ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

蓋を開けてみれば

昨日の補足です。
何事もスピードの時代ですが、時間が経てば、事の当否が徐々に明らかになってきます。
主人も、邪険に扱われているのかと思いきや、結局のところ、かなり上の立場の方が、「○○さん(注:私の夫)の言うことをよく聞いて」と、若い人達に注意してくださったのだそうです。また、私に引き戻されて家で休んでいる間に、「すべて終わりました」と電話連絡があったため、「やっぱり、自分がいない方が、皆の仕事がやりやすいのかな」と、がっかりしていた主人でしたが(参照:2010年2月26日付「ユーリの部屋」)、出勤してみると、実のところ、何も終わってはいなくて、ただ、主人に任されていたパーツの問題点が一件落着しただけだということが判明しました。そして、どうやら上の上の人達から注意があったらしく、皆の雰囲気が丁重になっていたとか。
明け方近くまで、ろくな食事も休息も取らずに、毎晩、固まって仕事をしていると、コミュニケーションもおかしくなってきますよね。

ところで、科研費論文を電子版や紙媒体で見ていると、あちらこちらで基本的なミスに気がつくことがよくあります。ある場合には、(この一言、この一文で、この人が何もわかっていない、先行研究や周辺の勉強を全くしていない)と、直ちに分かることもあります。または、(よくもしゃあしゃあと、こんな間違ったことが書けるよね)と、思うこともあります。ただし、本人は(これで箔がついた)とか(点数稼げた)と思っているのかもしれません。実際、自慢げな話を聞いたことがあります。「科研費申請の書類を書くのには時間がかかったけど、これで30万円もらえたから、私の論文に箔がついた」「科研費でパソコンを買った」など。
パソコンぐらい、私だって、自費で一括払いできますよ。それに、30万円程度で、どうして「箔」になるのか?数億の研究費だって、普通にある時代なのに。

だから、今回、主人にも言いましたが、自分としては、余裕を持って、地味でも遠回りのようでも、コツコツと息の長い取り組みを心掛けたいということです。2007年3月のイスラエル旅行で知り合った80代の牧師の方も、「焦ってろくなことはありません。長い目で見て、いい研究してくださいね」とおっしゃってくださいましたから。私も、目指すは80代まで現役、です。単に見栄を張ってそうするではなく、実例を間近で何人か拝見することができたことに、何らかの示唆を感じたいと思います。

昨晩は、大阪クリスチャンセンターで開かれている佐藤全弘先生の講座で紹介された本の一冊が、届きました。
Christianity: The Complete Guide”, John Bowden, Continuum, London, 2005.
計1364ページもある大著です。図書館に行くより、手元で気軽に見たいと思って、ペーパーバック版を中古で入手しましたが、これで正解だったと思います。
ぺらぺらめくってみたら、昨年11月にICUで発表した時に提出した原稿の一部と全く同じ内容が出てきたので、驚きました。もちろん私は、ハートフォード神学校の女性教授が2007年に出版した著作から学び、注に引用元を明記したのですが。あれっと思って読み進めてみると、実は同じ女性教授による項目だったのでした。
もう一冊注文してありますが、それにしても、佐藤全弘先生は、70代後半なのに、単独で、このように広い視野で先端の勉強も続けていらっしゃるなんて、(やはり気迫が違うなあ、今の若い人達が、偉そうに何やら言っているけれど、どちらが本物かが、こういうところでわかるじゃないか)と、意を新たにした思いです。
そして、案外に、自分の勉強のお金を「研究費」と称して人から奪い取らなくても、ちゃんとできる仕組みになっていることも、これで判明しました。