ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

一つの時代の終焉

やっと、眼精疲労が和らぎ、今日は仕事が捗りました。
昨日の午前中、少しだけですが、本棚の整理が進んだおかげで、今日は気分爽快。訳文も3つ終わりました。自分の手元にある本の書評などは、非常に訳しやすいですし、勉強にもなります。パイプス先生、一石二鳥どころか一石三鳥ぐらいの貴重な機会を、本当にありがとうございます!
たった今、東南アジア学会のメーリングリストで届いた訃報です。
ライデン大学のマレー語学者(インドネシア語文学)でいらしたA.Teeuw名誉教授が、5月18日に逝去されていたとの由。享年90歳。
マレー語の聖書翻訳に関して調べるのに、A.Teeuw先生のご論文には、充分にお世話になりました。何というのか、現在の我々は、格段に生活環境がよくなり、資料に当たる機会も広く自由に開かれたはずなのに、どういうわけか、この世代の先生方の方が、骨がある論文というのか、信頼度が高いというのか、そのパラドックスには不思議さを感じます。派生的に、エドワード・サイードの『オリエンタリズム』に対しては、新たな視点の提示や指摘には教えられるところがあるものの、全面的に肯んぜず、という気になるのは、このような現象に身近で触れてきたからなのです。
一つの時代の終焉を感じます。我々は、今後、どのように継承し、発展させられるでしょうか。