ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

アメリカの女性学者と音楽の話と

今日も一日中、Jessica Stern氏の著作を読みふけっていました。
You Tubeにも2件ほど氏が登場する映像の投稿があり(2001年9月同時多発テロ事件の約2週間後のテレビ出演と2004年のダボス会議でのパネル発言)、念のため見てみましたが、声も話し方も服装も態度も、本から受ける印象をほぼ裏切らないものでした。髪型や風貌から、一瞬、(これは数年前のアメリカ版酒井啓子氏では...)と思ってしまいましたが、いかがでしょう?もちろん、切り口もトーンも全く違いますが。
ロシア文学が好きだったことがきっかけで旧ソ連に留学したり、化学の専攻であったりした経歴をフルに生かして、平和と戦争というテーマが見事にうまくマッチした事例だと思います。また、ユダヤ系ということで、自然と世界情勢に敏感にならざるを得ない背景を持ち、しかも専門家ではなくとも常識として一神教に詳しい点、非常に有利な境遇だとも思いました。(手持ちの辞書によれば、お名前のJessicaは、「ヤー」(神)は見ている、というヘブライ語の意味を持つそうです。)
ともかく、選択や物腰に聡明さと賢さが表れていて、しかも率直で誠実な表現を用いるところに感銘を受けました。著者が住んでいるというマサチューセッツ州ケンブリッジ周辺は、2005年8月、主人と一緒に散策した場所でもあり、遥かなる旅の思い出と共に懐かしさを覚えます。端正で落ち着いた知的なたたずまいの高級感のあふれる美しい地区でした。ジョギングで体を鍛えている若い男性が、何人もチャールズ川沿いを走っていました。

ところで、借りてきた本とCDの話がまだ済んでいませんでした。
本の方は、後藤乾一原口竹次郎の生涯:南方調査の先駆早稲田人物叢書 早稲田大学出版部1987年)です。ハートフォード神学校の話が出てくるので、参考までに読んでおかなければ、と思った次第です(ハートフォード神学校については、2007年9月18日・10月23日・11月12日・12月4日・2008年4月14日・4月16日・4月17日・4月18日付「ユーリの部屋」参照)。パラパラとページを覗いてみたところでは、私の観点とはかなり異なる記述が見られます。やはり、本は批判的に幅広く読まなければなりませんね。
今は、グレン・グールドの弾くブラームスのラプソディ第一番を聴きながら、これを書いているところですが、大好きな曲の一つです。結婚前、私は第二番の方のラプソディをピアノ・レッスンで習いましたけれども、これも夢中になれる曲でした。ブラームスは、ショスタコーヴィチと並んで、感性や気性の点でとても響くところがあります。音楽のいいところは、想像を膨らませて自由に心的飛翔ができることです。
話を元に戻しますと、借りたCDは次の通りです。
・「ラロ・スペイン交響曲 作品21/サラサーテチゴイネルワイゼン 作品20」アンネ・ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)/フランス国立管弦楽団/小澤征爾
アルビノーニアダージョ:ミュンヒンガー/バロック音楽の楽しみ」シュトゥットガルト室内管弦楽団ウルリッヒ・ブレムシュテラー(オルガン)(パッヘルベルのカノンとジーグ・J.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」「羊は安らかに草をはみ」・ヘンデルの「シバの女王の到着 歌劇「ソロモン」第3幕より」「オルガン協奏曲ヘ長調 作品4-4」歌劇「ベレニーチェ」序曲)
テレマンヘンデル/オーボエソナタ集」マリリン・ザブニック(オーボエ)/マーク・シューマン(チェロ)/レイモンド・レッパード(チェンバロ) 

アンネ=ゾフィー・ムターさんは、6月6日に大阪のフェスティバル・ホールでの第50回国際フェスティバルでお目にかかれる予定です。また、テレマンについては、我が国にテレマンを紹介された延原武春氏が指揮される第67回教会音楽連続演奏会が6月15日に日本基督教団東梅田教会で開かれるので、これまた楽しみにしています。
そういえば、9月23日には、ギドン・クレーメル氏が大阪のシンフォニーホールで演奏会を開かれるのです。もちろん、行きます!
というわけで、音楽は、たくさんの喜びと出会いを与えてくれる貴重な存在です。

末筆で恐縮ですが、今日はドイツの敗戦記念日です。ヴァイツゼッカー元大統領の演説「荒れ野の40年」を思い出します(岩波ブックレットNo.55)。(ドイツ語のテクスト("Aktuelle Nachrichten im deutschen Rundfunk Nr.46/47)と演説テープも持っています!)また、イスラエルの60周年記念にも相当します。こちらは、情勢が依然として微妙ですので、これ以上は控えさせていただきます。