ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ミーチャ@DSCH(1)

昨日は、今年3月にイスラエル旅行でご一緒した女性から、記念誌に掲載された拙文に関して、ご丁寧なお葉書を頂戴しました。私共の世代だと、自己中心のせいもあり、忙しくて時間がないのか、他の人の書いた文章に対してコメントを寄せるという習慣が何となく薄れてきてしまっていますが、さすが60代ぐらいの方達は、その辺りがとても律儀で、思いやりに溢れていらっしゃると思いました。旅行中は、私の世代が一人もいなくて、どこか中途半端な気もしないわけではなかったのですが、かえって気を遣っていただいていたのだなあと改めて感謝しております。

さて、本題に入ります。これから折に触れて、「ミーチャ@DSCH」シリーズを「ユーリの部屋」で連載できれば、と考えています。
「ミーチャ」とは、ドミートリ・ショスタコーヴィチ氏の愛称です。可愛らしい響き、といっては大作曲家に対する冒涜かもしれませんが、天才肌の、眉間に皺を寄せた小難しい顔つきのあのショスタコーヴィチが、家庭内や学校で「ミーチャ」と呼ばれていたなんて、思わず親しみがわくではありませんか。
DSCH’は、ショスタコーヴィチの音楽に親しんだ方なら誰でもご存じの、自分の名前の綴りから抽出した彼自身のモティーフです。もちろん、音名を表現していて(ただし‘S’は‘Es’音を意味する)、曲の中に巧妙に埋め込まれているのです。わかる人にはすぐわかる仕組みになっていますが、曲を聴いていてこれに気づいた途端、私はショスタコーヴィチに夢中になりました!

東京から帰った翌日、予約しておいた本を、早速、近所の図書館に借りに行きました。

・『わが父ショスタコーヴィチ』 (語り)ガリーナ・ショスタコーヴィチ/マキシム・ショスタコーヴィチ (編)ミハイル・アールドフ (監修)田中泰子 (訳)「カスチョールの会」音楽之友社 2003年
・『作曲家◎人と作品シリーズ ショスタコーヴィチ』 千葉潤 音楽之友社 2005年

それから、CDも、珍しくショスタコーヴィチひと筋に揃えて、借りました。
・『ショスタコーヴィチ 交響曲 第5番・第9番 ゲルギエフ指揮・キーロフ歌劇場管弦楽団』 フィリップス社 2002年
・『ショスタコーヴィチ 戦争交響曲集 交響曲第4番―第9番 ゲルギエフ指揮・マリインスキー劇場管弦楽団 他』 フィリップス社 2005年 (CD5枚)
・『ショスタコーヴィチ アニメーション映画のための音楽《司祭と下男バルダの物語》トーマス・ザンデルリンク指揮・ロシア・フィルハーモニー管弦楽団』 ドイツ・グラモフォン社 2006年

ノートにメモもとったので、次の発展材料として、下記のものを借りる段取りを考えています。

・『驚くべきショスタコーヴィチ』 ソフィア・ヘーントワ/亀山郁夫(訳)  筑摩書房
・『ショスタコーヴィチ大研究』 春秋社
・『ショスタコーヴィチ: ある生涯』 アルファ・ベータ社

この次に借りたいCDは、サラ・チャン演奏の『プロコフィエフショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲』の他に、『ロシア・ヴァイオリンの巨星たち』『ショスタコーヴィチ作品集』ですが、昨年がショスタコーヴィチ生誕100周年だったためか、さすがに人気があるようで、貸出中でした。
まず近場で借りられる範囲で、知っている演奏家のものを聴いて、本当に手元に置いて何度も楽しみたかったら、レビューを吟味して購入する、これが私のパターンです。特にマニアというタイプでもなく、ごく普通の楽しみですから。

それから、ショスタコーヴィチに関する充実したサイトが見つかりました。関西在住の大学教員で、ご専門は別分野にお持ちなのに、ショスタコーヴィチの資料と鑑賞において、既にアマの域を凌駕している方なのです。と書けば、ご存じの方も多いのでは?そうです、http://homepage2.nifty.com/shostakovich/ の工藤庸介先生です。日本語版と英語版の両方があります。その他に、“Music under Soviet Rule”という英文サイトも(http://www.siue.edu/)、作成者が既に亡くなったらしいのですが、私のような初心者にとっては、結構おもしろかったです。

まだ蒸し暑い日々がダラダラと続いていますが、ショスタコーヴィチのおかげで、もうすぐやってくるであろう「読書の秋・音楽の秋」には、充実した時間が過ごせそうです。

今日はこれから、また大学病院です。先々週の結果を聞きに行くのです。ふぅ!最上階のスカイレストランでの食事を楽しみに、では、行って参ります。