ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ガザ問題その後

メムリ」(http://memri.jp)より
Special Dispatch Series No 2219 Jan/31/2009

「ガザの勝利で道が開けた。占領者がパレスチナの地で敗北するまで戦う―ハマス幹部達の願望― 」

政治局長マシァル(Khaled Mash'al)を初めとするハマス幹部達は、ガザで勝ったのはハマスであり、その勝利が、ヤッフォ、ハイファへの道を切り開いたとし、パレスチナ自治政府(PA)にジハードと抵抗の戦いに参加せよ、と呼びかけている。
次に紹介するのは、ハマス幹部達の発言内容である。

・我々の抵抗がアラブと世界の理想になった―マシァル政治局長

「これは、我が人民が人民の地で勝利した最初の戦争である。このガザ戦争は、敵シオニストとの戦闘上の転換点になった。敵は政治の分野で敗北したように、戦場でも負けたのだ。結局3週間後に、敵は、抵抗を拘束ないし抑制する協定を手にしないで、一方的に停戦を宣言して、撤退せざるを得なかったのである。
停戦の2週間前、シオニスト存在体は調停者を介して我々に降伏の圧力をかけてきた。長期停戦(tahdia、鎮静)と非武装化を宣言して、ガザの抵抗をやめよというのである。
しかし我々は、政治戦と武力戦で徹底抗戦を堅持した。我々はこの条件を拒否したのである。彼等は攻撃をやめざるを得なくなり、敗北を認め、無条件撤退に追いこまれたのである。我々は、我が人民の選択と力を信じていたから、頑として譲らなかったのだ…。
敵の指導者達は、いくつかの目的を果したかった。抵抗を粉砕し、敗北に追いこんで、ガザから叩き出すのが第1。第2は、イスラム共同体に敗北主義を植えつけ、ハマス支配をやめさせ、ミサイル発射に歯止めをかけることである。結果はどうなったか?抵抗は不屈の精神を発揮し、戦力に違いがあるにも拘わらず、同等になった。ミサイル発射は続き、我方の人民は抵抗に馳せ参じ、動じることがなかった。ハマスは、イスラエルが撃滅に躍起となったが、逆に力をつけた。抵抗はすでに浸透し、アラブ共同体と世界が理想とするところとなったのである」。
・無意味な政治交渉をやめ勝利の日まで戦え
「アラブ内部の和解が始まり、嬉しく思う。もっとも和解が成立したわけではないが。我々はパレスチナ諸派の和解を模索している。しかしながら、ガザの教訓に学んだ我々は、抵抗と力を基本路線にした諸派の和解を求める。無意味な交渉とか合意、カルテットのつくった枠組を条件にしないでのである。我々はパレスチナ諸派の話合いを望む。しかし、そのためには、ガザで起きたように、勝利の日までウェストバンク住民の蜂起と抵抗が続くことが前提条件となる。
更にもうひとつの前提条件が、抵抗戦士(注、ウェストバンクでPAが投獄したハマス活動家)を釈放し、抵抗の武器の神聖さと合法性を認めることである。この前提条件をベースにして初めて諸派の話合いが可能となる」※1。
PLOの時代は去った、新しい最高機関が必要―政治局長とスポークスマンが言明
カタールで開催された?ガザ戦勝?記念集会において、マシァルは次のように言明した。
パレスチナ諸派が率先して?驚くべき?行動にでて、?新しい民族最高機関の設立?に向けて動いている。将来この機関がパレスチナ内外のパレスチナ人を代表することになる。すべての勢力、諸派を統合する機関である。PLOは、今日の状態からみて、最早パレスチナ人民の最高機関ではない。パレスチナの郷土分断を意図する機関になり果てた」※2。
この集会で、ハマスのスポークスマンであるバルホウム(Fawzi Barhoum)もパレスチナ自治政府(PA)に次のように呼びかけた。
「身を退き休め。君達は消耗した。休まなければならない。立場が変ったのだ。こちらに勝利あれば、そちらは賭けに失敗したのだ。もう充分ではないか。もう君達の御時世ではないのだ。時計の針を戻すことはでない。人民が選んだ道、即ちジハードと抵抗に参加せよ」※3。
・ガザの勝利がエルサレムへの道を切り開いた―ハマス幹部ラドワン
同じく集会でハマス幹部ラドワン(Isma'il Radhwan)は、次のように言った。
「ガザの勝利が、エルサレム、ハイファ、ヤッフォ、ネゲブ地方、ウェストバンクへの道をきり開いた。ガザだけが我々の事業ではない。ガザとパレスチナを含むのである。我々は、パレスチナの地で占領者が敗北するまで戦い続ける」※4。
・武器取得の邪魔をするな―ヨーロッパに注文をつける政治局長
このカタール集会で、マシァルはヨーロッパに対し次のような注文をつけた。
「恥を知れ。我々に対する侵略行為をとめることができず、抵抗の武器の入手を不可能にしたのは、まさに犯罪行為である。この政策を続けるならば、ヨーロッパと西側諸国の眉間に恥知らずの刻印が押されることになる…。
ハマスは闘争によって、そして選挙によって合法性をかちとった。そのハマスと互恵関係を結ぶ時がきているのである…」※5。
マシァルはアメリカのミッチェル中東特使にも注文をつけ、抵抗運動を無視するな、と次のように言った。
「抵抗運動を無視するならば、政治交渉、治安対策、軍事行動はすべて失敗する」※6。
※1 2009年1月21日付www.palestine-info.info
※2 2009年1月21日付(ロンドン)Al-Sharq Al-Awsat
※3 同上
※4 同上
※5 同上
※6 2009年1月29日付(カタール)Al-Sharq
(引用終)