ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ベルギーのムスリムについて

メムリ」(http://www.memri.jp
Inquiry and Analysis Series No 605 Jun/1/2010
ベルギーの急進的ムスリムが、ジハード主義の法学者マクディシ師に指導を求める

序文
ベルギーにおけるシャリーアの履行を扇動しているムスリム・グループに所属しているとされる人物が、アブームハンマド・マクディシ師((Sheikh Abu Muhammad Al-Maqdisi))に手紙を書き指導を求めた。現在ヨルダンに住むマクディシは(イラク・アルカーイダの初代指導者)アブームスアブ・ザルカウィ(Abu Mus’ab Al-Zarqawi)の旧師として知られる。最近では、カフカスイスラム首長国 ※1、ナイジェリアのサラフィー・ジハード派 ※2、同様にイスラムマグレブのアルカーイダ ※3にも、指導を与えているようだ。マクディシは返書で、資金、人材、他にも何であれ出来うることで、ジハード派活動家たちを支援するよう伝えた。しかし、ベルギー内における(対政権などの)攻撃は、持続的抗争が展開出来ない限り、行わないよう助言した。
この書簡の筆者は、自分の名前を(ラテン文字で)「アブーイムラーン(Abu Imran)」と署名している。ベルギーにはアブーイムラーンという人物が確かに存在し、最近、一部で注意を引き始めた「sharia4belgium」と呼ばれるグループの指導者として知られている。このグループのウエブサイト※4は現在閉鎖されているが、アブーイムラーンのビデオは今もsharia4belgium YouTube チャンネル※5で見ることができる。英国人のイスラム主義者で「Islam 4 UK」組織のヘッド、アンジェム・チョウダリー(Anjem Choudary)は最近sharia4belgiumを支援するビデオを作った。※6 このアブーイムラーンがマクディシに書簡を書いた本人であるかどうか確認できないが、その可能性は明確で、調査する価値がある。
sharia4belgiumグループのアブーイムラーン
以下は「アブーイムラーン」と言う人物が(アブームハンマド・マクディシに宛てた)要請文の翻訳であり、その後アブームハンマド・マクディシの返書も掲載する。
以下のレポートは、MEMRI JTTMが無料サンプルとして提供するもの。JTTMの定期購読申し込みは、http://subscriptions.memri.org/content/en/member_registr_jttm.htm で出来る。あるいは、jttmsubs@memri.org でわれわれにコンタクトされたい。今後レポートを見るためには、JTTMの正会員にならねばならない。 正規の定期購読に関心のない人あるいは有資格者はJTTM Weekly Digestに申し込むことができる。ダイジェスト版定期購読者は年会費200ドルで、毎週eメールでダイジェスト版の配信を受ける。これにはJTTMのレポートのセレクションが含まれる。(JTTM Weekly Digestのサンプルは、www.memrijttm.org/demo/ で見ることができる)このオプションが、JTTMの全レポート、あるいはウエブサイトへの完全なアクセスを提供しないことを留意されたい。
アブーイムラーンのマクディシ宛書簡
「ベルギーの兄弟たちから、アブームハンマド・マクディシ師(アッラーが守りますように)にアドバイスと指導を求める要請
「慈しみ深く、寛大なアッラーの名において
「ベルギーの信仰兄弟、アッラーの唯一性の信仰者から、尊敬すべきアブームハンマド・マクディシ師へ
「あなたに平安と、アッラーの慈悲と祝福がありますように
「われわれの親愛なる尊師、われわれはあなたを━強大なアッラーを証人として、アッラーのみが知る愛で、アッラーにかけて━愛する。また、われわれは、あなたの祝福された改宗の説得活動に参加する全ての人々と、この演壇(ミンバル、つまりマクディシのウエブサイトminbar Al-Tawahid Wa’l-Jihad)から有益な宗教知識を広げることに加わる全ての人々を━高貴なアッラーを証人として、アッラーにかけて━愛する。この演壇を訪ねる時、われわれは何時も得をする。あなたのような人々をより多く、アッラーがわれわれのところにもたらしますように。また、(あなたが)イスラムムスリムに(もたらす得のための)最善の報酬を、アッラーがあなたに与えますように。
「われわれは、あなたの宗教兄弟の、ベルギーに住むグループである。アッラーが望むなら、われわれは人々をアッラーに招く義務に参加し、またアッラーの唯一性をめぐる真実の言葉を広げる義務に参加する。われわれは少し前、特別な組織をアッラーのおかげで設立することができた。この組織は、アッラーシャリーアイスラム法)の履行と支援の呼びかけに貢献し、また民主主義を論破することに貢献する組織である。この結果、人々は、われわれがムスリムとして、イスラム以外のいかなる宗教も決して受け入れず、あるいはアッラーの法(シャリーアの意)以外のいかなる法も決して受け入れないと知るだろう
「あなたがわれわれよりも知っているように、人々を真実に招く人は誰であれ道の行く手に、彼を中傷し、けなすそうとするアッラーの敵━偽善者と不信心者━に出会う。しかし、アッラーのおかげで、われわれは(敵に出会うことによって)逆に断固たる姿勢を強め、気力を強めることができた。われわれに関する人々の意見については、われわれは毎日メディアの報道とは正反対の意見に出会う。
われわれに対して最も敵意を持つ者たちは、(ベルギーの)ムスリムディアスポラ(離散)の、穏健と節制を求める、いわゆるムスリムと呼ばれる者たちである。彼らは、アッラーの宗教から最も遠い者たちであり、中には礼拝しない者たちもいるし、民主主義者もいる。さらには、一部モスクのイマーム(導師)は演壇からわれわれに悪口を吐き、(これらの)過激な愚か者たちはイスラムとは全く関わりがないとラジオと新聞で宣言した。しかし、権力と力はアッラーにしか存在しない。
「われわれは今、あなた、尊敬すべき尊師に、幾つか手短なアドバイスと指導――コーランアッラー預言者アッラーの祈りと平安がありますように)のスンナ(聖行)に次いで、われわれが人々をアッラーに招くにあたって得になるアドバイスと指導――を与えてくれるよう要請する。また、人々に(われわれの道の正しさを)証明する際に役立つアドバイスと指導を与えて頂きたい。(このことをお願いするのは)多くの者たちが、われわれには異端の傾向があると非難し、われわれが正しい道を外れたと言うからだ。そして、われわれは高貴なアッラーにこう祈る。アッラーに近い人々(つまり、正義の人々)が、良いアドバイスでわれわれを支援し、また、われわれの道を正すようにと・・・
「あなたに平安、またアッラーの慈悲と祝福がありますように
「ベルギーにおけるあなたの兄弟と息子たち
「筆者、アブーイムラーン」
マクディシの返書
アブームハンマド・マクディシからの回答
アッラーの名において、アッラーに賞賛あれ、アッラー預言者に祈りと平安がありますように
「私は、高貴なアッラーに、人々をアッラーの唯一性信仰に招き、そのシャリーアをあらゆるところで擁護する私の兄弟たちを守るようお願いする。
アッラーがあなた方、アッラーにかけて私を愛したあなた方を愛しますように。アッラーがあなた方に、私のことを良く思ったことへの報酬を与えますように。私はあなた方がアドバイスを求める限り、あなた方がどこにいようとも「アッラーが勝たせる側(Al-Ta’if Al-Mansura)」━(ハディースに述べられているように)アッラーの戒めを擁護し、支え、アッラーの神意が実現するまでそうし続ける「アッラーが勝たせる側」━の隊列に加わるようアッラーへの畏怖を心に抱き、また現在、この宗教のもろもろの事柄を支えるという名誉の獲得に努めながら━あなた方にアドバイスする。
あなた方の兄弟、ムジャーヒドゥン(イスラム聖戦士)を支持し、彼らのジハードを助けなさい
「そして、あなた方がジハードの戦場において、あなた方の兄弟であるムジャーヒドゥンを支援するようアドバイスする。支援とは、あなた方の能力の限り━それが、資金であれ、兵士であれ、礼拝であれ、あるいは、道をはずれたウラマームスリム学者)と多神教徒のウラマーの見せ掛けの疑惑を論破することであれ━彼らのジハードを助けることだ。これらウラマーの関心はただ、ジハードとムジャーヒドゥンを誹謗することであり、最悪の多神教徒であろうと、彼らの敵を助けることにある。この結果、アッラーのおかげで(アッラーの)兵卒たちは識別され、あらゆる詐欺師━改宗の説得、宗教知識、そして宗教と結びつきながら、同時に、間違いを擁護し、ムジャーヒドゥンを見捨て、多神教徒と絶縁しない詐欺師━は暴き出された。
「こうした状況下、ムスリムはこの大混乱を、自分には宗教を助けるいかなる役割もないかのように、取るに足りないことのように、また何物も、生命も資金も、槍も舌も提供することなく、傍観してはならない。敵は全ての方面からイスラムの信仰共同体とそのシャリーアを攻撃してきた。敵はシャリーアの灯を消すために団結した。彼らは、あらゆるレベルでジハードの残り火を消すという共通の大義を持った。悪のウラマーと邪悪なメディアは(敵が)勝利すると考え、このことで彼らを支持した。
「しかし、アッラーは信頼できる約束を与えた。(コーラン8章36-37節)『まことに、信仰のない彼らは、アッラーの道を塞ぐためにああして財産をつかっている。これからも更に使うことであろう。だが、いまにそれがかれらの嘆きのもとになる時がきっと来る。そして完全に敗者になる時が。信なき者ども、やがてジャハンナムに呼び集められようぞ。こうしてアッラーはよいものと悪いものを区別し、悪いのは次々に積み上げ、全部一山にしておいてジャハンナムの中に投げ込んでおしまいにある。そうなったらもはや救われようもあるまいに』
イマーム・アフマド(イブン・ハンバル)Imam Ahmad (Ibn Hanabal)が、タアミーム・アル・ダーリ(Tamim Al-Dari)の名で述べた、預言者ハディース(言行録)がある。彼はアッラー預言者アッラーの祈りと平安がありますように)が、こう言うのを聞いた。『・・・アッラーはいかなる家も見捨てずに、その家が町の中にあろうと、テント居住者の間にあろうと、この宗教を━栄光の中であれ、恥辱の中であれ━持ち込む。アッラーは栄光によってイスラムを強め、恥辱によって不信心を貶める』。タアミーム・アル・ダーリはこう言っていた。『私は、このことを私自身の家族から知った。イスラムに改宗した者たちは、善、名誉、栄光を獲得した。不信心者が得たのは恥辱と侮蔑とジズヤ(貢納)だった
「少し前に私が読んだことだが、『ベルギーの新聞ル・ソワールは、この数年にベルギー国民4万人以上がイスラムに改宗し、この結果、ブリュッセル(ベルギーを指す)はイスラムへの改宗率がヨーロッパ大陸で最も高い国になったと報じた。同紙の説明だと、ベルギーの人口は1000万人で、うちムスリムは45万人。ベルギー国民の総人口に比べた改宗者の比率はヨーロッパで最も高い。これに驚いたベルギーの極右派は警告を発表し、異宗結婚の危険を強調した。これら改宗国民の多くは彼らのイスラムへの改宗はイスラムシャリーア(の真実)を完全に納得したからだと語った。また、この宗教は下僕と彼の主との間にいかなる仲介者もおらず、また、この宗教こそ自分たちが探し求めてきたものだと語った。これらムスリムは、メディアの反ムスリム・キャンペーンを批判し、同キャンペーンは真の宗教の真実の多くを歪め、市民のイスラム受け入れの弁明は偽りだと立証しようとしていると語った』※7
「このニュースは、疑いもなく、良い知らせであり、アッラーの約束と預言者アッラーの祈りと平安がありますように)の発言を確認するものだ」
ヨーロッパのムスリムシャリーアの勉強と、「アッラー以外に神なし」の真の意味を学ぶ必要がある
「こうした事態から、また今日、ムスリムが移住しなければならないムスリム国家は存在しない。そうしたムスリム国家が仮に存在したなら、そこに移住しないことを(ムスリムに)禁じ、不信心者の領域に暮すことを禁じただろう;こうした事情があり、そして(不信心者の領域にある)国々のムスリムは、宗教学習、シャリーアの知識、法学、思考に関して一定レベルに達するよう学び、努力する必要がある。その結果、彼ら(不信心者の領域内の国家に住むムスリム)は(これらの国々で)ムスリムを指導し、引率できる資格を得ることができる。同時に分裂の深淵━さまざまなタイプの、地獄の門にいる異説の説教師たちの背後で待ち伏せている分裂の深淵━からムスリムを守ることができる。これら異説の説教師とはハラリアン・アフバシュ(Hararian Ahbash)、拒絶派のシーア派(Rafidite Shi’ites)、過激なタクフィーリー主義者(takfiris)、過激なムルジア派(Murji’ites)※8 及び他の異説の宗派━新たに改宗したムスリムをだまして、邪悪な異説を彼らに押し付ける異説の宗派━である。
「(ムスリムが、このレベルの資格を獲得するために)必要なのは、シャリーアの勉強、この勉強に若者を導くこと、また若者たちに欠けている宗教知識と思考を供与することである。若者たちが受け取る必要があるのは、宗教と世界における最も重要な義務に関する啓蒙であり、また、改宗説得のため、またジハードのために必要なもの、加えて、改宗説得とジハードのために実行が必要な準備と見なされるものだ。これらの中で、まず取り掛からねばならない最重要事は、「アッラー以外に神なし」(という信仰告白の真の意味)を学ぶことだ。このアッラーの唯一性信仰に全てが掛かっている。また、真の信条を学んで、以下のこと━イスラムに矛盾し(信仰を)無効にする事柄、(人にムスリムとしての地位を与える)「アッラー以外に神なし」(という声明の効力)の諸条件、アッラーの唯一性信仰が必要とするもの、それに必然的に伴う諸権利(つまり、アッラーの唯一性信仰がムスリムに強いること)、そして、その最も堅固な絆(つまり、アッラー信仰及び偶像崇拝の拒絶、コーラン第2章256節を参照)━を知ることだ
「同様に(アッラーの唯一性信仰がムスリムに求めるのは)ムスリム誰もがその能力に応じて知る必要がある事柄、つまり最も基本的な宗教知識の鍵を学ぶことである。これを学ぶことによって(ムスリムは)アッラーから(つまりコーランから)、また彼の預言者から(つまりハディースから)(知識を)受け取ることができる。(預言者と家族にアッラーの祈りと平安がありますように)。また、これによって、分離主義の説教に誘惑されずにすみ、分離と分裂を免がれ、放縦や過激主義の深淵に陥らずにすむ。同様に(アッラーの唯一性信仰が求めるのは)現実に対する鋭い洞察と、世界戦争の真の性格━イスラムと現代のムスリムに対して展開されている世界的戦争の真の性格━に対する鋭い洞察である。この戦争を止めさせ、この戦争と対決するために必要なのは、ムスリムすべてが、さまざまな階層、専門の領域、知識の分野、および能力の全てでもって団結して(この戦争に)立ち向かうことだ。この戦いで、ムスリムひとりひとりが前線に陣取る。自分をムスリムと見なす人が(イスラムに対する戦争)の停止に役割を果たさないことは許されない。各人は、それぞれが自らを正したレベルに応じて、われわれの高貴な預言者アッラーの祈りと平安がありますように)がハディースで言及した事柄の中で出来ることがある。ハディースはこう述べている、あなた方の誰であれ悪に出会う人がいるなら、その悪を正しなさい(彼の手でもって、そして、それができないなら彼の舌でもって、もしできないなら彼の心でもって、そして、それは最も弱い形態の信仰なのだ)。
「決断力があり、手や舌で、つまり行為や言葉で悪を正した人は(イスラムの)勝利を目前にした現代、宗教の支援に重要な役割を持ち、イスラムの支配と法の回復に努力している。彼は疑いもなく、善行を行う者と(見なされ)、意志の純化のため適切な行為に参加したならば、勝利を目前にして、自分を献身的に捧げ、戦いに参加した者(と見なされる)だろう。この役割を果たす人には、遠近双方から到来する敵意と危害はなんであれ、それに対処できるよう自己訓練させなさい。これら敵意と危害には、支配者とその支援者に由来するもの、大衆と無知な人々に由来するものーーさらには、イスラムへの改宗説得者と自認しながら、預言者たちの説教、その基盤、(それが人に求める)最も重要な義務を理解しない者たちに由来するものがあるだろう。これはアッラーの道であり、このルートに従う者たちがいる・・・
「こうしたことから、あなた方が、自分たちに向けられた敵意、危害、侮辱、悪口に関して言及したことに奇妙なことは何もない。これをあなた方に向けたのは、一部の愚かな人々、さらには改宗説得者や説教師やイマーム宗教学者を自認するが、預言者の呼びかけの真の意味とこの宗教の最も重要な義務を知らない人々だ。あなた方は、彼らがあなた方に加える危害を、アッラーが将来において報いる犠牲と見なし、また、アッラーのためになることと見なして、辛抱強く対処する必要がある。あなた方は彼らに背を向けなさい。彼らにとらわれてはならない。彼らの誹謗と侮辱を受けたことで(活動を)停止したり、休んだりしてはならない。(ハディースは)この宗教を支える「アッラーが勝たせる側」をこう表現する。「彼らに反対する者たち、彼らを裏切る者たちはアッラーの命令が実現するまで、いかなる危害も彼らに加えることは出来ない」と。
「忍耐し、彼らの危害をそらしながら、知恵と証明と学習によって得た議論で彼らの見せかけの主張を論破しない理由はない。これらは、彼らの見せかけの主張から覆いを引き剥がし、また、人々に真実とアッラーの唯一性を明らかにして、彼らにこれらを知らしめることだ。これは、(アッラーコーラン41章33節で述べたような)最善の、最も役に立つスピーチのひとつと言える。(同節はこう言う。「アッラーだけにお祈りし、常に義しいことを行い、『わしはすべてを神にお委せした人間だ』と言う人のその言葉ほど立派な言葉がどこにある」と)。
二次的な戦いに引き込まれるな。人々をアッラーに導くことに集中せよ
「存在する最大の善はアッラーの唯一性を信じることである。存在する最大の悪は多神教崇拝である。この理由から、あなた方が、ムスリムであれ非ムスリムであれ、他の人々との(二次的な)やり合いに没頭しないよう忠告するーーこれら二次的戦いはあなた方を逸脱させる━人々をアッラーの唯一性信仰に本当に招き、また、新旧いずれにしろ、あらゆる形態の多神教崇拝から引き離し、唯一性信仰が必然的に伴う義務を彼らに教えることから逸脱させる━恐れがある。預言者たちが呼びかけたイスラム教信仰の)基盤と義務に集中しなさい。闘争の真の戦場(から人々の)注意を転じさせてはならず、真の戦場から人々の注意を引き離してはならない。また、他の人たちとの騒動に専心してはならない。彼らと共に(真実の)道のブロックを積み上げる戦いに参加しなさい。さまざまな国における(イスラム主義の)グループの経験を自分たちのために役立てなさい。しかし、彼らの失敗を繰り返してはならない。預言者アッラーの祈りと平安がありますように)の言葉を忘れてはならない。彼は『アッラーに誓って、あなた方がアッラーの力で、ひとりの人間を真実に導くことは純血種のメスラクダ(つまり、価値の大きいもの)よりもベターだ』と語った」
不信心者から「略奪品」を取るムスリムの若者は、イスラムのイメージを汚した
「これらの理由から、改宗説得で他人に対処する際、法学における分類に応じて人々をハルビー(戦争の領域の、守られない不信心者)や条約によって守られている不信心者やズィンミー(庇護民)に分けるという伝統的な法学分類の平易な、字義通りの意味に固執しないよう、あなた方に忠告する。(これは、今日)イスラム国家が存在せず、また、イスラム国家の下でこそ、こうした分類がその完全な、真のやり方で作用するという事実に照らせば(最善のアプローチではない)。これ(つまり、これらの分類の適用は)ひとつの論争点である。(この分類の安易な意味に)西側の(ムスリムの)一部の若者が導かれ、(不信心者からの)略奪品(奪取)、窃盗、さらには、私が発生していると耳にしたような人質事件に加担した。彼らはその一方で、改宗の説得や宗教の擁護や宗教のための活動は無視した。知られているように、彼らはそうすることで自分自身とイスラムへの呼びかけに、損傷と非難をもたらした。
「さらに、イスラム国家が存在していないことに照らして、私はあなた方にこうアドバイスする。人々には、『シャリーアによって診断された政治的態度(al-siyasa al-shar’iyya)』に応じて、またイスラムムスリムイスラムへの呼びかけの『分別のある利益(maslaha)』に応じて、対処しなさい、と。同時に、こうした対処は、すべてシャリーアガイドラインに従い、ムスリムの弱さを考慮しながら行われる、とアドバイスする。(あなた方が対処する人々の中で)ムスリムに対する侵略を犯さず、また、ムスリムの宗教を中傷しないように見える不信心者――彼には、親切に、また宗教に興味を持たせるやり方で対処することに、なんら問題はない。また、彼をイスラムに招くことも可能だ。一方、公然とイスラムを中傷し、その法を嘲笑し、ムスリムに対して陰謀を企もうとする不信心者については、この不信心者の土地に住むムスリムは━自分たちの弱さと弱い立場のため(この不信心者の行為に)適切な報復を行えないなら━この不信心者に背を向け、彼とその行動から距離を置き、自分たちの能力に応じて、彼との交際の断絶と彼に対する敵意を表明すべきだ。そして、彼を憎まねばならず、手荒く遠ざけねばならない。もし、この不信心者が公に論争する類の人なら、彼に対して公に論争すべきであり、もし彼が商人なら、彼をボイコットし、遠ざけねばならない。
「同様に、(西側の)ムスリムにこうアドバイスする。聴衆のメンタリティーを考慮に入れ、聴衆に効果を持つ問題を通して接近し、(聴衆の)考え方に応じて話しかけなさい、と。イスラムへの改宗説得(において許される)手段は、シャリーアガイドラインに規制され続ける限りにおいては、広大である」
ムスリムは「自分たちが弱い状態にあり、抗争を終結することができない間は、政権との抗争を性急に始めてはならない」
「同様に、私は(さまざまな理由から)全体的に弱体状態にあるため、地元の諸政権と武装対決(を行う)計画のない、あらゆる地域のムスリムに与えるのと同一のアドバイスを(ヨーロッパの)あなた方に与える。(これらムスリムの弱体の理由とは)彼らの能力の弱体や(対決のための)状況が熟していないという事実や場所がそうした(対決に)不向きであるという理由、さらには(この国の)現実、(ムスリムの)能力、そして改宗説得で到達した段階に関して見識がある人々が評価する他の理由などだ。(私は彼らに以下の期間は)政権との抗争を性急に開始してはならない(とアドバイスしている)。(その期間とは)自分たちの状態がなお弱体で、抗争を終結させることができない期間、また、専門的技術と能力を依然として欠いている期間、また彼らの、現時点での戦略がこれ(抗争開始)を許さない期間だ。
「私は彼らに、(武装対決が)出来ない限り、私が先に述べたように、人々にアッラーの唯一性信仰を呼びかけることに専念するよう、また、イスラムの信仰共同体のための良い大使になるようアドバイスする。彼らは他の人々と対処することにおいてイスラムの道徳を宣伝すべきだ。彼らは他の人々を裏切るべきではない。あるいは背信行為をはたらくべきではないし、不正直に行動するべきではない。預言者アッラーの祈りと平安がありますように)こそ、彼らが果たすべき役割の素晴らしいモデルだ。
「(ムスリムは)西側社会の病と許容性を回避せねばならない。これらの病から子供たちを遠ざけねばならない。子供たちを高め、教育するために(西側的な教育システムに)代わるイスラム的システムの創作に努めねばならない。ムスリムは、互いに接した、相互のコンタクトがある、アッラーへの服従、また崇敬と敬虔において助け合うコミュニティーに住むべきだ。それは、これらの国家の誘惑に冒されないよう自分に予防接種するため、また、共にアッラーのロープに固く体を結びつけるためである。シャリーアによって支配し、アッラーの唯一性の旗を掲げるイスラム国の樹立アッラーが供与するまで、ムスリムは内輪もめを放棄し、外部の者たち、ひねくれた考えを持つ人々、非正統の宗派が(ムスリムのコミュニティーに)浸透してくることに対し、自分たちのコミュニティーを要塞化すべきである。その時、ムスリムは、そのイスラム国に移住することが義務付けられ、不信心者の支配下の不信仰の地に住むことは許されない
「私は高貴なるアッラーに対し、アッラーに対する服従を私とあなた方に与えるよう祈る。また、アッラーが自らの宗教擁護のため、われわれ全てを使うよう祈る。
注:
[1]Exclusive: Posthumous Astemirov Letter Points to Presence of Jihadist Moles in Russian Army and Intelligence, April 5, 2010を見よ。
[2] Abu Muhammad Al-Maqdisi Answers Question on How Best to Further the Jihadist Movement in Nigeria, March 9, 2010を見よ。
[3] Al-Qaeda Maghreb Adopts Abu Muhammad Al-Maqdisi as Shari'a Authority, September 22, 2009を見よ。このレポートは、「イスラムマグレブのアルカーイダ(Al-Qaeda in the Islamic Maghreb)」のアミール(指導者)の書簡に関するレポートである。同エミールはこの書簡で、アブームハンマド・マクディシに将来質問を行っても良いかどうか尋ねている。その後の両者の交信は、仮にあったとしても、両者とも公けにしていない。
[4] http://sharia4belgium.webs.com/ .
[5] http://www.youtube.com/user/sharia4belgium .
[6] http://www.anjemchoudary.com/index.php?option=com_k2&view=item&id=28:shariah-4-belgium&Itemid=12
[7]この節は、引用として区別されている。マクディシが実際に何から引用したのか明らかでない。ソワール(Le Soir)の記事そのものではないようだ。
[8]「アフバシュ(Ahbash)」とは、アブダッラー・アル・ハラーリ(Abdallah Al-Harari)学派と彼の「イスラム慈善プロジェクト協会(Association of Islamic Charitable Projects)」(http://www.aico.org )を指す。「拒絶派」を意味するラーフィダイト(Rafidite)は、スンニー派が12イマームシーア派に対して使う悪口である。拒絶とは、12イマーム派が(第4代カリフ)アリー以前の(3人の)正統カリフを拒絶することに由来する。マクディシの言う「過激なタクフィーリー」は、ムスリム社会全体を異端者と見なした、エジプトの「アッタクフィール・ワル・ヒジュラ(Al-Takfil Wa’-Hijra)」など、自分よりも急進的な宗派・組織を指す。しかし、主流ムスリム学者の大半は、マクディシ自身を過激なタクフィーリーと見なしている。ムルジア派(Murji’tes)はイスラム初期の神学の学派で、自分のムスリムとしての信仰と地位を確立するために、心の中における信仰(あるいは、時には同様の言葉の告白)のみを要求した。その結果、ムルジウ派は、人を行為や罪で、不信心者とは宣告しなかった。今日、この言葉は、ムスリム世界の支配政権をタクフィールと宣告しないイスラム学者を指す悪口として、サラフィー・ジハード派が使っている。
(引用終)