ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

久しぶりの京大そして...

今日は、久しぶりに京都大学を訪れました。といっても、実は間違えて行ってしまったのです。
マレーシア研究会関西例会からご連絡が入り、今日から明日にかけて、お懐かしい(!)マレー農村研究の大先達のご講演に引き続き、今後のマレーシア研究の展望を語り合う、という貴重な会合が開かれるとうかがっていました。直接的には私のテーマとは関わりがないのですが、今だからこそ語れるかもしれない当時の現地調査のエピソードなども聞けるならば楽しいだろう、などと思って、出かけて行きました。ところが...。守衛さんにも2回、研究者の方にも1回、東南アジア研究所とアジア・アフリカ研究センターが合併した建物の一階で勉強していた学生さんにも1回、印刷したメールを持って会場を尋ねてみたのですけれども、「さあ、もっと早い時間なら、学生が看板持って立っているんじゃないですか」とか「研究棟が違うと、催し物もわからないんで」などというお返事。結局、キャンパスをぐるぐる50分間も歩き回った挙げ句、あきらめて帰宅することにしました。
家でパソコンを開いて調べてみると、なんと会場は、上賀茂神社近くの比較的新しい大規模な文理融合研究所だったのでした。メール連絡をくださった方が京大の専任なので、つい、しばらく前の感覚でキャンパス内だと勘違いしていたのですね。
それにしても、しばらく自分のテーマに没頭しているうちに、T教授はその研究所の所長に昨年からご就任されていたことに気づかないままでいました。また、研究所のネットワークが日文研や民博などで、いかにも関西風のスケールの大きいユニークな構想だということを知り、うれしく思った反面、(やっぱりここには自分のテーマの居場所はないんだなあ)と、十数年前を再現させられたような思いもしました。
先日のキリスト教史学会では、つまるところ、世の中は政治力、または鼻息や肺活量の大きさだ、という話が出ました。物事の見方はさまざまあるはずなのに、ある一面だけが、強い人の手によってあちらこちらで書かれ、話されると、一般の人は判断できずに、それが主流かと思ってしまうことが多い、ということです。昔から、そういう傾向はわかっていたものの、自分が心底納得できないことがあっても大樹にぶら下がるというのは、なんだか芸がないような気がして...。
それはともかく、会場を私に聞かれた学生さんは、友達と勉強中だったのに、すっと立ち上がって、「せっかくここまで来てもらったんで」と、一緒に建物を探してくれました。途中で、申し訳なく思った私の方が遠慮して帰ってもらったのですが、今の京大生って、こぎれいで育ちのよさそうな若者が増えたなあと改めて思いました。うちの弟も、学部から博士課程まで、過去9年間お世話になりましたが、もう少し泥くさかったような...。昔なら、京都弁ばりばりで話し、身なりを構わず、斜に構えた感じの武骨な若者が目立ったように記憶していますけれど、これも時代の流れ、なのでしょうね。
というわけで、今日の外出は残念でしたが、諸先生方のお仕事は、もちろんずっと前から拝見させていただいているので、過去を知らないかもしれない若い人向けの講座でもあったのだと勝手に解釈して、無理矢理、納得することにしました。
今朝は、英文書が新品で届きました。Stephen Batalden, et al. (eds.)“Sowing the Word: The Cultural Impact of the British and Foreign Bible Society 1804-2004Bible in the Modern World 3”, Sheffield Phoenix Press, 2006です。マラッカの地名は二カ所出てきますが、特にマレーシアなどが焦点になっているわけではありません。しかし、こうした全体の流れを理解することで、細部の位置づけも明瞭化できるのではないか、と思います。聖書関連は、研究に終わりがなく、体が動かなくなっても気力さえあれば、ずっとテーマが続けられるので、本当にありがたいです。
また、大きな封書が名古屋から届きました。熊本の学会でご講演くださった女性からで、英語のお手紙と女性学グループの英文エッセイ集が入っていました。ご講演では、とてもつややかでアナウンサーのように美しく前向きな話し方をされ、強く印象に残りました。お父様が熊本大学の先生でいらしたのだそうです。アマゾンで調べてみると、主婦向け英語学習指南書のような本も出版されているようで、非常に励まされました。

キリスト教史学会は、対象とする地域や時代や手法が違っても、根本に聖書のメッセージを共有する研究者が集まっていることもあり、すぐに親しくなれるところが魅力です。大切にしたいご縁だと思います。