管理にストレスの連続だった。スーパーや銀行に入るにも、荷物をまさぐられる。理由を告げられないまま、空港で五時間拘束されたこともある。不条理は、「治安のため」の一言で片づけられる。(pp.3-4)


・不信の背景には、ユダヤ人の苦難の歴史がある。約二千年前、ローマ帝国に国を滅ぼされて放浪の民となり、絶えず虐殺や迫害にさらされてきた。ホロコーストで六百万のユダヤ人が虐殺された時、国際社会は沈黙し、手を差し伸べようとしなかった。「だれも頼れない」という意識は骨の髄まで染みついている。国連信仰の強い日本とは、全く異なる。(pp.4-5)


・日本は石油輸入量の九割を中東に依存しており、中東外交といえば長らく産油国アラブとの関係作りだった。中東専門家の多くはアラビストであり、「国なき民」パレスチナ人への共感も強く、紛争はアラブ側の視点から論じられることが多かった。ただ、現実には中東和平プロセスとは、占領を続けるイスラエルをどう動かすかという問題である。同国がカギを握るといっていい。(p.6)


・それもつかの間で、三か月後に渡米して空港に降りた時、再びイスラエルに戻ったような錯覚に陥った。
「荷詰めはだれがやったのか」「途中でだれかから、荷物を預からなかったか」
空港警備員からのしつこい質問は、イスラエルの空港で繰り返された質問と全く同じだった。入国審査で長い列を作り、自分の番が来ると、否応なく顔写真を撮られるのも、そっくり同じだ。(p.200)


イスラエルの厳しい危機管理は、揶揄の対象となってきた。(p.200)

これらの箇所を入力しながら、再び「果たしてそうだろうか?」というのが、私の実感。正直な感覚としては、(そこまでしなければならない状況で精一杯生きざるを得ない人々は、どんな深い悲しみを心の奥底に秘めているのだろう?)というもの。そして、(何か理由があるに違いない。よく調べて、勉強してみなければわからないことだろう)とも思います。
ジャーナリストは超多忙だから、悠長な空港での検査時間が惜しいというのも理解できますし、批判精神が旺盛でなければならないというプロフェッショナルの前提もあるのでしょう。しかし、揶揄されようが何だろうが、まずは警備がしっかりしていて安全が確保されていることが、最優先じゃありませんか。そのための協力ならば、いくらでも私はしたいと願うものです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080214)。

というのも、子どもの頃から、知らずと惹かれていたクラシックの演奏家や学者や作家が、実はほとんどユダヤ系だったと後で判明したことが多く、しかも、2007年3月のイスラエル旅行の際も、初対面なのに、とても親しく話しかけてくださったユダヤイスラエル人のおじさんやおばさん(皆、品のよさそうな人達)のことを思い出しても、何だか、印象として、つじつまが合わないからです。事実としてそうだとすれば、ますますのこと、何か理由があってのことだろうと思わされるのです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070725)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070727)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080323)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080409)。
少なくとも、ヒロシマナガサキという悲惨な被害を受けた日本ではあっても、歴史を振り返れば、天災や自然災害を除けば、総じて幸運に恵まれた国だったと思います。だから、ユダヤ系といっても、さまざまな立場や考えや人柄があるのは当然のこととしても、生きる構えそのものが違うのだから、自分達の感覚だけで、相手を判断した気になる態度そのものが、いかに傲慢でおこがましいかのみならず、危険でもあるかと、つくづく痛感させられるのです。
ダニエル・パイプス先生が、あれほど強く激しいと思われるような見解を繰り返し表明されていることに関しても、最初から私は、(何か理由があってのことだろう)と思い、先生の意見そのものについては、議論する気になったことがありません。さらに、ホロコーストをギリギリ逃れて米国に辿り着いて、新たな人生を築かれたお父様の自叙伝を読むと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120506)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120507)、第一子のダニエル先生が生まれた時、お父様がどのような感慨を抱かれ、ダニエル先生がどのような育ち方をされたかの片鱗がうかがえ、非常に胸を打たれます。
そして、最近の、日本の翻訳権法をご存じなかったために、国会図書館や出版社に許可を申し出る必要があると知った時の、当初の強い拒絶反応(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120405)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120407)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120519)や、ウェブサイト転載許可を与えられた直後に(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120604)、「あの人達に批判されないよう、希望するよ」みたいな防衛意識が出てくると、私としては、とても責める気になれません。これまでの人生で、相当、深く傷つくことがあり、恐らくは哀しみや怒りを秘めていらっしゃるんだろうなぁと思うからです。
だからこそ、上述の三井美奈氏が、次のように書き添えているのは、一種の形容矛盾のような、皮肉な印象を与えるのです。

・日本の外交・安保は日米同盟を基盤とする。だが、最重要パートナーと頼む米国は、日本が見ていない中東を見て、矛盾に満ちた現実にどっぷりつかっている。日本はそれに目を向けず、自分が見たいものしか見ていない。米国からどんどん取り残されるばかりか、国益は大きく損なわれていくだろう。(p.199)

後注:「シオンの守護者」賞については、次をご覧ください。
http://www.jerusalem-studies.com/site/detail/detail/detailDetail.asp?detail_id=1311426
ダニエル・パイプス先生の受賞は、ここにあります。
http://www.jerusalem-studies.com/110232/guardian-of-zion-2006