ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

献血の話

近くの公共施設で献血を募るために赤十字社が来るとチラシが入っていたので、おととい、生まれて初めて体験してみた。
献血は、一応は18歳から64歳まで可能ということになっている。これまで、長期にわたって気になっていながらも、なかなかできなかった。

(1)献血センターは遠方で、そのためだけに、わざわざ出かける機会がなかった。
(2)立ち寄った場にたまたま献血車が来ていても、所用のための外出である以上、前後の休憩を入れて一時間の余裕を見て献血することは、ほぼ不可能だった。
(3)チラシで近所に献血車が来るとわかっていても、当日になると、疲れていたり、献血どころではない日だったり、風邪気味だったり、とても忙しかったりして、なかなかタイミングが合わなかった。
(4)何年かしばらく、軽い貧血気味だと健康診断で言われていたので、献血は控えた方がよさそうだと自己判断した。
(5)二十歳前後は体重がまだ軽くて、規定量を提供できなかった。

などの理由で、やっとこの歳になって実現したのだった。手術の経験もなく、輸血の必要もなかった至ってシンプルな人生だったが、意欲は昔からあっても、案外に、できそうでできないのが献血である。
しかし、今年から、何か自分なりに世の中にお役に立てることを少しずつ残していこうという年齢に差し掛かったこともあり、カレンダーに記入して、何が何でも計画的に年三回を目標としようと思った。それに、昨年は日本赤十字社の会員になり、特に何をしているというわけではないが、誕生月にささやかな額を献金することに決めたのだった。

待ち時間が嫌いな性分もあり、午後4時締切の10分前に到着。採血結果で健康管理の一助になることもあってか、予想以上に自発的な申請者が私の前に三人はいらした。一人は、私より歳上の主婦らしい方で、「前回は2003年に献血されています」と言われていた。もう一人は、いかにも真面目そうな会社員風の男性。もう一人が、三十前後の、いかにも献血には慣れている感じの生きのいいお兄さん。
問診票みたいなアンケートにタブレットで答え、個人情報をコンピュータ入力した後は、血圧を計測したり、2ミリ程度テスト採血したり、血管の出方を調べたりなど。1986年3月に英国とオランダと旧西ドイツに一ヶ月滞在したのだが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140506)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140605)、狂牛病の関係でまだ問診があるとは、驚きつつも、怖かった。サウジなどは要注意国のようだ。予想に反してマレーシアは大丈夫なようで、特に質問事項はなかったが、これはマレーシア政府からの圧力によるのかもしれない。
その他に、ピアスの有無、歯石を三日以内に治療したかどうか、予防接種を受けたかどうかなど、一見、意表をつく質問があり、これでは健康な若い人でも、結構、条件に引っかかるのではないかとも感じた。
と思っていたら、「お茶を飲んでください」と、280ミリリットルの温かいペットボトルのお茶を渡された。ごくごく飲み始めたら、「全部飲まなくてもいいです」と指示。その後、歩いて献血車へ。健康診断で胸部レントゲンを撮るためのバス車両みたいだ、と思った。

今では健康診断や献血車に使われるこの懐かしい風貌のバスは、本当に昔、市バスとして都市部を走り回っていたのかしら、といつもながら思うのだが、どなたかご存じの方?
体重から、400ミリリットルの方を申し出た。痛みがあるのかと、それだけが18歳の頃から心配だったが、何も痛まなかった。(皮下脂肪のため?)
15分程度、頭を少し上げ気味にして仰向けに寝て、窓から見える工事中の現場を眺めつつ、車内で流れるラジオ番組に耳を傾けながらの血液摘出。
私は最後だったので、三人のうち二人が途中で終了。早々と片付けが始まった。どのスタッフも親切そのもので、病院よりもいい気分だった。
終わってから、元の会場に戻って「飲み物を飲んでください」。先程の残りを取り出して、飲み干し、10分ほど休憩した。
「今日は寒かったので、献血してくださる方が少なくて….」「女性の血が足りなかったんです」とのことで、1500円以上相当の、生活用品、お菓子、280ミリリットルの飲み物数種(ミネラル水やお茶やアクエリアスカフェラッテなど)、歯磨きセット、文房具(ボールペンやクリアファイル)など、思いがけず、袋に入れた品物をいろいろと渡された。
最終番に行くと、余った飲み物や記念品やらを、たくさんいただけるということを知った。
学生の頃、早速、献血を経験したクラスメートから、「献血後は、卵をもらえる」と聞いていた。タンパク質の補給のためだという。卵を期待していたのだが、あれからン十年経ち、医学も医療も進んだので、卵一個では献血のお礼にはならず、むしろ、血の流れをよくするために水分を、ということに変わってきたのだろうか。
それにしても、健康に気をつけていさえすれば、無料で必要とする方のお役に立つことができ、お礼の品もたくさんいただけ、おまけに健康管理データまでいただけるのだから、これは一石三鳥ではないか、とうれしくなった。
献血した血液は、翌日早速、必要な場で使われるとのことだった。

やみつきになりそうだ。もっと早くからご協力していればよかったのに….。