ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ギドン・クレーメルの著作三冊

早速、待ちに待ったかいあって、午後三時には、近所の図書館からメール連絡が入りました。ギドン・クレーメルの邦訳版の著作三冊が入ったとのことです。本当に便利になり、ありがたい限りです。手続きなどの仲介役のお仕事に携わってくださる方々とシステムのおかげで、多少は知的水準がアップすればいいのですけれども...。利用者の中には、わがままな人もいて、電話で書名を告げて、「明日すぐに借りたい」とおっしゃるとか。木曜日の午前中までに予約票を提出しなければ、金曜日に間に合わないという仕組みなのに、ルールを守ってこそ気持ちよく利用できることを忘れていらっしゃるような...。
・『ちいさなヴァイオリン:ギドン・クレーメル自伝』(Kindheitssplitter山本尚志/馬場広信(訳)リブロポート1995年
・『琴線の触れ合い』(Obertöneカールステン・井口俊子(訳)音楽之友社(1997年)
・『クレーメル青春譜:二つの世界のあいだで』(Zwischen Welten臼井伸二(訳)アルファベータ2007年

考えてみると、研究関連でさまざまな予定が詰まっていて、どうも本を読む時間がなさそうなのですが、読み応え充分の三冊のようですし、いずれも大変興味深そうな内容です。このような音楽家の人生に触れることで、自分も鼓舞されるように感じますので、両輪立てで何とかやっていきたいものです。
しばらく前まで、問題意識はあっても、どこから手をつけたらよいのかもわからず、データも入手が難しくて鬱々としていたのに、このところ、まるで霧が晴れたように不思議に前向きになってきたことが、とてもうれしく思われます。研究発表を続けていくと、思いがけず応援してくれる人が現れたり、「おもしろい」「興味を持った」「知らなかった」などと認知が広まったり、研究者のお仲間に入れてもらえたりして、孤立した気分から、徐々に心理的に安定感が与えられ、起動力がかかってくるのかもしれません。
最近はどこでも、「科研費とっちゃえ、とっちゃえ」とか「どうして大学で教えないんですか」などと、お声をかけていただけるようになりました。もちろん、私なりの事情があってのことですが、こう言っていただけるとは、ある意味でとても幸いなことと感謝しています。この調子で、少しずつでも前進できればと思います。
「女の人生、長いスパンで考えるように」という緒方貞子先生のご助言は、恐れ多くもこの私にも、ちゃんと生きています。