マレーシアを機縁に
昨日は、近所の図書館から凄い本を借りてしまった。
辻元清美氏が選挙区(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100328)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151202)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170511)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171002)としている人口約三万人の小さな町の図書館に(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170119)、このような本が入っていたということ自体、ちょっとした驚きでもあった。
買い物のついでに立ち寄れるので、時間短縮のために最大限、活用してきた図書館だが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C4%AE%CE%A9%BF%DE%BD%F1%B4%DB)、一時期、左翼的な本ばかりを入り口に並べていたり、定期購読して棚に並べてある雑誌に明らかに新左翼系が目立ったこともあり、やや気になっていた。
想像するに、図書館で働いている主婦系スタッフは、多分、新聞やテレビで話題になっていたからというので、町民に読書習慣をつけて欲しいという意図で、日替わりトピック・メニューとして目につく場所に並べていたのではないだろうか。
しばらく観察を続けた後、思い切って「私の声」に投書してみたところ、徐々に保守系中道雑誌も並ぶようになり、バランスが取れてきた。
日本の歴史を振り返れば、重要な一地域のはずなのだが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080419)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161121)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170630)、高層マンションが建ち並んだ頃から、都市部で育った中間層のサラリーマン核家族を狙って、いわゆる団塊世代の草の根市民グループが働きかけてきたのだろうと思われる(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160715)。
羽仁五郎氏が『図書館の論理』という本を書いて世の中を煽動していた時期があったので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160129)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160211)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170205)、その余韻ないしは余波には、相当に気をつけなければならない。
さて、昨日借りたのは、厚さ4センチほどの重厚な装幀の書物である。
お写真もたくさん掲載されており、高円宮殿下の御足跡を学ぶには好適だと感じた。
1990年代初頭、クアラルンプールの事務所で、ほんの数メートル先でお目にかかったことがあるので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161028)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170822)、本当にお懐かしく、今もいらしてくださったならば、東宮家がもっと安定した状況でいらしたのではないだろうかと、残念でならない。
最近、世相を知るために、皇室について気楽に感想を書いている個人ブログを、幾つか定点観測として見ているが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170913)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170918)、コンピュータ・デジタル脳というのか、非常に平板かつ表層的かつ感情的かつ単純で、もし組織的戦術でないとすれば、お互いに似たレベルで同じような話を各宮家応援団に分かれてバッシングし合っているようで、非常に見苦しい。
但し、秋篠宮家に関して私が少し批判的だったのは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%BD%A9%BC%C4%B5%DC)、三つの理由からである。(1)学業や大学の問題。国民の中に真似をする人が出てきて、社会が澱んだとすれば困るだろう。(2)紀子妃殿下のご実家の親戚筋。どうもスキャンダルになるような出来事が幾つかあったようである(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C0%EE%C5%E8%B2%C8)。(3)眞子内親王殿下のご結婚相手の男性。25歳にもなるというのに進路が曖昧で、すぐに職を変えているらしい点、能力と人柄に不安定さと不信感を残す。
それ以外については、どこにも所属していない私にとって、全てあるがまま受け留めるのみである。
気になった点としては、なぜ東宮妃と秋篠宮妃を「嫁比べ」しているのか、ということである。第一、皇族は国民とはお立場や役割が全く異なるのに、なぜ庶民レベルにまで引き下ろして、「長男夫婦」と「次男夫婦」の間の男児の有無や舅姑との関係を基軸に、女性誌等がわざわざ煽り立てているのだろうか。
そして、数年前までは敬愛していたはずの天皇皇后両陛下に対しても、何を根拠にしてなのか、とんでもないことを平気で書き連ねている女性ブロガー達が目立つ。
以前にも書いたように、私はマレーシアで両陛下と直接お目にかかり、特に美智子皇后陛下からはお言葉を賜ったので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091112)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120311)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131223)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161101)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170823)、何をか況や、と思う。
高円宮殿下は当時、私共の目の前で、「天皇皇后両陛下は、先頃のマレーシア御訪問がとてもよかったとおっしゃっていた」ことをお伝えになり、それを受けて国際交流基金のクアラルンプール所長が、私共にとっても「大変貴重な良い時となりました。マレーシア側も喜んでいました」という意を述べた。すると殿下は、「それはよかったですね。では、来週、お目にかかるので、そのようにお伝えしましょう」とおっしゃった(http://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/shinzen/gaikoku/gaikoku-h01-10.html)。
短い時間ではあり、大変に緊張したが、振り返れば、これも必要な経験だったと思われる。
というのは、高円宮殿下は、皇太子殿下のよき相談相手でいらしたのみならず、天皇皇后両陛下のメッセンジャーでもあられたからである。
次の天皇になられる東宮家を支援するあまり、その御両親の天皇皇后両陛下をバッシングするというのは、あまりにも高円宮殿下のお役目を反故にすることになりはしないだろうか。
また、長い国史を担って引き継ぎをされる節目の大切な時を、むざむざと壊していることにならないだろうか。
ともかく、「マレーシアに行ったから、まともな結婚ができない」「妹や弟の縁談にも差し障る」「今すぐ、断ってくれないか」等と、家族から罵倒され、追い詰められ、家から追い出されてきた私が(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161101)、二十年以上経った今ようやく、そのマレーシア派遣の源であった高円宮殿下のご勤務先について、上述の書を通して学ぶことになったのだ。
今年になって、ルーツ辿りの旅を幾つかしてみて、やっとはっきりわかってきたことがある(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170611)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170727)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170728)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170729)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170905)。
それは、やはり戦後思想は、戦前をほぼ全否定するかのような価値観の大転換が急激に起こったため、よろず経済復興中心であり、メディアや学校教育制度の上で、社会主義思想ないしは文化的マルクス主義思想の影響を受けていたことが否定できないということである。
天皇家や皇室全般についても、昭和天皇の「戦争責任」を機に、その権威や威信が縮小されてしまったので、突然、付与された個の尊重および言論表現の自由権と平等観念を国民が持て余してしまったのではないだろうか。
従って、高円宮殿下がお勤めでいらした国際交流基金についても、文化欄で記事が時折掲載されていた『日経新聞』を実家では長年購読していたにも関わらず、「聞いたことがない」「どういう団体なのか」等、親自身が無知丸出しであったのだ。
世が世なら、不敬罪である。
両親に学歴がないというなら、話は別。だが、少なくとも名古屋ではトップの伝統校を大学まで出たということ、高度経済成長期に終身雇用と年功序列で当時の花形職業を一直線に過ごしてきたことが、それ以外の知識を無用なものとしてしまい、価値観を一つに固まらせてしまったのかもしれない(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170901)。
今年に入り、マレーシアでの私の元職場を、皇太子殿下がお一人で御訪問された(http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/show/17#79)(http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/showEn/17#79)。ナジブ首相ともセルフィーを通して笑顔でお写真におさまり(http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/16/crown-prince_n_16054394.html)、温かくてご寛大かつ茶目っ気充分な東宮様である。
研究上はいろいろと難航したものの、マレーシアを機縁として、天皇家や皇族の方々の御足跡に触れる機会を、はからずもこの私もいただいていることを、この上なく幸いなことに思う。