ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

共に学ぶ環境

今朝、久しぶりの京大へ行く前に、アメリカに注文してあった古本が届きました。ヒッティの『アラブの歴史』(10版)で、2002年の出版です。先日、マレーシアのDr. Ng Kam Wengとのメールで言及がありましたが(参照:2010年6月15日付「ユーリの部屋」)、日本語訳でしか読んでいなかった私は、肝心なところで、該当箇所の章を伝えるのみで、正確な引用ができなかったため、慌てて入手したというわけです。

Philip K. Hitti,“History of the Arabs: From the earliest times to the present”, Revised Tenth Edition, Palgrave, Macmillan, 2002.

これを見る限りにおいて、数年前よりも、アメリカ古本の品質がよくなったように思います。以前ならば、かなり汚れてベタベタしたり、図書館蔵書の印が押してあるような本が、平気で「良」ランクで売られていました。こちらとしては、とにかく原文で読めることが必須だったので、あまり気にしないようにしていましたが。
学会は、内容がすべて理解できたわけではないものの、やはり雰囲気が楽しめました。ドイツ近現代史やドイツ現代哲学を専門とされる京大と阪大の名誉教授のお話をそれぞれ聴いた後に、若手中堅三名がコメントをし、それに講演者お二人が応答するという形式で、予定時間を少し超えるほど、熱気のこもったものでした。
これは、若手への教育的配慮もあるのでしょうが、名誉教授だからとて、安穏と居丈高に座ってはいられないことの証でもあります。何よりも、いつまでも共に学ぶ姿勢と「対話」重視の実践だとも思いました。学会というだけで権威主義になるならば、なかなかこうはいかないでしょう。手作りのよさというのか、新しいものを自分達で作り上げていこうという意気込みを感じました。
集まった方達も、若手のみならず、白髪頭の層も多く、興味深く思いました。こういう雰囲気そのものが好きなのです。
明日は数名の研究発表です。いい時間が過ごせ、刺激が与えられることを期待しています。