ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

日本を壊そうとする動き

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「“やまとことば”に表れる日本人の心」
2015/09/04 (Fri)


・7月に霧島国際音楽祭に夫婦で招かれて、霧島を訪れた。
・音楽祭は満天の星空に、霧島神宮の社殿のわきに設けた舞台に、グランドピアノを据えて、篝火が焚かれるなかで催された。
・私たちは堪能した。篝火は縄文時代から夜闇を照したが、つぎつぎとクラシック音楽が力強く演奏されて、遠く離れている西洋と、日本の文化が融合して、古代の日本では想像すらできなかった、感興に浸った。
鹿島神宮の御祭神は「あまつひこひこほのににぎのみこと」で、天照大御神の孫の瓊瓊杵尊として知られる。みことは日本を治めるために降臨されたが、いまの若者はギリシア神話のビーナスなら知っていても、日本神話についてどれだけ知識があるものだろうか
・翌日、私たちは鹿児島を巡った。桜島が眼の前にひろがる、島津藩邸があった仙巌園のなかに猫神社がある。いまから400年前に秀吉が朝鮮征伐を行ったときに、島津藩も出兵したが、7匹の軍用猫を連れていった。5匹が討ち死にし、2匹が凱旋した。
島津藩主が7匹の猫に感謝して、神社を建立したのだった。猫たちがどのように活躍したのだろうか。外に看板があったが、猫の目を時計替わりにして、時間を知ったのだった
・日本では古来から動物や、森を拝んできたが、素晴らしいことだと思う。日本では人も動物や、魚、虫、山川と一体だと信じて、人間がその上にあるという発想がなかった。
・日本では西洋から学んで、近代化を進めた文明開化が行われるまで、日本語に「自然」という、異様な言葉が存在していなかった。
・自然は西洋語の「ネイチュア」の新しい翻訳語である。日本人は万物が共存しているとみなしたから、古来から人種差別が行われたことがなく、海外から仏教が到来すると、神仏が争わずに、「神様仏様」といって混淆(こんこう)した。海外のように宗教抗争や、奴隷制度が行われたこともない、差別しない文化だった。
・「宗教」という言葉も、明治にキリスト教が入ってきてから造られた、明治訳語である。それまでは、宗門、宗旨、宗派といって、宗派間でいがみあうことなく共存していた。
・「神話」も明治訳語の一つだ。それまでは「ふること」といった。そこで今日のように、「神話が崩壊」することはなかった。
・今日の日本語のなかには、おびただしい数の明治訳語が我が物顔をして、氾濫している。日本に漢字が入ってきたのは、3世紀の卑弥呼のころだったろう。ところが、それから1700年もたったというのに、漢字を組み合わせた漢語が、私たちの胸を打つことがない。  
・「国家」「生命」「憧憬」「慕情」「幸福」「恋愛」といっても、心から遠い。漢語が到来した以前のやまとことばで、「くにのためにいのちを」「あこがれ」「したう」「しあわせ」「こい」というと、心を揺ぶられる。
・私たちが古代の心を失わないでいるかぎり、日本人はしあわせであり続けるのだ。

(部分引用終)
上記の「霧島」「桜島」「仙厳園」を訪れたことがあるので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140209)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150209)、早速引用させていただいた。
あれから思い出を書くことが中断してしまったが、少し補足を。当時、宿泊したホテルで「お神楽があります」とチケットを無料で渡されたので、用意されたマイクロバスで主人と出かけた。立派な霧島の音楽堂では、お神楽の力強い太鼓の演奏を堪能した。女性達の逞しさと勢いに圧倒され、これが鹿児島の活力や明るさを支えているのだと感じた。
広大な仙厳園は、時間の関係でとても全部を回り切れなかったが、訪れてよかったとつくづく思う。
桜島の噴火を巡るニュースを聞いた時、訪れる時期に恵まれたことを感謝すると同時に、地元の人々の労苦も....。

アゴラ(http://agora-web.jp/archives/1654010.html


「左翼の将来像」
松本 徹三


・「左翼」勢力とは、暴力革命によるか議会民主主義の手順に従うかは別として、資本主義経済体制を打倒して、国家計画経済体制を樹立させる事を目的とした勢力。


・「軍備を持たない」とか「原発は廃棄する」とかいう政策は、何れの場合でも本来の「左翼思想」とは何の関係もない。いわゆる「リベラル」や「環境保護」も同じである。


・かつてのソ連や現在の中国・北朝鮮は、どんな国よりも熱心に軍備増強を推し進めたし、原発はおろか核戦力の増強にも精力を傾けている。生産力の増強を環境保全よりも上位に置く姿勢も、これらの国では明確だ。現在の中国を「リベラル」と考える人は先ずいないし、そもそも国家計画経済というもの自体が「リベラル」な考え方とは相容れないものだ。


・気勢を上げているのは、「反安保」「反原発」などのテーマについてであり、一方、ここに集まった人たちの多くは、昔から左翼活動をしていた人たちのように見受けられることから、「左翼」と「反安保」「反原発」は何となく一括りにされているようだ。


・一様に共通するのは、政府の方針を批判することにかけては舌鋒鋭いが、「中国の覇権主義や軍拡の脅威」とか「国民経済を支えるエネルギー政策」とかいった「自分たちに都合の悪い話題」には沈黙するという、万年野党の日本共産党同様の「かなり無責任な対応」である。


・「左翼」の定義についての結論を急ぐなら、日本の場合は「日本共産党」を一応「典型的な左翼政党」と位置づけ、この党の政策に近いものは「左翼的な政策」と定義するのが、乱暴ではあるが、結局のところ一番分かり易いような気がする。


日本共産党自身は、良し悪しは別として、職業的な能力が身についた人たちによって支えられ、長期間にわたって一定数の支持者をキープして、「堂々たる少数政党」としての地位を保っている。しかし、その周辺にいる人たちは、その「拠って立つところ」が今なお定かでない。


・「歴史的必然として、やがては政権を取るだろう」と思われていた社会党は、自民党と連立した村山政権で文字通り政権を取ったが、これでアイデンティティーを失い、後は凋落の一途をたどった。世界各国における社会主義的な経済政策の失敗もこの流れを加速させた。かくして、現在ではこの勢力の名残は、「泡沫政党と化した社民党」と「労働組合を支持母体とした民主党の一部の議員」に残っているに過ぎない。


鈴木茂三郎の率いる左派社会党(総評系)、更に右寄りに浅沼稲次郎の率いる右派社会党(同盟系)があり、岸首相時代の反安保闘争に際しては、これらを総合した左翼勢力の動員力は相当規模に達していた。結果としては、これらを無視して安保条約の延長を強行した岸首相の決断は、その後の日本の為に明らかに良い結果を招いたとは思うが、これは文字通りぎりぎりの決断だったのだ。


・反安保闘争が挫折した後には、「選挙による革命を標榜する共産党は生ぬるい」として、公然とゲバルト(暴力)を呼号する「中核」とか「革マル」とかの過激組織が大学生を中心に組織され、多くの人たちはその無法ぶりに眉をひそめた


・(ちなみに、これらの過激組織の主敵は共産党の下部組織である「民青」であり、「ゲバ棒」と呼ばれる鉄パイプで彼等の集会に殴り込みをかけたので、民青側もこれに対抗する為に「民主化棒」という木製の棒で武装した。このような事から、「これらの過激派組織の背後には、『羊の皮を被った狼である共産党』の勢力拡大を何よりも恐れる田中清玄のような右翼の大立者がいて、活動資金を供与してのではないか」という噂も囁かれたが、真偽のほどは分からない。)


日本共産党の生い立ちは昭和初期に遡るが、近年(具体的には中国における文化大革命の時期)に至るまでは、モスクワのコミンテルの完全な指揮統制下にあった。この辺の事情は風間丈吉の「モスコウとつながる日本共産党の歴史」等をご参照願いたいが、私が注目したいのは、日本で若くして共産主義活動に身を投じた人たちの殆どは、純真な心を持った理想主義者で、身を呈してその理想の実現の為に働こうとしていたという事だ。これらの人々の多くが粛清相次ぐモスクワの権力抗争の犠牲となって、非業の死を遂げたり、悲惨なラーゲリ生活を強いられたりした事には、身を切られるような同情を禁じ得ない。


・悲惨な若き共産党員の物語こそが、20世紀の世界を大きく彩った「共産主義の興隆と没落の歴史」の本質を象徴的に語っていると言えないでもない。


1) 生産手段を作り出す資本を国家が一元的に管理し、計画的に活用するのだから、景気の変動もなく、最も効率的な生産活動ができる。
2) 国家の運営は労働者階級が独裁的に行うので、「労働するものが報われる」格差のない公平な社会が作れる。
3) 戦争は、産業資本家によって支えられた帝国主義国家が世界中に市場を拡大しようとして引き起こすものであるから、世界各国で労働者階級が政権を握れば、戦争は根絶できる


1) 共産主義思想は、「人間は、管理されている状況下では、働いたり工夫したりする意欲を持てず、従って生産性は極度に低下する」という事を理解できていなかった。その為、希望に燃えて出発したソ連でも、成功したのは第一次五カ年計画だけで、その後の経済は著しく停滞、国民の生活水準は資本主義体制下にある欧米諸国と比べ極めて低い水準に据え置かれた。


2) 政治を行おうとすれば、誰か(個人、又は少人数のグループ)が権力を握らなければならない。そうすると、誰が権力を握るかについて抗争が起こり、結局は「暴力で他を制したもの」がその権力を握ることになる。そして、最終的に権力を握ったものは、殆どの場合必ず腐敗し、資本主義国以上の格差社会が生みだす結果となる。


3) 権力を握ったものは、外部からの力でそれを失うことを恐れて軍備を強化し、その次には、その軍事力を周辺国の支配の為に使うようになる。こうして、主要な共産主義国は、かつての資本主義国以上の好戦的な国家となる。(ナチスドイツと手を組んでポーランドに武力侵攻したスターリン統治下のソ連は、まさにその典型だった。)


・一時は「チェンジ」というキャッチフレーズが多くの人々の心をとらえたものの、期待された民主党政権は「政権運営能力の不足」を露呈して多くの人々を失望させ、今もなお失望させ続けている。


・「反対の為の反対」をする野党ではなく、「違った角度から国政のあり方を考える野党」であって欲しいということだ。


安倍政権が傲慢にならぬように牽制する程度の効果はあっただろう。


・私は今回生まれたシールズのような学生運動は全く評価しない。将来を担う若い人たちが、このような「文化祭のノリ」程度の活動で満足して貰っては困るからだ。



・「左翼」は「共産主義」の実現を目指す「闘う集団」だった。しかし、20世紀の大部分を通しての壮大な実験の後に、「共産主義の夢」は死んだ。


・ビジョンとは「あるべき国の形」である。そして、望ましい国の形が、次の「四つの基本要素」から成り立つべきである事に、異論を挟む人は現在の日本にはいないだろう。
1) 主権在民民主的なプロセスの保証)
2) 基本的人権自由の保証
3) 平和と環境の護持(安全な生活の保証
4) 経済発展(高レベルな生活の実現と最低生活の保証)


・意見の違いを止揚する為の政治的な「闘い」とは、「政策の優劣」を争う「闘い」でなければならず、それに勝つ為の方法は、「暴力」ではなく、「構想力」と「説得力」でなければならない。


・遅すぎた感はあるが、ようやく「近代の日本の歴史」が高等教育の教科に組み入れられることが決まった。この教科では、物事には常に複数の異なった側面がある事を丁寧に教え、「その評価は異なった価値観を持つそれぞれの人たちによって違う」事を教えるべきだ。そして、継続的なディベートによって、常にその価値観の適否に肉薄するように指導してほしい。


・折角手に入れた日本の民主主義が、国を滅ぼす「衆愚政治」に陥っていく事を阻止できるだろう。


(部分引用終)
上記の説に基本路線としては概ね同意するが、一箇所、気になる点がある。

「軍備を持たない」とか「原発は廃棄する」とかいう政策は、何れの場合でも本来の「左翼思想」とは何の関係もない。いわゆる「リベラル」や「環境保護」も同じである。

全く逆で、これこそが左翼思想である。
「軍備を持たない」とは、独立国なのに自前の防衛組織を欠くという意味で、一国の体をなしていない。それこそが、国を滅ぼそうとする計略なのであって、左翼思想の最たるものだ。「原発」についても(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110328)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141106)、災害や事故発生時の危険性を充分に踏まえつつも、現在のところ、エネルギー対策として必須なのに、代替案も出さずに「廃棄する」というのは、経済活動の弱体化と停滞への道を提示している。「環境保護」は重要だが、保護ばかりしていては、育成や発展を止めてしまう。欧州の古典的な意味での「自由主義」を「リベラル」と呼ぶならばよいが、アメリカ文脈で「リベラル」と言えば、反戦運動、対抗文化、反体制の代名詞。
グラムシ流(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110819)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130108)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130311)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130402)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150402)、アリンスキー流(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140605)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140619)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20130414)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20140610)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20140629)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20140927)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20141026)の左翼運動に注目を。一見、旧来の革命運動のような左翼でないように見せながら、実は新左翼的な「静かな革命」活動の工作に乗じていることもあるので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100328)、要注意。
KGB関連の本をしばらく英語で読んできたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150805)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150815)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150904)、邦訳がないのはなぜかについても(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150809)、少し考えてみる必要があるだろう(http://ameblo.jp/typexr/entry-11444989864.html)。
いつも同じことを繰り返すようだが、今回も、パイプス先生のお父様のお仕事に感謝申し上げる(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141007)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141101)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141102)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141114)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141121)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150313)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150315)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150330)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150402)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150515)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/archive?word=%22Richard+Pipes%22)。