ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

シンガポールの祈り

昨日、日本聖書協会から届いたニュースレターを読んでいたら、シンガポール聖書協会の総主事Lim K.Tham先生ご夫妻が気仙沼陸前高田市を視察されたご様子が記事になっているのを見出しました。1月20日の雪が降りしきる寒い日のことでしたが、時折、被災地の光景に言葉を失いつつも、精力的に回られ、復興のために切に祈ってくださったとのことです(「Lim K.Tham先生」については、「ユーリの部屋」の断章を参照(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070713)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070807)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080307)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080320)。「シンガポール聖書協会」については、(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070709)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070710)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070928)を参照のこと)。
シンガポール聖書協会からは、この度の震災のため、約200万円以上もの献金が寄せられたそうです。本当にありがとうございます。
実は、この震災地視察の直前、以前にも東京とシンガポールでお目にかかっているリム先生からのメールで、「日本聖書協会の招待を受けて、あと数時間で日本に向けて出発するのだけれど、東京かどこかで、ちょっと会えたらいいですね」というお誘いを受けていました。ただ、日本聖書協会のスタッフや先生方にご迷惑がかかってはいけないと思い、せっかくですが、遠慮することにしました。
この東北訪問の予定は、ブリズベーンのスシロ先生にもご連絡が入っていたようで、前後して、「彼が日本に行くことは、聞いて知っているよ」と、お返事が来ました。
このように、かつては東南アジアを支配し、特に華人住民の人々を大量虐殺していた日本に対する怨恨のような怒りが広がっていた人々の間にも、戦後の日本の努力を、それなりに肯定的に受け留めてくださる方々が少しずつ増えたというのは、本当に感謝すべきことだと思います。もちろん、慢心や安住は禁物で、常に自己反省を怠らず、我々の社会動向を批判的に検討しつつも、先方の国々に対する理解を継続して進めていくというプロセスは、決してないがしろにされるべきではないでしょう。
しかし、このような関係が築けるのも、単に人間的な好意のみならず、基盤に聖書があってのことです。ですから、本当に感謝すべきは、聖書を記し、我々の言葉に翻訳してくださった先人なのです。
リム先生に、会報紙上で先生ご夫妻の記事を拝読した旨をメールでご連絡したところ、早速、お返事が届きました。以下は、拙訳です。
「自分達のことが会報で報道されたなんて、知りませんでした。知らせてくれてありがとう。この度の東北訪問により、日本人に対する敬意が深まり、日本に対する愛がより増しました。この美しい国の他の地方を、再度訪問したいと願っています。」
簡潔ながらも、大変、実直なお言葉だと、感謝してお受けいたしました。
シンガポールの日本軍による華人大量虐殺のことが、どのようにシンガポールやマレーシアの学校で教えられているかを知っている者にとって(参照:(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100313)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100815)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110516)、これほどの言葉はないと思うのです。もちろん、以前にも書いたように、シンガポールの驚異的な発展により、日本を超えた分野もあるという自信が、一種の心理的な余裕をもたらし、そのような発言に結びついているのだという側面は否めないでしょう(参照:(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091017)。でも、シンガポールを訪れる度に、日本人である私に対して、こんなに温かく親切にもてなしてくださるなんて、なんて、あの戦争は愚かな選択と恐ろしい禍根を残したことか、痛切に迫ってくるものがあります。
その一環として、例えば、シンガポールのキースベリー師の宣教活動に関する私のささやかな研究発表のエネルギー源は、まさにそこにあったのです(「キースベリー師」については、「ユーリの部屋」の次の項目を参照:(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100408)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110920)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111013)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111026))。だから、このような学会発表で、「細かいことをわざわざ調べて名を挙げようとしているの?」「人の知らないことを発表して注目されたいの?」「ほめられたいわけ?」とか、以前、誰かから示唆されたようなわけのわからない指摘が全くずれていることは、ここで再度、強調させていただきたいと思うのです。(←後注:結局、自分がそうだから、他人もそうしているのだと思うわけですよね?)
シンガポールにまつわる私のささやかな経験にご興味があれば、どうぞ過去の「ユーリの部屋」をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080329)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080806)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080811)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080906)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080910)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091106