ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

クリスマス・プレゼント

「プレゼント」とは、「存在」の意から派生して、「誰かに与える行為を象徴する物品」を指すようになったのだそうです。
というわけで、降誕祭前夜に当たる今日の午前中、大きな箱三つがプレゼントされました。(この三という数字に意味があることは、繰り返すまでもありません。)二人がかりで箱を抱えた配達の女性が、階段を上るのに息を切らしていて、申し訳なく思いました。我が家にはエレベータがないので、ワゴン車も使えず、宅急便の人は大変です。どうもこの時期は短期アルバイトが入るようで、今日も初めて見かける若い女性達でした。
今、私の勉強部屋兼ダイニング・キッチンは、ちょっとした古書店風になっています。そうです、あしながおじさまから、大量のご本(計63冊)を送っていただいたのでした。なかなかの壮観で、少なくとも学部生時代には、図書館と言えばこのような本が並んでいるところ、というイメージでした。私の卒業した国文学科では、1年生から演習があり、古代から昭和初期までの長きにわたって、虫食いの寺社縁起写本も含めて、古い文献を手作業で調べるのが当然の課題でしたから、なつかしい気分になります。最近の大学図書館は、オープンで明るくて楽しくて敷居が低くなったのはいいのですが、何でもパソコンで、便利にはなったものの、昔のような厳粛さにいささか欠けているようにも...。一長一短とは、このことでしょうか。
せっかくですので、送っていただいた本のリストをここでご披露させていただきます。
矢内原忠雄全集(計29巻)
矢内原忠雄『土曜学校講義』(計10巻)
・三谷隆正全集(計5巻)
・塚本虎二著作集(計4巻+1冊)
・関根正雄著作集(計2巻)
・山本書店出版 (計10冊)

そして、山本七平氏の一冊と池田裕先生の『旧約聖書の世界』(三省堂)もおまけに(?)含まれていました。
池田先生のご著作は、同書で別の版を持っております。以前、東京の会場で「(私の著作の)どの本がおもしろいですか」と先生から問われて、急に頭に血が上ってしまい、その場で題名を正確に思い出すことができませんでした。こういうところが、私の弱点です。いろいろな先生や主人からも「大丈夫だから、もっと力を抜きなさい。そのままでいいから」と頻繁に言われるのですが、やっぱり緊張しますよね、偉い先生の前で...。
本題に戻りますと、一見、古い本のようなのですけれども、今の時代、私の世代がしっかりと読み直すことが、この先、非常に重要になってくるのではないか、と思うのです。例えば、マルクス主義について、「かつてのように宗教弾圧はできないことを歴史から学んだが、社会主義までは復興できる」という考え方が、最近、出始めているようです。また、植民地支配に関する事情も、単純に批判するのではなく、それぞれの背景およびその哲理を、もっと丁寧に理解する必要があるのではないかと思います。世論がどのような方向に向かうにせよ、その意味で、上記の文献は、いずれも私にとって重要です。マレーシアやインドネシアという地域は、日本から地理的に近いのみならず、日本人にとって親しみやすい文化習俗を有しているという点で、かえって物事の本質が見えにくくなってしまっている面もあるかもしれないでしょう。
今後の歩みを展望しつつ、あしながおじさまがあしながおじさまでいてくださることを、改めて感謝申し上げる次第です。