ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

テレビをめったに見ない私

...と、ブチブチ文句を書いていたら(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131210)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131211)、「わかった」とメールが届きました。
ユダヤ教イスラームの共通項の比較に関する1981年の論考文などは、所属学会でも話題になったテーマであり、私としても充分理解できるなじみのある内容なので、「この種の論考文は、私にとってずっと簡単に訳せました」と書き添えて送りました。(何より、当時のアメリカは自信に満ち溢れていて、圧倒的超大国としての余裕がありました。ご本人にとっても充実し、展望ある将来性を自他共に期待されたキャリアの開始期。9.11以降の猛々しさや騒々しさがなかった頃です。)
すると早速、(案の定)反応があり、「それとは反対のものは何なのか?」と。来ました、来ました。こう来なくちゃいけません。
そこで書きました。

一神教に関するトピックや学術論文は、私にとって、むしろ易しいです。なぜならば、これまで二、三十年間、そういうものを実質的に相当、読んできましたし、幾ばくかリサーチもしてきたからです。難しいのは、現代アメリカ政治に関するものです。なぜならば、私は自宅でめったにテレビを見ませんし(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091029)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20101015)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120922)、一市民として合衆国で暮らしたことは一度もありませんし、普段、政治問題からは一定の距離を保っているからです」「ところで、大半の日本人は共和党が好きです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121021)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130605)。どこかで読みましたが、共和党の人々は、第二次世界大戦前でさえ、アジアでは親日本だったとのことです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131127)」。

やはり、摩擦がある際には、きちんと公明正大に理由と背景を示して、同意していただけるかどうかは別としても、一応の解決だけは早めにしておかなければなりません。それが今回のやり取りでした。
お返事。

覚えておきなさい。何を訳すか選択するのは、全く自由なんだよ。なじみのない話題を扱う努力には感謝するけど、そうするかどうかを決めるのも、あんたなんだからね」。

はい。しかし、そこでまた疑問が生じるのですが、そもそも、「唐突なご依頼ですが、私なんかで本当によろしいのでしょうか?」と、こちらが一生懸命に背景説明を、最初から二ヶ月もかけてしていたのに(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)、焦ってイライラして催促されてきたのは、先方じゃないですか?だって、面識もなく戸惑っていたのはこちらなのに、丁寧なやり取りがなかったじゃないですか?ご多忙なのはわかるのですが、全体的に粗っぽいんです。荒っぽいのではなく、粗っぽい。
それでも、一生懸命にご依頼に応えて(生活のためではなく)、少しでも読者を増やすべく、関心を持っていただくべく、私なりのやり方(ブログに書いたり映像を紹介するなど)を模索してきたんですが。一方的な量産の押しつけや正論を振り回すだけでは、逆効果で空回りすることもあります。「もあります」ではなく、そういうことが多いのではないでしょうか?
「おい子分、言うことを聞け」という時代ではなくなってきているのです。権力や支配的立場の甘い味を一度知ってしまうと、なかなか抜けきれなくなるものなのかもしれませんが、世の中の価値観はそればかりではなく、全く別の領域で満足して暮らしている人達も少なくはないと思います。

「親米、親共和党、親イスラエル一神教社会に対する一定の専門的理解、クラシック音楽や学術や文学などからのユダヤ共同体への尊敬、保守中道無党派である主流社会に属する日本人の私+ポーランド親日感情」「マレーシアで政府系の仕事に関与」「夫も弟もアメリカの一流大学で勉強させていただいた経験の持ち主」「父方母方の祖母の兄弟が医学部の大学教授だった家系」から、私の条件としては、客観的に見て、ベストではないが、それほど悪くもないのでは?ただし、面識もなく、インターネットだけで接触ができた相手(私)を、あたかも自家経営の工場で働く小間使いのように、自己都合で利用した側面がなきにしもあらず、では?
それと、そういう対応そのものが、第一、日本文化の理解も称賛もまるで欠けている、という証左なのではないかと感じますけれども。それを、日本人からの「反米感情」「敵意の壁」「冷たさ」と解釈されては、こちらとしてもたまりません。大抵の外国人は、今の中国人でさえ、日本に来ると日本好きになる、と聞いておりますが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130519)。
喧嘩をふっかけるつもりはないものの、影響力のある尊敬される立場の方が、中途半端で浅い理解のまま、例証として日本を持ち出されると、日本にとっては迷惑、中東にとっても迷惑、そしてまた、米国にとってもよろしくないのではないか、と思うまでのことです。その点で、フランスや英国などの日本文化理解は、深くて洗練されていて上品だと感じています。時には、ロシアの日本理解も見事です。ドイツの日本記述もおもしろい(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120406)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120419)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121111)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130511)。超大国ではないけれども、歴史と伝統ある国の矜恃がなせるわざなのかもしれません。日本だって、目指すべきは同じだと思います。
文化が政治利用されることがある一方で、政治対立が文化によって緩和される面もあります。文化を称賛しているとおっしゃるのならば、その文化を保持している人々に対して「敵意」「誤解だ」とするのも、奇妙な気がしてなりません。