ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ヨルダンの情勢

しばらくお休みしていました。こまごました雑感は、ツィッターhttp://twitter.com/itunalily65)にパネルをつなげるように書いております。もしよろしければ、そちらをご覧ください。
また、2011年11月12日に西宮で開催された、アシュケナージ率いるシドニー交響楽団ソリストを務めた庄司紗矢香さんの演奏会に関しては(参照:2011年10月18日付「ユーリの部屋」(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111018))、後日書く予定ですので、しばらくお待ちください。
それ以前に、緊急だと思われるニュースを複写引用させていただきます。久しぶりに「メムリ」(http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=IA74911)からです。

調査および分析シリーズ
Inquiry and Analysis Series No 749 Nov/10/2011

「ヨルダンにおける反イスラエルや対イスラエル脅迫発言の深刻化」


H.ヴァルルカー(MEMRIの研究員)


序文


国王アブダッラー2世(King ‘Abdallah II)を含めたヨルダンの高官たちによる反イスラエル発言が、ここ数週間でイスラエルへの軍事進攻を持ち出すところまで激しくなっている。これはイスラエルの高官がヨルダンをパレスチナ人の母国と述べたことへの反撃である。[1]  緊張をさらに高めたのは、9月にウィキリークスに掲載された記録文書である。それは、ヨルダンがパレスチナ難民を自国に受け入れること、そして約束の賠償金の支払いに関しアメリカとやり取りをしていたことを明らかにした。[2]  ヨルダンにおいては、同国をパレスチナの「代替」母国にするという考え方は、非常に神経質になる問題であり、少数派を代表するハーシム家政権にとって深刻な悩みの種である。


イスラエル側からの発言に対し、ヨルダン王が急ぎイスラエルと「代替母国」案を攻撃した。そして「ヨルダンはヨルダンで、パレスチナパレスチナ」であるので「ヨルダンは誰の代替母国にもならない」との見解を鮮明にしている。さらにはそうした考え方が実現されるのを防ぐためには軍を用いることも躊躇しないとまで付けくわえた。[3]  ヨルダンの前情報大臣で現在は上院議員であるカラブ(Saleh Al-Qallab)もヨルダン・テレビとのインタビューで同じような趣旨から、もしイスラエルが「代替母国」案を施行しようとしたらヨルダンは戦うと述べた。[4]  緊張の高まりはヨルダンのメディアに掲載された仮借のない反イスラエル記事でも明らかであった。そうした記事では、軍事行動の可能性、そしてイスラエルとの平和合意を反故にすることが論じられ、一部の記事はイスラエルの存続は一時的であるとまで書いている。


「代替母国」案に対するヨルダンの激しい反論は、同王国が現在情勢不安であることにも一部原因がありそうである。情勢不安は、ムスリム同胞団や国民の間に広がった反体制運動などを含めた改革を求めてデモを繰り広げるさまざまな動きと政権の間の緊張が原因である。ヨルダン政権は、アラブ世界で吹きかう体制反対運動がヨルダンにも及ぶことをおそれている。物事が微妙なこの時期に「代替母国」案のようなデリケートな問題は明らかに波乱を起こす。


イスラエルとヨルダンの関係悪化は、イスラエルのトルコおよびエジプトとの関係悪化が直接的な原因と見られる。カイロのイスラエル大使館への暴動はヨルダンでは歓迎され、一部の人々はイスラエルとヨルダンの関係悪化を歓迎している。[5]
過去数カ月間にわたりヨルダンのマスコミ、特にAl-Dustour紙がイスラエルを攻撃する記事を掲載していることは注目に値する。記事の中には次のようなものがある。「イスラエルとの対立は領土問題ではなく存続問題をめぐってである。」「シオニスト存在体は大量殺戮的な性質があり、アラブ国全てを脅かすものである。」[6] 「占領しているギャングたちは、エルサレムワルシャワのゲットーのようにユダヤゲットーにするために、エルサレムユダヤ化しようとしている。」[7]  記事は、イスラエル人を「預言者たちの殺害者」や「ネオナチ」[8] とし、イスラエルとの軍事的対決を検討するよう述べている。[9]  こうした記事の大多数はAl-Dustour紙に掲載されたものであり、一般のヨルダンのメディアの論調を表すものではない。


I.イスラエルとの軍事的対決という脅迫


先に述べたごとく、「パレスチナ人の代替母国」という話題を発端に王が軍事行動という脅しをかけたが、メディアでも軍事オプションは論じられている。


アブダッラー2世国王曰く:ヨルダンとパレスチナ人はイスラエルより強い。


9月11日の博識者や学者との会談でアブダッラー2世国王は次のように述べている。「代替母国は、弱腰の人間の頭の中のみに存在する。いわば「ヨルダン・オプション」はヨルダンの語彙のなかには含まれない。この件に関する全ての会話は政治的欺きであり、実現性のない夢物語である。ヨルダンはヨルダンであり、パレスチナパレスチナである。我々はパレスチナ人がパレスチナ国家を樹立する権利を支持する。我々の政治的立場を変えたことはなく、将来変えることもない。代替母国は、協議に含むことすらしてはならない。この問題を協議することすらしてはならない。ヨルダンと(未来の)パレスチナ国家の将来はイスラエルより強い。そして現在恐れおののいているのはイスラエルである。


アメリカのいかなる高官――クリントンであろうとブッシュであろうと、そしてオバマであろうとも――あるいはそれ以外の人物でもが、ヨルダンの国益を犠牲にしてまでパレスチナ問題を解決するようヨルダンに圧力を加えたことはないことを皆に伝える。安心せよ。ヨルダンは誰の代替母国にもならないと改めて約束をする。我々が何もしないうちにヨルダンが誰か他の人々の代替母国になるということはあるだろうか。ヨルダンには軍隊がある。そして母国の国土のためとヨルダンの将来のために戦う覚悟がある。我々は、確固とした発言をし、誰もそのような考えを持つことを許しはしないことをはっきりと述べなくてはならない。ヨルダンは自国の権利とパレスチナ国土にエルサレムを首都とした独立パレスチナ国家が樹立されることを保障する永久的な枠組みの設置、そして帰還と賠償の権利の施行というヴィジョンを護る。」[10]


ヨルダン高官:我々はイスラエルと戦い、打ち負かす


ヨルダンの上院議員で前情報大臣のカラブは、通常は穏健であることで知られるが、例外的に激しい非難をしている。同氏は少し前は、イスラエルとヨルダンの平和合意は「たくさんの良い点がある」とのべ市民の圧力を理由に破棄すべきでない、と述べていたが、[11]  この度のテレビのインタビューで、もしイスラエルが、パレスチナ難民のためにヨルダンに代替母国を設置しようとしたら、ヨルダン王国イスラエルと戦い、打ち負かすと述べている。「アッラーの神に誓って言う。イスラエルに対しこれまでだれも見たことのないような戦いを挑む。もしイスラエルが、代替母国を検討でもするようなことがあれば、ヨルダンの国民は全ての力を振り絞り、これまでイスラエルの人々が経験したことのないような戦闘を挑む。ヨルダン人はイスラエルの事業や計画を全て葬り去る。」[12]


カラブはロンドンで発行される日刊紙、Al-Sharq Al-Awsatに掲載された記事にイスラエルに考え方を変えるように求めている。そしてアラブの春や、アラブ政権の没落、トルコが中東地域における一大勢力となったこと、またアメリカが世界唯一のスーパー・パワーの座から衰退したことなど、中東や世界で最近多くの変化があったことを認識するよう勧めている。そうした変化を無視することがいかに危険かと忠告している。「もしイスラエルがこうした事実を理解せず、平和交渉に対し現実的な姿勢で臨まないのであれば、暗闇より暗い未来が待ち受けている。もしイスラエルのネタニヤフ(Benjamin Natanyahu)首相がイスラエルを彼らが長い歴史上経験してきたような大惨事から救いたいのであれば、こうした出来事や地域に新たな時代が訪れたという状況を受け入れなくてはならない。そして東エルサレムを含め1967年6月4日時点の境界を持つパレスチナ国家を認めなくてはならない。」[13]


Al-Dustour紙掲載記事:イスラエルは大規模な軍事衝突を組織する


日刊紙Al-Dustourのコラムニストであるティア(Maher Abu Tir)は、「ヨルダンはイスラエルとの戦争を予測しているか」という冷酷な反イスラエル記事を掲載した。ティアは、イスラエルが両国間の軍事的緊張を高める計画であるという情報をヨルダンが得ていると書いている。そして現在の緊張状態は「さまざまな方法でヨルダンを脅かしているイスラエルの脅迫」が原因としている。


ティアは、「世界のいかなる指導者であろうとも、軍事作戦をとる意図なくして軍事力を使用するという脅迫を用いるものではない」と述べ、イスラエルに対し軍事力を用いるというアブダッラー王の「前例のない脅迫」は、国内向けの発言であるという考え方を否定している。「ヨルダンが有する情報によれば、イスラエルは例えば国境での何かしらの出来事をでっち上げ、それが軍事的反撃に結び付き、さらには衝突が広まる、というようなシナリオを計画している。そうして戦いの煙や銃撃の中で状況を書き変えようとしている。ヨルダン人は、イスラエルは武力により新たな状況を押し付けようとしており、テル・アビブの指導者たちは、ヨルダンという札をきるときに来ていると決意したと感じている。もし戦争が勃発すれば ――神よ許したまえ―― 地域を揺るがすばかりでなく、地域の地図を完全に塗り替えることになる。」[14]


Al-Dustour紙掲載記事:イスラエルがかかわった地域紛争が起きる可能性は高い


Al-Dustour紙のコラムニストであるカンディール(Khalil Qandil)はイスラエルとの軍事衝突が近いという記事を掲載している。イスラエルとアラブ世界の間で戦争がおこる可能性は「非常に高く」、それは非常に「破壊的」で「地域に新たな現実をもたらす」。カンディールは、最近エジプトの首相がキャンプ・デービッドの合意は神聖なものではないとのべたこと、そして在カイロ・イスラエル大使館への攻撃に注目し、エジプトが戦争という選択を検討する可能性は高いと述べている。シリアに関しては、「アサド政権は非常に苦しい状況にあり、そこから逃れるには、ヒズボラやイランと協力し、イスラエルに対し軍事行動を起こすという突拍子もない行動しかない」と述べている。そして「代替母国」に関するイスラエルの挑発的な発言のために、「ヨルダン政府はいかなる挑戦を受けて立つかを真剣に考え出している」と記している。そして「こうした情勢にさらにほとんど全てのアラブ国で巻き起こっているアラブの春革命を加味すれば、戦争を防ぐ手段はない」と結論づけている。[15]


ヨルダンのムスリム同胞団の政治組織であるイスラム行動戦線(Islamic Action Front)の政治部部長イルシド(Zaki Bani Irshid)は、イスラエルとの平和条約を破棄し、軍事行動を選択するよう述べている。そのためにヨルダンは軍の武装を強化し、衝突のための訓練や準備を行わなくてはならないとしている。[16]


II.ヨルダンとイスラエルの平和条約を破棄するという脅し


政府の日刊紙であるAl-Rajの編集委員による記事やその他のヨルダンメディアに掲載された記事は、もしイスラエルパレスチナ人に対する現在のような政策、そしてヨルダンに対する挑発を続ければ、両国間の外交関係を破壊するかもしれないと書いている。


政府日刊紙Al-Raj編集委員イスラエルとの関係は重荷になった


政府日刊紙Al-Rajの編集委員であるマーイタ(Samih Al-Ma’aita)は、9月24日の記事でイスラエルのアラブ世界との平和条約が危険にさらされていることを示唆した。「王が9月に訪米した際の外交活動は、一つのメッセージを伝えている。それは、イスラエルとの公式な関係を維持してきている国にとって、それが重荷になってきている、というものである。この関係を破棄するよう市民からの圧力がかかっており、イスラエルの現在の政策と照らし合わせるとイスラエルとのいかなる関係でもそれを維持する価値があるか疑問である。関係は誰にも恩恵をもたらさない。平和や交渉を願う人々の間ですら、関係に対する疑問がわきおこっている。


「国同士の関係は、愛情や憎しみに基づくものではなく、国益に基づくものである。人々はイスラエルを敵、そして圧制者とみなしている。イスラエルがこの地域で居場所をみつけ、平和を愛する国として受け入れてもらうためには、アラブ諸国との関係を維持することにともなう代償を払わなくてはならないが、それはパレスチナ人にその権利を与えるということである。イスラエルは、我々が何とか許容する方法を探らなくてはならない姉妹国ではない。アラブの権利を認めて初めてイスラエルを拒む理由が消えるというものである。


イスラエルに対するメッセージはあきらかである。公式であろうと民間レベルであろうとイスラエルとアラブ世界の関係継続の条件は、アラブの権利を実現することである。もしイスラエルが、パレスチナの地に独立国家を建設することを筆頭にパレスチナ人の基本的権利から目をそむけ、いつまでも問題解決を避け、知らんふりをし、ヨルダンをメディアや外交ルートを通じで挑発し続けるようであれば、交渉を信じる者もそうでない者も全ての人々がイスラエルとの関係は誰の役にも立たないというだろう。[17]


イスラエルは、現政策を遂行すれば、エジプトやヨルダンそしてPLO(パレスチナ解放機構)との合意や条約をふくめ、これまで蓄積してきた外交成果を全て失うことになることを理解すべきである。イスラエルと公式な関係を維持している国は、国民からの圧力に苦しむ必要はない。イスラエルこそがアラブやパレスチナ人の権利を尊重することで代償をはらうべきである。ヨルダンや国際社会からのイスラエルへのメッセージは、今の状況は継続不可能、ということである。」[18]


Al-Dustour紙掲載記事:アラブ諸国パレスチナ暫定政府はイスラエルとの合意を破棄しなくてはならない。


Al-Dustour紙の常任コラムニストであるハッサン(Rashid Hassan)は、イスラエルを「ナチスが彼らにやったことの完全な写しである」とし、「イスラエルの居住地の穴のなかでシューシューと音を出している蛇は我々を恐れさせることはない。それどころか逆に掠奪者である敵は苦しい立場に追い込められていることを表している。だからこそ姉妹国家であるアラブ諸国パレスチナ暫定政府は、パレスチナ人の合法的で歴史的権利を主張し、このイスラエルという伝染病を隔離するために、敵とのあらゆる合意や条約を凍結させ、正常化への道を遮断し、アラブのボイコットを再現ししなくてはならない。[19]


III.イスラエルの「暫定的性質」と避けがたい衰退


ヨルダンのメディアは、軍事的選択しを復活し、イスラエルとの外交関係を断ち切ることに加え、イスラエルが「暫定的存続」で、イスラエルのこの世界からの消滅が避けがたいことを述べている。


政府日刊紙Al-Raj編集委員イスラエルはつかのまの存在


Al-Rajの編集員マーイタは、ヨルダンはパレスチナの代替母国というイスラエルの発言を厳しく批判し、次のように付けくわえている。「イスラエルのメディアが暴露する毒は深い真実を表している。つまりイスラエルは恐怖と不安の上に建設された暫定的な存在で、世界中の武器を所有しても、全てのアラブ諸国と平和条約を締結しても、決して安全が保障されることはないということだ。それは、問題がイスラエルの枠組みとシオニズムの教義にのっとった精神的構造にあるからだ。


この暫定的存在は、侵攻の上に成り立っているので、安全を得ることはなく、いつまでも存続する可能性はない、つかの間の、永久的でない存在でしかないということを知るべきだ。全てのアラブとムスリムが交渉のテーブルに付き条約に調印したとしても、イスラエルは自然に存命できる存在とはなりえない。なぜならば、イスラエルの欠陥は、その構造や立場、そして世界との関わり方にあるからだ。これは一時的な存在で、その傲慢さが滅亡にいたる。そこにいたる原因や要因は、その構造に埋め込まれている。ヨルダン人とパレスチナ人に関しては、彼らはパレスチナの本来の所有者であり、イスラエルに代る合法的且つ真実の存在である。イスラエルと称する地域はパレスチナ人の郷土であり、本来の母国である。現状は一時的で永久的なものではない。パレスチナ国家はもうすぐ生まれる。しかしそれはヨルダンの地の上ではない。それはパレスチナの地の上に建設され、一時的な存在にとって代わることになる。[20]


Al-Dustour紙編集委員イスラエルは癌であり根絶しなくてはならない


Al-Dustour紙の編集委員、タール(Muhammad Hassan Al-Tal)は、イスラエルのニュース・ウェブサイトYnetに2011年9月11日に掲載されたミスガブ(Dr Haim Misgav)の「ヨルダンはパレスチナ国家」という記事に対し激しい非難記事を書いている。[21]  最近ヨルダン王が対イスラエル紛争の先頭に立っており、イスラエルは、王の厳しい非難は国際社会に多大な影響を与えることを理解している。だからこそヨルダンを攻撃している、とタールは記している。また次のようにも書いている。


「全てのアラブ人やムスリムのように我々もシオニストの存在を国家の中心にある癌のようにみなしており、世界の大多数がその存在を長年支持してきたにもかかわらず、それは根絶しなくてはならないと考えている。まるで限界を知らないイスラエルの頑固さや過激主義のために、シオニスト国家への支持は、減退している。


イスラエルの指導者や思想家はヨルダンを雑多な部族や難民の集団とみなしている。我々はイスラエルを、世界規模の陰謀の一部としてこの地にやってきて、殺人や強盗そして他人の権利を奪うことに専念する存在を築いた強盗や殺害者のギャングとみなしている。


シオニストであるミスガブの筆によって書かれたものは、他を認めず、他とは殺害や裏切りという形でのみかかわる、ユダヤ人の思考の真実を表している。自由を愛する人々で、安全の中で暮らしたい、というユダヤ人の主張の全ては、いまや世界中にさらされた嘘のかたまりで、欺きでしかない。イスラエルは、世界にとって重要な地域の安全をおもちゃにしているため、世界平和への脅威となった。もし指導者たちの気違い的な姿勢が続き、それを前に他が沈黙を守れば、世界中がその責任を負うことになる。」[22]


ムスリム同胞団関係のウェブサイト:我々はイスラエルを地上から消す


ムスリム同胞団の系列であるAlbosala.netに記事を掲載するハティーブ(Salem Al-Khatib)は、オバマ米大統領向けに「Yes。大統領。我々はイスラエルを地上から消す!」と題する記事を掲載した。

「我々が一度も承認したことのないイスラエルを大統領たちの先祖が書いた地図上から消す。Yes。我々はお前らが我々の地の真ん中にまるで癌のように植え付け、殺人を犯し、お前らの名を汚しているイスラエルという醜い存在は絶対に消滅すると我々の子供たちが信じるように教育する。


「大統領よ、アラブ諸国は圧政や暴君に対し立ち上がった。そしてそれを担ってきた者どもを排除した。この試みは続き、これまで課されてきたすべての間違いが根絶されるまで止むことはない。そして間違いの中で最も深刻なものは、お前らが、我々の真ん中に建設したイスラエルという忌まわしい存在である。


「地域の力の均衡は、抑圧されてきた人々に有利な方にすでに傾いた。そしてこれから驚くようなさまざまなことが起きるだろう。原住民を根絶させて築かれた抑圧の国アメリカ。そのアメリカはイスラエルという、他の人々の母国を奪った暴君的政権を支持し護るが、イスラエルは間違いなく消滅させられる。この国の絶滅は間違いなく近い。それをもたらす人々がすでに地平線に見えている。歴史を良く学び、文明がいかに滅んだか理解せよ。Yes、大統領よ。我々は、イスラエルを、そして圧政や暴君の政権やそれを支える者どもを地図から消す。その日は近い。」[23]




[1] 2011年9月15日付Haaretz.co.il,によれば、ダヤン(Uzi Dayan)少将(予)が2011年9月11日に、ヨルダンはパレスチナ人の母国であるべきと発言した。クネセトの議員であるエルダド(Aryeh Eldad)は、繰り返し同じような発言をしており、ミスガブ(Dr Haim Misgav)はイスラエルのニュース・ウェブサイトであるYnetに9月17日付で同趣旨の記事を掲載している。2011年9月17日付Ynet.co.il;2011年9月12日付 Inn.co.il;2011年8月14日付Haaretz.co.il.
[2] 2011年9月11日付Albosala.com
[3] イスラエルの高官は、ヨルダン王の言葉は自国内の不安定に起因しており、ヨルダンは「やっと生命をつなぎとめている」と述べている。王はそれに対し、イスラエルの指導者たちは、パレスチナ問題に関し、「頭を砂のなかに埋め、まるで問題はないかのようなふりをしている」と怒りの反撃をしている。2011年9月21日付Wall Street Journalアメリカ版)、2011年9月14日付Ynetnews.com
[4] 2011年9月24日付Assabeel.net
[5] MEMRI, Inquiry and Analysis Series 737参照。2011年9月14日付「在カイロ・イスラエル大使館占拠後のヨルダン、イスラエル関係」http://www.memri.org/report/en/0/0/0/0/247/0/5643.htm .
[6] 2011年6月5日付Al-Dustour(ヨルダン)
[7] 2011年6月19日付Al-Dustour(ヨルダン)
[8] 2011年6月29日付Al-Dustour(ヨルダン)
[9] 2011年6月23日付Al-Dustour(ヨルダン)
[10] 2011年9月11日付Al-Raj(ヨルダン)
[11] 2011年9月11日付Al-Raj(ヨルダン)
[12] 2011年9月24日付Assabeel.net
[13] 2011年9月29日付Al-Sharq Al-Awsat (ロンドン)
[14] 2011年9月24日付Al-Dustour(ヨルダン)ティアは、彼が見るところ何故ヨルダンとイスラエルの関係が悪化したかについても列挙している。それによれば、イスラエルはヨルダンの核開発計画をサボタージュしようとしている。また2010年1月のアンマンでのイスラエル大使への攻撃や2010年8月のアカバにおけるロケット攻撃の責任はイスラエル自体にあるにも拘わらず、ヨルダンが不安定な国というイメージを植え付けようとしている。ヨルダンは、イスラエルアメリカや他の国々にヨルダンに対する憤懣をおこさせ、ヨルダンへの経済援助を削減させることに成功したことを発見した。アブダッラー国王は、ネタニヤフが何度か秘密裏の面談を申し込んだにも拘わらず、断ったが、これが両国間の対立を悪化させた。そしてイスラエルはヨルダンが情報を隠匿していると苦情を呈している。
[15] 2011年9月27日付Al-Dustour(ヨルダン)
[16] 2011年9月15日付Elaph.com
[17] 2011年9月24日付Al-Raj(ヨルダン)
[18] 2011年9月25日付Al-Dustour(ヨルダン)
[19] 2011年9月27日付Al-Dustour(ヨルダン)
[20] 2011年9月21日付Al-Raj(ヨルダン)
[21] ミスガブは、ヨルダン川の西に第二のパレスチナ国家を建設するのはばかげたことと述べている。そして、ヨルダンをヨルダン人でなく、「砂漠のあちこちからの部族に、いわゆるパレスチナ難民がまざった雑多な集団」によってなりたっている「傀儡国」と述べている。2011年9月17日付、Ynet.co.il
[22] 2011年9月22日付Al-Dustour(ヨルダン)
[23] 2011年9月22日付Albosala.com

(引用終)