ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

古代カルタゴとローマ展など

今日は、近くの図書館でいただいた割引チケットで、京都文化博物館の「古代カルタゴとローマ展」を見てきました。モザイク壁画や緻密なアクセサリーや墓石の飾りなど、古代地中海文明の一つとして学ぶところ多く、なかなか興味深い展示でした。
以前、同じ会場でトプカプ宮殿の至宝展を見ましたが(参照:2007年10月8日付「ユーリの部屋」)、それ以上に入場者が多く、客層が落ち着いていました。ご年配者のみならず、20代から30代の人々も目立ち、まずは盛況といえましょう。1時間半たっぷり使った後は、お土産。恒例の絵葉書に加えて「古代ローマ風飴」を買いました。この展示については、また後ほど。
先週、3月17日の東京での得難い一日は、明日以降、書くことになろうかと思います。また、それ以前に講演会二つに出席しましたので、それぞれ、改めて感想を記す予定です。
さて、今日は、久しぶりに「メムリ」からの引用です。(ユーリ)

メムリ」(http://memri.jp)
緊急報告シリーズ Special Dispatch Series No 2843 Mar/20/2010


・代表的イスラム主義法学者カラダーウィ師の見解


 指導的なスンニー派法学者ユースフ・カラダーウィ師(Sheikh Yusuf Qaradhawi)は最近、自爆テロ支持を改めて表明し「(殉教攻撃は)必要だ」と語った。師は2010年2月8日に放映されたBBCアラビア語放送のインタビューで、こう語った。「パレスチナ人に戦車、飛行機、ミサイルを与えよ。そうすれば、彼らは殉教作戦を行わないだろう。パレスチナ人はやむなく人間爆弾になっている・・・」。師はインタビュアーの質問に答え、パレスチナ人は常に、集合している(イスラエル)兵士の攻撃を図っており、「仮に(イスラエル)市民が殺されたにしても、意図的なものではない」と語った。師はさらに、「彼ら(パレスチナ)は無謬の者たちではない。過ちは起こりうる」とも語った。


 「国際ムスリム法学者連合(IUMS)」の指導者でもあるカラダーウィ師はこのほか、女性やコプト教徒がエジプトの大統領に立候補することは問題視しないとして、こう語った。非ムスリムや女性に禁じられているのは、カリフの地位に立候補することである。なぜなら、カリフは宗教的な立場であり、単に政治的な立場ではない、と。


 カラダーウィ師は広範囲に及ぶインタビューに答え、カタールが国内に米国の軍事プレゼンスを認め、またイスラエルの公的な役所の所在を認めていると非難して、「(イスラエル大統領シモン)ペレス(Shimon Peres)とカタールで握手した者たちは、その手を7度、うち1度は泥で洗わねばならない」と述べた。師はPA(パレスチナ自治政府)のマフムード・アッバース(Mahmoud Abbas)議長をののしり、「一部の人々が言っているように、彼が本当にイスラエルのガザ侵攻を求めたとしたら、彼に死刑を宣告するだけでは不十分だ・・・投石(して殺)すべきだ」と語った。


 師は宗教間対話に関しては、ムスリムキリスト教徒との対話を歓迎するが、「イスラエルを認めるユダヤ人とは席を同じくしない」と語った。


 インタビューではさらに、シーア派の改宗勧誘活動に対するカラダーウィ師の見解━「(宗派間協定で合意したことを)彼らは尊重しなかった」━、師がヒズブッラー書記長ハサン・ナスラッラー(Hassan Nasrallah)を狂信的と批判した件━「彼は(私がシーア派によって批判された時、私を弁護する)言葉を一言も発しなかった」、さらに、スイスのミナレット(モスクの尖塔)建設禁止に関する師の見解が扱われている。


 このクリップはMEMRI TVhttp://www.memritv.org/clip/en/2394.htm)で見ることができる。


[Image #1]


・あなたのファトワイスラム法判断)がエジプト政府の立場に沿わないなら、政府はあなたに非難を浴びせる
ユースフ・カラダーウィ師:「自国の安全だけを気にかけるなら、エジプトがやりたいことを行うのは自由だ。しかし、エジプトはアラブとイスラムに責任を負っている。私は、ガザの防衛が、同地の人々だけの義務ではなく、全てのアラブ、ムスリムの義務だと信じている
〔・・・〕
インタビュアー:「エジプト国家の安全は、アラブとイスラムの安全を前提にしていると言うことか」
ユースフ・カラダーウィ師:「兄弟よ、あなたはエジプト国家の安全以外は何も気にかけないのか。ちょっと聞いて欲しい。あなたのファトワが国家の立場に沿うなら、あなたは偉大なムフティ(イスラム法判定者)、学者と見なされる。しかし、あなたが国家の立場に不同意なら、国家はあなたに非難を浴びせる。「例えば、アズハル(モスクの)イスラム研究評議会(Islamic Research Council)で、われわれは数ヶ月間、臓器移植の問題を学んできた。政府は、臓器移植を認めるファトワを求めていた。私がこの政府(の意向)に同意すると、私は突然偉大(なイスラム法学者)になった」
〔・・・〕
インタビュアー:「エジプト国家の安全と、アラブとイスラムの民族・イスラム共同体の安全との関係をどう考えれば・・・」
ユースフ・カラダーウィ師:「あなたは、エジプト国家も安全以外に気にかけることはないのか」
インタビュアー:「この問題を済ませてしまいたい。エジプト国家の安全が・・・」
ユースフ・カラダーウィ師:「これは極めて奇妙だ。あなた方は、エジプト国家の安全と(エジプトがガザとの間に設けた)壁について(このテレビ)ショーの全てを費やすために私をここに引き出したのか」
インタビュアー:「次の質問で、この問題を終わらせましょう。エジプト国家の安全がアラブ民族の安全に依存しているならば・・・」
ユースフ・カラダーウィ師:「私はこの質問には答えない」
〔・・・〕


[Image #2]


「ペレスと握手した者たちは、手を7度洗うべきだ」
「私はカタールに(米軍事)基地があることを非難する。同様に、カタールにおけるイスラエルの公的な役所の存在を非難する。カタールの人々が、中でもカタールの首長が知っているように、私はこれを公に非難する。私は真実を言いつくろってはいない。
「(1996年4月の)カナの虐殺後、ペレスがカタールを訪ねた時、私は説教を行い、その中で、ペレスと握手をした者たちは7度、うち1度は泥で、手を洗うべきだと語った。
〔・・・〕
「(アッバース議長が、イスラエルの)ガザ侵攻を求めたと言われてきた、これが真実と証明されたなら、彼に死刑を宣告するだけでは十分ではなく、投石せねばならないと私は語った。なぜなら、彼はパレスチナの大統領であり、自分の人民に対する侵攻を求める大統領は生きている権利がないからだ。彼の人民は投石で彼を殺さねばならない」
〔・・・〕
・殉教作戦は必要である

「私は殉教作戦を支持した。私ひとりだけではない。数百人のイスラム学者はこの作戦を支持した。クウェートイスラム法学評議会(Islamic Jurisprudence Council)が開かれた時、数百人の学者が(この作戦を支持する)ファトワに署名した。
「私がロンドンで述べたように、これ(殉教作戦)は必要だ。パレスチナ人に戦車、飛行機、ミサイルを与えよ。そうすれば、彼らは殉教作戦を行わない。彼らは、自分たちの土地、名誉、郷土を守るために、やむなく人間爆弾になっている」
インタビュアー:「カラダーウィ師よ、出来うるなら、この問題を穏やかに説明していただきたい。殉教作戦が必要だということは、その作戦で市民が殺害されることを正当化するということか」
ユースフ・カラダーウィ師:「(パレスチナ人は)市民が殺害されないよう手段を講じてきた。彼らは常に兵士の集合を捜す。仮に市民が死んだとして、それは意図的ではない」
インタビュアー:「そうすると、この作戦が、市民の集まる場所、例えば市場で行われる時、あなたの立場は違ってくる。そうですね」
ユースフ・カラダーウィ師:「彼らは意図して、そうしたわけではない。とにかく、彼らは無謬ではない。過ちは起きうるのだ」
〔・・・〕


[Image #3]


・「私はイスラエルを認めるユダヤ人とは席を同じくしない」
「私はイスラエルを承認する者たちとは席を同じくしない。私はユダヤ教徒キリスト教徒・イスラム教徒対話に参加することは拒否した。私はキリスト教徒・イスラム教徒対話は歓迎する。しかし、ユダヤ人が入るなら、私はこう言う。イスラエルを認めるユダヤ人とは席を同じくしない、と」
インタビュアー:「しかし、イスラエルを承認したアラブ諸国や指導者がいますね」
ユースフ・カラダーウィ師:「そうだ、存在する」
インタビュアー:「あなたは、彼らと席を同じくしないのか」
ユースフ・カラダーウィ師:「誰とだって」
インタビュアー:「イスラエルを承認したアラブ諸国や指導者だ」
ユースフ・カラダーウィ師:「兄弟よ、あなたはアラブとシオニスト━私の地を奪い、私の血を流し、私の人民を追い出したシオニスト━を比べるのか。
インタビュアー:「カラダーウィ師よ、われわれは、あなたが『イスラエルを承認する者は誰であれ』と言うのを聞いている」
ユースフ・カラダーウィ師:「私が言ったのは、イスラエルを認めるユダヤ人のことだ。対話であれ何であれ、私はイスラエルを承認するユダヤ人とは席を同じくしない。
〔・・・〕
・ハサン・ナスラッラーは、全てのシーア派と同様の狂信的である
インタビュアー:「カラダーウィ師よ、あなたは(レバノンシーア派イスラム主義政党)ヒズブッラーへの支持を呼びかけた。実際に、あなたはヒズブッラーを支持したが、同時に、ヒズブッラーの指導者ハサン・ナスラッラーは全てのシーア派と同様に狂信的だと述べた。あなたはそう言ったのか」
ユースフ・カラダーウィ師:「そうだ、そう言った」
インタビュアー:「どんな理由で、彼が狂信的だと言ったのか」
ユースフ・カラダーウィ師:「そう示すものがある。私がシーア派を攻撃した時・・・スンニー派と話し合いで合意したことを履行していないと私が攻撃した時、シーア派は私を激しく攻撃した。(だが)ナスラッラーは明白な反応はしなかった
「私は、彼(ナスラッラー)が私を正当に扱う発言をしてくれると期待した。結局のところ、われわれは良い関係にある。私は、ヒズブッラー支持を禁止するファトワを発出する者たちに反対して、常に彼(ナスラッラー)を弁護してきた。しかし、彼は(私を弁護する)言葉は一言も口にしなかった。もっとも、彼が極端に狂信的というわけではない」
〔・・・〕


[Image #4]


シーア派の改宗勧誘活動は宗派間対話(の申し合わせ)に違背する
ユースフ・カラダーウィ師:「(十字軍戦争の英雄)サラーハッディーンの時代から、エジプトにはひとりのシーア派もいなかった。(しかし)現在エジプトにはシーア派がおり、新聞に記事を書き、本を出版し、テレビに出演している。これは(シーア派の改宗勧誘活動の)証左ではないか。この状況は、ひとりのシーア派もこれまでいなかった、幾つかのアラブ諸国で出現している。これが(シーア派が改宗勧誘活動を行っている)証だ。われわれはさまざまな国から(同活動に関する)情報を得ている。
「私は、世界から遮断されてはいない。私は全ての国の学者たちと作っている国際的機関の長である。われわれは(シーア派の改宗勧誘活動に関する)情報を得ている。私はこしらえごとを言ってはいない。これは、われわれの(宗派間)会合で合意したことではない。とりわけ、ひとつの宗派が他宗派の国々に広がろうとしてはいけないと合意した。彼ら(シーア派)はこれを尊重しなかった」
〔・・・〕
インタビュアー:「カラダーウィ師よ。あなたの言葉を引用すれば、あなたはシーア派を『異端者』と表現した。そして、あなたはスンニー派シーア派の和解を求めている。あなたはスンニー派を、あなたが『異端者』と呼ぶ宗派に近づけようと願っているのか」
ユースフ・カラダーウィ師:「そうだ。われわれはキリスト教徒と対話を行った。しかし、東方の偶像崇拝宗教━仏教、ヒンドゥ教など━との対話は求めていない。それだけに、われわれが(シーア派イデオロギーが)異端を許容していると非難しているにしても、われわれが(同派)ムスリムと対話が行えない理由はない。彼ら(シーア派)が異端者であるという事実は━その異端性が、ムスリムを不信仰者に変貌させるといった類のものでないならば━かれらをムスリム共同体から排除することを意味しない」
〔・・・〕
インタビュアー:「あなたはキリスト教の改宗勧誘活動には反対している。そうですね」
ユースフ・カラダーウィ師:「それは正しい。ムスリムはすべて、キリスト教徒の改宗勧誘活動に反対している。ムスリムキリスト教に改宗させられるのを受け入れる者などいない。誰も、これは受け入れない」
インタビュアー:「あなたはまた、西側の非ムスリムイスラム(への改宗)を呼びかけることにも反対なのか
ユースフ・カラダーウィ師:「もちろん、反対ではない。私はイスラムへの(改宗)呼びかけが広がることを支持する。私はイスラムについて、アッラーがそれによって(唯一神教の)メッセージを封印した真の宗教であると信じている。しかし、このこと(改宗呼びかけの拡大)は、人民を愚者扱いして達成できるものではない。愚者扱いとは、彼ら(キリスト教徒)を改宗させるために━彼ら(キリスト教徒)が行っているように━人民にお金をあたえることだ。彼らはお金を支払うことで、貧しい者たちをキリスト教に改宗させている。われわれは、これを非難する。
〔・・・〕
「われわれは全ての自由を支持する。私は自由が神聖だと考えている。私はしばしば、自由はイスラム法の履行に優越すると言って来た。もっとも、これは一部イスラム主義者を怒らせたが・・・私はこう言う。イスラム法を履行する以前に、われわれは自由を獲得しなければならない、と。自由のない社会で、われわれはイスラム法を履行することはできない」
インタビュアー:「ムスリムキリスト教徒に改宗を望む時、これは信仰の自由を構成すると、あなたは思うか」
ユースフ・カラダーウィ師:「人が自由ならば、彼には宗教を変える権利がある。しかし、われわれは彼に機会を与え、翻意させようと試み、なぜ彼が自分の宗教を変えるのか理解しなければならない。
「彼自身が何か間違っていなければ、ムスリムが自分の唯一神宗教を変えることなどありえない。これは歴史が証明している。イスラム教徒の集団を改宗するにまかせた者たちは、残念だが、非宗教的な別な配慮のためにそうしたのだ。
〔・・・〕
インタビュアー:「ユースフ・カラダーウィ師よ、スイスのミナレット(建設)禁止を批判しましたね」
ユースフ・カラダーウィ師:「もちろん、そうだ」
インタビュアー:「しかし、同時に・・・一部アラブ諸国、とりわけ湾岸で、教会の建設が許されてはいるものの、(キリスト教徒が)十字架を掲げること、また、鐘楼を造ることは禁じられていることを、あなたは認めている。どうしてあなたは、一方は認め、他方は認めることができないのか」
ユースフ・カラダーウィ師:「ここカタールでは、さまざまな宗派に所属する、幾つかの教会の建設が認められてきた。私はこれを非難していない。
〔・・・〕
インタビュアー:「一部イスラム諸国では、教会の建設を完全に禁止している。これに関するあなたの見解はどうか」
ユースフ・カラダーウィ師:「イスラムにおいて特別な地位を持つ(メッカを中心にした)ヒジャーズ地方を除けば、教会建設を完全に禁止しているところはないヒジャーズイスラムの砦と見なされ、純粋にイスラムに所属している。バチカンのようなものだ。バチカンには誰もモスクを作らない」


・エジプトで女性やコプト教徒が大統領選に立候補することを問題視しない
インタビュアー:「あなたは、判事の地位への女性の立候補を認めるファトワを発出したが、同様に、コプト教徒がエジプトの大統領に立候補することを受け入れるか」
ユースフ・カラダーウィ師:「そうだ」
インタビュアー:「コプト教徒が、エジプトの大統領選に立候補することを問題としないのか」
ユースフ・カラダーウィ師:「問題ではない」
インタビュアー:「大統領は『総支配』の地位と見なされないのか。
ユースフ・カラダーウィ師:「非ムスリムと女性に禁じられていることは、イスラムの共同体を率いるカリフの地位に立候補することだ。これは、宗教的な地位であり、単に政治的な地位ではない。エジプトと他の(ムスリム)諸国は、より大きなイスラム国家内のひとつの地域と見なされる」

(引用終)