ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

シンポ・鳩山会館・谷中霊園 (1)

会合に出る度に感じるのは、多少無理してでも、敷居が高く感じられても、できる限りレベルの高い、雰囲気のよいところに出て行かなければならない、ということです。後日、二つの講演会の感想を書こうと思いますが、いずれも不満の残るものでした。(誰からも学ぼうと思えば学べる)などという詭弁に乗せられて、無料だからとか、近いからという理由で、出かけていくと、結局は損をするという教訓です。
その水準ないしは基準は、もちろん、自分の理解能力に応じたものでなければなりません。座っては見たものの、何を言っているのかさっぱりわからない、というようでは、これまた主催者に失礼です。
という意味では、3月17日の総理の語法によるところの「コクモンケン」、つまり「日本国際問題研究所」のシンポジウムは、なかなか満足のいくものでした。Bosch製の通訳機が椅子の上に置いてありましたが、見たところでは、そのまま全部、英語のスピーチおよび対談を理解されている方が多かったように思います。
300名ぐらいは参加されていたでしょうか、私は会場入口から見て左側の椅子の固まりの最後列から二番目に座りました。初めての場所を駅から歩いて出かけた割には、10分前に着席でき、我ながら上出来だと思いました。
いただいたパンフレットを読みながら待っていると、私の脇の通路を、あの道傳愛子さんがクリーム色のスーツに身を包み、早口の日本語で歩きながら打ち合わせしつつ通って行かれ、とても感動しました。こういう生の実感が与えられるだけでも、出てきたかいがあったというものです。
道傳愛子さんは、午前の部の司会担当。もちろん、すべて英語でのモデレーター。小柄で可愛らしい雰囲気の方なのに、テレビで拝見するのと全く変わらず、ピシリとしたプロ意識が貫通していて、お見事でした。本当に能力の高い、デキル女性とは、こういうことなのだなあ、とまた感動。「私はエリートで、仕事ができるのよ」「あなたとは違うんだから」などという、他者を見下げた自意識を微塵も感じさせない、自己統制のとれた方だと思いました。
そして、あまりテレビを見ないので、よく知らなかったのですが、私と同い年なのですね。もっと年上かと勘違いしていました。失礼いたしました。プライベートでは、いろいろなご苦労もおありだったようですが、それをすべてプラスに転換され、見事なお仕事ぶりで、よい刺激を受けました。ありがとうございました。
さて、肝心の総理のご挨拶。当初の予定では、10時開始で、10時5分から10分間のご挨拶だったようですが、どうやら翌日の新聞記事「首相動静」では3分ほど遅れた時刻が掲載されていました。実際には、私の時計で10時11分にお出ましになりました。受付でも、「今日はセキュリティが厳しくなっておりますので」と身分証明書の提示を求められたのですが、もちろん、現職総理のご登場となればSPも多く、秘書官も含めてなのか、確か、前8人後ろ8人ぐらい、重々しい雰囲気でした。
随分前に、イスラエル大使が同志社大学へ講演に来られた時にも、荷物検査はもちろんのこと、SPが壇上の左右につき、一種独特の雰囲気を醸し出していましたが、やはり、訓練のたまものというのか、SPが入ると空気が全く違いますね。テレビで、総理に対する「ぶら下がり」取材の場面を見ると、首相が話し始めるや否や、さっと二人が後ろ向きになって周囲の警護に入る様子が映し出されますが、本当に体を張ってのお仕事です。
鳩山内閣総理大臣がご入場になられますので、拍手をもってお迎えください」とのアナウンスに応じた形で、ようやく待ちに待ったご登場。ただ、私の実感では、このところの支持率低下をまともに反映してか、拍手が力なく、小さかったように思います。私はと言えば、ここは政権支持とは無関係に、自分も所属する日本国における最高指導者との初のご面会ということで、一国民としての敬意を表し、精一杯、拍手させていただきました。
ちょうど左側の端っこの椅子の固まりに席を取ってよかったと思ったのは、本当に左側の通路から入ってこられ、近くで拝見できたことです。(マレーシアでは、外務大臣だった頃のアブドゥッラー氏を大学でお迎えしたことがありますが、真ん中の通路を堂々と通って来て、全員起立を求められました。そこはやはり、均質化の進んだ日本、ということなのでしょうか。)
ネクタイは国会中継でも見た覚えのある、金色がかった黄土系の地に斜めの模様が入ったもの。テレビでは、ライトが当たって光るためか、肌がツルツルして若々しく見えますが、実際には、年齢以上に疲れた肌をされていて、やや老けて見えました。激務だからでしょうねぇ。
ただ、SPに囲まれると、それほど威光を放つような感じでもなく、あくまで淡々と礼儀正しく誠実な印象を与える、いかにも場慣れした紳士そのもの、というタイプでした。
テレビカメラが4台ぐらいは入っていたのですが、道傳さんのご案内および、受付で再確認したところでは、「4月10日にBSテレビで全放送、しかも、世界80カ国で放映予定」とのことです。
明日、この続きを書きます。